21 清掃クエスト
予約投稿ミスった!!!本来昨日上げるつもりだったんです・・・。ごめんなさい。
資料を読み終えて、棚に書籍などを戻していると、魔法関連の棚で足が止まる。
一応目を通しておくべきか?
若干諦めていたものの、読んでおいて損は無いだろう。
『初心者用~』とか『初級~』といった文字が含まれている物を何冊かチョイス。
軽く目を通すだけのつもりなので、個室は使わずにテーブル席へ。
そもそも魔法を使用するには魔力が必要。
これはMPの事。魔法適性が皆無な種族であっても、必ず多少の魔力は体内にあるんだそう。
MPを使用するのは何も魔法だけじゃないからね。
剣技である【ブレイク】もMP消費で使用するんですから。
まだ使ったことないけど。
んで、初心者用の書籍にはその魔力を伸ばす方法として3つの方法が載っていた。
1つはレベルを上げる事。これはレベルが上がるとステータス全体も多少上がるため。
1つはアイテムや装備で補完する事。これは付与装備というものがあって、お値段張るっぽい。
もう1つが瞑想。これは要は訓練だ。ただもの凄い時間が掛かるし、そう簡単に上がるものでもないという。
それでも一応、と思って瞑想の方法だけはしっかり覚えておく。
いずれ、いずれね。使う時がくるかもしれないから・・・。
ちなみに魔法を覚えるには、スキルポイントを消費する方法以外にもう一つ知られているのが、魔法書と呼ばれる本から覚える方法だという。
これは貴族向けの方法で、一般庶民には浸透してはいないが知識としては知られているらしい。
魔法書はとても高価で貴重。
本そのものが所有しているだけでステータス扱いになるらしく、貴族の人達が大金をつぎ込んでこぞって買い集めるらしい。
基本的にオークションに出品されているものを買うというのが一般的らしいが、そもそもオークションが頻繁に開催されるのがダンジョンのある大陸。
ここドルティアでは、あまりオークションは開催されないらしい。
そして開催されていても出品されるとは限らない。
手に入れられる確率はほぼゼロ。
地道にポイントを溜めるしか方法が無いというのが定説。とのこと。
魔法書、いつかは見てみたいものです。
綺麗な装飾が施されているタイプかなぁ。そうだと良いなぁ。
ある種、ファンタジーとして憧れる部分の一つだと私は思います。
あとダンジョンも。
こっちもちょいちょい情報はあるけど、お目にかかれるのはまだまだ先っぽい。
他国に行くのも一体いつになるのか・・・という状態ですよ、私は。
ノートに挨拶をして資料室を後にする。
そういえば、ギルドの混雑はだいぶ解消された模様。
前にノートが言っていた、受付の増設が完了したらしい。
それでも何をするでもなく、この1Fフロアでだらだらしている人達はいる。
その人達の視線は大半が受付嬢へと向いているから、おそらくは受付嬢ウォッチングが目的なんだろう。
かわいいもんね。
でも気を付けなさいな。
あからさまな視線ってやつは、まず好意的には取られないものですからね。
そこを勘違いしていると後悔することになるんですよ?
心なしか、受付嬢達の雰囲気とかピリピリしてるからもう遅い気もする。
ドンマイ。
ついでだからと、クエストも見ていく。
が、あんまり外に出る必要があるものは少ない。
これがデフォルトならクエストで稼ぐのは厳しいか?
とりあえず今は街中クエスト受けておくか。結構雑用も楽しいからね。
ちょっと考えているのは、どうせなら街中クエスト一通り経験しておくべきか否か。
スキル関係の事とか考えると、さっさと外へ行ってレベルアップに励んだ方が良いんだろうけど、なんか足が向かないんだよね。
これは性格みたいなもんだけど、他のゲームとかでもそうだった。
まず始まりの街でやること無くなってから、行動開始が私のパターン。
それこそ、サブクエスト的なので外に出なきゃならなくなって、そこで初めてっていう事が多々。
VRだからって、いつもと違う行動するのもちょっとね・・・。
ただ、期限だけは決めておいた方が良いだろう。
一人だけでやっているゲームならまだしも、これはオンラインマルチ。
あまりにも外れた行動して指さされるのは勘弁ですから。
そうだな、街中クエスト一通りと、スキルレベルを訓練である程度上がるまでにしようか。
そのある程度は気分で良いや。
クエスト終えてキリの良いとこって事で。それなら時間的にもそこまで大きく外れた行動した事にはならないと信じてる。
そうと決まれば、クエストだ。
何にしよう?
前回はゴミ拾いだったから違うものにしようか。
うーん。
この屋敷の大掃除ってやつにしてみようかな。
住宅の中に入れるチャンスでもあるし。
一般住宅ではなさそうだけど、そもそもプレイヤーの私がこの世界の住宅に入れるチャンスは、こういうものしか無さそう。
今回はせっかくだから受付カウンターまで行ってクエスト受注。
ちょっとは私も受付嬢と触れ合いたい。
「こんにちは、こちらのクエストを受けたいのですが」
「はい、こんにちは。かしこまりました、では確認させて頂きます」
メニューから受ければこの確認作業は省かれるのだが、そのひと手間がリアリティを感じさせる。
そして受付嬢を間近で見られる数少ない時間だ。
「ではクエストの説明をさせて頂きます。こちらの地図のここが依頼のあったお屋敷になります。仕事内容としては庭を含めたお屋敷の大掃除です。細かい指示などは直接依頼主の方からになりますが、基本的には草むしり、床や窓の拭き掃除、大きい家具の移動の手伝いなどになると思われます。そしてお気を付け頂きたい事が、今回はクエスト達成しましたら一度ギルドまでお戻りください。こちらの書類をお持ち頂いて、仕事を終えたら署名を依頼主の方から貰ってギルドに提出、それから報酬の支払いとなります」
ふむ。
前回は女将さんから直接だったけど、今回はギルド経由ってことか。
これはメニューから受けたか、直接受付したかの違い?それとも女将さんが特殊?
個人的な直感では女将さんが特殊説。なんかあの人特殊キャラクターな気がしてならないんですよね。本当になんとなくだけど。
「わかりました。前回は直接依頼主の方から頂いたので忘れないようにします」
「・・・あぁ、前回はゴミ拾いクエストを受けてらっしゃったんですね。依頼主の方から直接報酬を受け取るのは基本はありません。サーシャさん、あの女将さんはここの支部の相談役でもあるので特別なんですよ?」
はい、私、正解!
っていうか相談役!?
思っていたよりも重要ポストの人物でした。一体何者なんだ?女将さん。
あと女将さん、サーシャさんておっしゃるので?思わぬところで名前ゲット。
なんだかんだ聞くの忘れてたんだよね。でもこれからも女将さんは女将さんだろう。
一応覚えておくけれど。
「そうだったのですね。存じ上げませんでした。まだクエストはそのゴミ拾いしか受けていなかったので・・・。ちなみにクエストって常時あのくらいの量なんでしょうか?最初に来た時はもう少し多かった気もするのですが・・・?」
「いえ、今の時間帯は朝早くいらした冒険者の方々が受けた後なので少ない時間帯なんです。お昼過ぎにはもう一度張り出されますから、もう少しお待ちいただければ他の選択肢もご用意できますよ?」
なるほど、時間帯によって変わるのか。
朝、昼、夜でクエスト内容が変わるって事かな。
「いえ、今はこちらのクエストでお願いします」
「ありがとうございます。街中クエストを受けて下さる方は少ないので、正直助かります」
先程までの事務的な笑顔ではなく、ふっと微笑む表情を見せてくれる受付嬢。
その微笑みが見られるならいくらでも!
あ、なんかちょっと変なスイッチ入りそう。思考遮断!
「いえ、雑用仕事は得意ですから。では」
「はい、いってらっしゃいませ」
必死に顔に仮面を張り付けてこちらも頭を下げ、何事も無かったようにギルドを後にする。
少し歩いてから深呼吸。
ナニアレ!
カワイインデスケド!!
イッテラッシャイマセダッテ!!!
あ、やばい。頭バグった。いかんいかん。
いやー、可愛かったー。あれは反則だー。
我慢したぶん顔がデレっとしてしまうのはご愛嬌。
あれはたぶん誰が見てもニヤニヤしちゃうやつですよ。むしろよく我慢できたな私。自画自賛しちゃうレベル。
無理矢理とっさに無表情という名の仮面をかぶったから少し顔が強張ってしまった。
道すがら軽くマッサージしながら歩く。
クエストのお屋敷があるのは街の北側。
こちらは進んでいくと明らかに中流以上の階級の人間が住んでいそうな雰囲気になってきた。
もしや貴族街ってやつか?そもそもこの街に貴族っているの?
まだたぶん見た事無いと思うんだけど。
でっか!!
いや、違う。大きいんではなくて広いんだ。
お屋敷自体の大きさはギルド並みにあるから、住宅としては十分大きいんだけど、それ以上に庭が広い。
なんせ今まで見て来た庶民の住宅で庭が付いている所を見たことがない。
北側に歩いてきて、だんだん庭付き住宅もちらほら見え始めてきてたんだけど目的のお屋敷は一際広い。
さっきまで見て来たところは、ちょっとしたガーデニングが出来ますよレベルだった。
ここは庭でゴルフのアイアンの練習くらいは出来そうな広さ。
門構えもご立派です。
ちょっと緊張してきた・・・。
まさかここまで大きい屋敷とは。なんで冒険者を雇うのか不思議なレベル。
絶対家令とかメイドさんとかいるでしょ。
ただ、もう一つ気になることが。
近くに来るまで見えていなかったんだけど、ここよりも遥に立派なお屋敷がもっと奥に見えるんですよね・・・。
なんなんこの地域。
「どちらさまでしょうか?」
呆然としていたら、明らかに執事な人に見つかりました。
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