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26 作業ロボット

「ごめん、もう一回言ってくんない・・・?ちょっと聞き間違えかもしれないから・・・」


??

聞き間違えるようなことあったかな?



「ええと、物置にあった10箱分の切り分けを終えたので、新しい木箱はどこでしょう?と言ったのですが・・・?」


「・・・え?あ、いや、え?終わったの?10箱が・・・?だってまだ3時間経ってないでしょ・・・?」


「はぁ、でも終わったのは事実なんですが・・・?確認します?終わったやつもどこかへ運ぶなら持ってきますよ?」


「・・・私も行くわ。どっちにせよ運ばなきゃいけないから」



そう言うので女性と共に物置へ木箱を取りに行く。




「・・・嘘でしょ?本当に終わってるじゃない・・・。アンタ何者なの?」


「いや、何者と言われましても・・・。最近来た異人の一人ですよ?ごく一般的な」


「・・・異人って皆そんななの?」


「皆・・・?どうでしょう?私は基本一人行動なので他の人が何をしているかとか、能力差とか全く把握出来ていないのです・・・。もしかしたら中にはもっと早く終えられる人もいるんじゃないでしょうか?」


早々にレベルアップしている人達とかだったら、もっと速い可能性はあるよね。

器用値とか敏捷値とか高ければ速いんじゃないかなぁ?

こういう作業に反映されるとは限らんけど。




「異人て・・・。いや、まぁ、いいわ。終わっているなら文句ないもの。むしろ嬉しすぎる誤算だわ。ありがとう、もし時間があるならもう少し手伝ってくれない?本当は切り分け作業だけ頼むつもりだったから」


「可能なら昼ごろには抜けたいのですが大丈夫でしょうか?あと、切り分けはまだ終わっていませんけど?」



希望を伝えつつ、まだ物置に積まれっぱなしの薬草たちを指さす。


「幾らなんでもその量を、一人でやらせるつもりなんて無いの。ましてや一日でなんて。それよりも、出来上がった薬をビン詰めするのをお願い出来ない?もちろん時間が許す限りで良いから。ね?」


「えぇ、もちろん構いませんよ、あと5時間くらいでしたら全然余裕です」


「ん、じゃあこれ運んだらお願い」



良かった、これなら無事にヘンリーさんのところへも行けそうだ。

トータル8時間くらい手伝えば、一応クエストも義理立てにはなるよね。中途半端にはならないようにしたいけど。



切り分け終わった分の木箱を運び終わって、案内されたのは先程まで女性がいたであろう奥の部屋。


「それじゃ見本見せつつ説明するね。こっちの大鍋の薄い黄緑色の薬をこのビンに入れていって?こっち側にある水色の薬はまた種類が違うから間違えないように。蓋はこれ、入れ終わったビンはこの箱に入れて?ひと箱に付き40本入るようになってるから満杯になったら箱の蓋を閉めて、こっちのマジックバッグにしまってくれる?もしこの大鍋の分が終わったら、こっちにあるから。左側から先に詰めていって頂戴?」


「はい、わかりました」


「ん、アタシはあっちで調合してるから何かあったら声掛けて。・・・反応なくても辛抱強くね」


「っふ、ええ、わかりました」


どうやらこの人は私と同類のよう。集中すると周りが見えなくなるタイプなんだね。





親近感を覚えつつ作業を開始する。

出来れば力になって彼女たちを少しでも休ませてあげたいものだ。



指定されたビンは六角錐っぽい形をしていて、口の部分はペットボトルと同じくらいの小ささなので、液体を流し込むのは少し気を使う。

とはいえ、専用の器具で入れるのでそこまでではない。

たこ焼きとか大判焼きとかのタネを流し込むような器具といえばわかるだろうか。実際に使ってみれば意外なほどやり易かった。

器具に入れられるのは2リットル程度でビンはおおよそ200ccくらい。

一回で10本程度は入れられるみたいなので、先にビンを10本並べて入れていく。


あ、これやってみると結構楽しい。



ただ一応、ビンはガラス製っぽくて力加減を間違えてぶつけて割らないようにだけ気を付けないと。


端っこのほうに割れた容器のカケラっぽいものがあるから、きっと割れやすいんだと思う。


薬を入れ終わって、蓋を閉める。指定された箱は1本ずつ区切られるように枠があり内側にはクッション材も付けられている。

これで10本終了。


もう一度10本入れ終わって、流れがなんとなく把握出来てきたし、力加減も分かってきた。

次は20本一気にやって一箱終わらせてしまおう。


詰め終わった箱の蓋を閉めて、マジックバッグに入れていく。



ふむ、この作業やっぱり楽しい。

ビンにせよ、箱にせよ、空っぽのものを埋めていくのって一種の達成感のような快楽あるよね。



よーし、ドンドンやろう!




チャッチャッチャッチャ・・・

流し込んだら・・・


キュッキュッキュッキュ・・・

蓋を閉めて・・・


トットットットット・・・

箱に詰める。


もう一度。


チャッチャッチャッチャ・・・

流し込んで・・・


キュッキュッキュッキュ・・・

蓋を閉めて・・・


トットットットット・・・

箱に詰める。


マジックバッグに入れて。



チャッチャッチャッチャ・・・

キュッキュッキュッキュ・・・

トットットットット・・・


チャッチャッチャッ・・・キュッキュッキュッ・・・トットットットッ・・・


マジックバッグに入れる。



最初の鍋分が終わってしまった。新しいのと入れ替えるようにして続けていく。



チャッチャッチャッ・・・キュッキュッキュッ・・・トットットットッ・・・

チャッチャッチャッ・・・キュッキュッキュッ・・・トットットットッ・・・


マジックバッグに入れる。


―スキル【道具鑑定】がレベルアップしました―



チャッチャッチャッ・・・キュッキュッキュッ・・・トットットットッ・・・

チャッチャッチャッ・・・キュッキュッキュッ・・・トットットットッ・・・


入れる。


チャッチャッ・・・キュッキュッ・・・トットッ・・・

チャッチャッ・・・キュッキュッ・・・トットッ・・・

チャッチャッ・・・キュッキュッ・・・トットッ・・・

チャッチャッ・・・キュッキュッ・・・トットッ・・・




―スキル【道具鑑定】がレベルアップしました―

―スキル【リズム感】がレベルアップしました―


―スキル【道具鑑定】がレベルアップしました―




―スキル【道具鑑定】がレベルアップしました―


―スキル【流れ作業】を取得しました―


―スキル【道具鑑定】がレベルアップしました―

―スキル【器用強化】がレベルアップしました―

―スキル【集中】がレベルアップしました―


―スキル【精密作業】を取得しました―






「―――!――――っと!―――っば!―ってば!アンタ!ねえってば!」


ん?あれ?ってちょっと、叩かないでください、痛いですって。


「もう!やっと気づいた!さっきから呼んでるのに全然反応しないんだもの、焦ったわ!」


おう・・・。それはゴメンなさい。


「すみません・・・つい熱中してしまって」


「でしょうね・・・。この有様を見ればわかるわ・・・。アンタ本当に異常よね」


異常だなんて・・・ヒドイ。ただ視野が極端に狭くなるだけなのに・・・。

っていうか有様って何さ。


ふと周りを見回して理解した。

もう薬が入っている鍋が全て空っぽだし、入れるためのビンも無い。


入ってきたときのあの乱雑感はさっぱり無くなっていて、部屋が広く感じる程。



ちなみに空っぽになった鍋は、途中から生活魔法で綺麗に洗浄してたよ!

おかげできれいさっぱり。




ふむ。

これは、あれか。



やり過ぎたな!!



でも悪い事ではないんだし、良いでしょ?これで少しでも皆が休憩できると良いんだけど。




「多少張り切りましたが、これで少しは時間出来ましたかね?休憩くらいは取れそうですか?」


「・・・休憩どころか、しっかり睡眠も取れそうよ。あの三馬鹿だけじゃなくてアタシも休めそうだもの。ありがと、助かったわ」


「それなら良かった。とてもお疲れの様子でしたから、少しでも休んで頂けたら、と思ってたんです。力になれたのなら私も嬉しいです」


「そ・・・そんなに疲れて見えた・・・?ちょ、ちょっと恥ずかしいわね。でも、そうね、やっぱりドーピングじゃダメね、気が抜けたらドッと疲れを自覚してきたわ・・・」


「ドーピング・・・?」

頼むから怪しい薬はやめておくれよ・・・?エナジードリンク的なものだよね?そうだよね?



「ん?あぁ、心配しないで。ドーピングっていってもただの滋養強壮薬よ。そんな危ない薬じゃないわ、せいぜい5日間くらい寝なくても動けるようになるだけだもの」



じゅうぶんヤバイ薬だよ、それ。



「それより、アンタの仕事はこれで終わり。本当にありがと。依頼書、もらっていい?」


「あ、はい、こちらに。本当に終わりで大丈夫なんですか?まだ少し時間ありますよ?」


「ん、大丈夫。今日のノルマ分の4分の3は終わったわ。あとは昼番の連中に任せる。引き継ぎ終えたらアタシも少し寝るわ」


「そういうことでしたら、遠慮なく。今日はこの後予定がありますが、また今度お手伝いに来ても良いですか?時間があれば、調合関係もお手伝いしてみたいですし」


「何、アンタ。もしかして【調合】スキル持ってんの!?」


「ええ、サブが[薬士]ジョブなので。可能ならスキル上げておきたいんですよ」


そういうと女性は膝から崩れ落ちてしまった。

なんで?もしかして疲れて立てなくなっちゃった!?


「だ、大丈夫ですか!?しっかりしてください」


「だったら調合手伝ってもらえば良かった・・・。8時間無駄にしたー!」



おう・・・。


「すみません・・・。最初に言えば良かったですね、申し訳ない・・・」


「・・・ううん、聞かなかったのはアタシだから。・・・はぁ、やっぱ疲れてんのね。手伝いに来てくれるのは大歓迎。いつでも待ってる、クエストは毎日出してるから。えっと・・・アンタ名前なんて言ったっけ?」


「カケルと申します。一応ジョブは持っていても一度も【調合】使ったことがないので戦力になるかはわかりませんが、暇があればお手伝いに来ますよ」


「うん、大丈夫。来てくれるだけで嬉しいから」


そう言って明らかに疲れた顔をしながらも微笑む彼女。

なんか・・・あれだね。色っぽいね。


現代に例えるなら、キャリアウーマンで仕事バリバリこなす女性が、ふと仕事の合間に漠然とした不安にぽろっと弱音を吐く時のような・・・

ついこの報われない人を守ってあげたい、と庇護欲をかきたてるそんな笑顔。



今は疲れから髪の毛もボサボサだし、肌に艶も無く目の下の隈がひどい状態だけどなかなか整った顔をしている彼女。

たぶんこういうタイプが好きな人いると思うんだよね。



あれだね。

このゲーム女性陣を描くのが上手だよね!もちろん男性陣もそうなんだけど!

ついキュンとしてしまうのですよ。まったくけしからん。もっとやれ!




つい思考が飛んでしまった。



女性からサイン済みの依頼書を受け取り、男性陣と合わせて挨拶してまた手伝いに来ることを告げつつ、その場を後にする。





さて!今度は執事さんのところへ行って草むしりだ。







―――――――――――――――――――

名前:カケル

種族:人族

レベル:1

メイン職業:剣士

サブ職業:薬士


HP:100

MP:35


STR(腕力):12

VIT(体力):11

INT(知力):6

MID(精神):10

DEX(器用):11

AGI(敏捷):10

LUK(運) :10


LP:0P

SP:0P


≪称号≫

【人との縁を結ぶ者】【研鑚する者】【異変に気付く者】


≪スキル≫


戦闘:(戦闘技術・さばき)

【長剣術 Lv3】【杖術 Lv2】

【棒術 Lv1】【体術 Lv1】

【ナイフ術 Lv1】


戦闘:(技・強化)

【回避 Lv3】【器用強化 Lv4】

【ブレイク】【剣速 Lv1】


技能:(鑑定・隠蔽)

【植物鑑定 Lv5】【生物鑑定 Lv1】

【道具鑑定 Lv7】【気配察知 Lv1】

【観察】


技能:(生産・収集)

【調合 Lv1】【採取 Lv1】

【解体 Lv1】


技能:(思考・感覚)

【集中 Lv6】【鍛錬 Lv3】

【リズム感 Lv3】【流れ作業 Lv1】

【精密作業 Lv1】


技能:(抵抗・耐性)

【抵抗:閉所】【抵抗:暗所】

【抵抗:孤独】


その他

【生活魔法】【愛嬌】

【習得率上昇(小)】【説得】

【指さばき Lv6】


お読み頂きありがとうございます。

誤字脱字報告受け付けております。是非ご指摘ください。


感想、評価、レビューお待ちしております。


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