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近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)  作者: 赤点 太朗
前日譚(第零章) 異界の冒険
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0-4 いざ旅へ

「連れてってくれもなにも、行くんだろ?俺たちと」


 思わぬ切り返しに、サークヤは面を食らう。

 他の二人を見ても、何を当たり前な、という顔をしている。

 なんて安易なと思いつつも、とても有り難いと感謝に堪えない。


 テリオは先ず、サークヤの装備を揃える事にした。

「この町には、場違いな道具屋があるんだ。そこで揃えよう」

「ああ、あそこね。首都でも通用する腕なのに、どうしてこんなところに店を出しているのかしら……」

「あそこの亭主は養子じゃん、嫁さんの親が元々道具屋だがや。それでその道具屋を継いだんだらぁ」

 全く面倒な方言である、作者も面倒くさくなってきた。


 その道具屋は、町の大きさに似合わず、賑わっていた。

「な、なんだぁ? いつもより客が多いじゃないか」

「なんや、えらいごったがえしとるの」

 店の中に入ってサークヤの体格に合いそうな品を見繕う。

 服に防具、ブーツ、そして……

「サークヤは武器は剣で良いのか?」

「あ、あの、僕はここで使えるお金を持ってないんですけど……」

「そんな事は分かっている。で、剣で良いのか?」

 暗に心配するなと言われるサークヤ。

 置いてあった剣を一つ一つ握って確かめる。


「それにしても、なんだか品揃えが良すぎない?」

「ああ、昨日まで弟弟子が首都から手伝いに来てたからな」

 奥から店主らしき人が出てきた。

「何しろそいつは、弟子入りした道具屋の息子だからな。いい腕をしているから年に1、2度呼んで作り溜めしている。一番品揃えが充実している日だぞ?」

 がっはっはっと笑う店主。


「どうだ、サークヤ? 良いのは見つかったか」

「いや、真剣は初めてなので、どれが良いのか分からないんです」

「そうだな、ボウズは細いし筋肉が付いて無さそうだ。軽めの剣はどうだ?」

 店主が薦めてくる。

 対してテリオは、

「いや、素振りを見るからに、腕力に頼らず振れると思う。多少重くても自分に合った剣を探すべきだ」

 それを聞きながら、3本まで絞る。

 それを見て、テリオがその中から一本を手に取る。

 それは、緩やかに曲がった剣、曲剣だった。

 それを見て、何となく日本刀に似ているなと思うサークヤ。

 そういえば、テリオは日本刀っぽい剣を持っていたっけ、と思う。


「それで良いです」

 それを見た店主はびっくりした顔で、

「まさか、真っ先にそれを選ぶとは。それは弟弟子と私との合作で、漸く出来た自信作なんだ」

 テリオはそうか、と言い、一式の代金を払った。

「ほれ、これはオマケだ」

 店主から受け取ったのは、肩に掛けられるバッグだった。

「ふむ、それなら万一ひとりになっても良い量の荷物が入りそうだな」

 礼を言ってそれを受けとる。


 店を出た四人は昼食をとりに店に入った。

「これからどうするの?」

「そうだな、頼まれた森の主は討伐したからな。また鉱石でも探して回るか」

「じゃあ……南に下りる?」

「タークはどうだ?」

「薬草が心許にゃーから、北方面希望だがや」

「そうか、じゃあ、北だな。薬草はいつもの村の奥の山の上か?」


 他に足りない物を町で買い込み、一同は北へ向けて出発するのだった。





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『カースブレイカー』シリーズ
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