3-9 暴露
「安心しろ、お前らが何者であろうと、今までと変わらんから」
ケーブさんが一言。
俺とサークヤは目を見合わせる。
顔立ちは……間違いないだろう。
おそらく向こうも確信しているのだろう、こちらを見る目が少し泳いでいる。
だが、どう切り出せば良いのだろうか。
突拍子もない話をしなくてはならない。
此処にいる皆が皆、信じてくれないかもしれない。
信じてもらえると思えない。
怖いのだ、信じている者たちに信じてもらえないのが。
背中に変な汗を掻いているのが自分で分かる。
「お待たせ~!」
サリさん達が料理を手に入ってくる。
見れば、いつものサリさんの料理と、見慣れない料理がいくつか並んでいる。
俺が店番をしていた時に料理を進めていたのだろう。
それと、量を補うためにサラダ等の手早く用意できる物に、ケーブさんの土産を一気に出したようだ。
「あら、どうしたの?」
女性陣がニコニコしながら元の席に座るのだが、男性陣はそうでもない。
はぁ、とため息をつきながら、ケーブさんが仕切る。
「仕方ない、話の続きはメシの後だ。とりあえず頂こう」
こうして夕食は進む、明らかになったテリオさんの怪我の話をしながら。
今後どうするかなんてまだ決めてないというテリオさんにケーブさんは、
「じゃぁ、ウチで働くか? ちょうど人手が足りなかったところだ」
「まだ早いだろっ! どうなるか分かんないんだからさっ!」
そりゃそうだ。
ちょっと気が紛れた。
そうだ、ケーブさんは言ったじゃないか。
”何者であろうと、今までと変わらんから”と。
信じろ、と言ってくれたんだ。
うん、信じよう、ケーブさんを。
信じよう、皆を。
「俺は……たぶんそっちのサークヤもだと思うが……異世界人だ」
俺は意を決して打ち明ける。
皆が食べるのを止め、えっという顔でこちらを見る。
俺は声を絞り出すように話し出す。
「1年と少し前の事、俺はいつの間にか森の中にいた。全く知らない場所にだ。その直前までバス……こちらでいう乗合馬車だな、それが来るのを待っていたんだ」
そう言うと、しんと静まった後にサークヤも切り出す。
「僕も……バスを待っていて……気が付いたら森の中にいました」
やはりそうだ。
あの時、バスを待ってたのは俺を含め二人だった記憶が。
おそらく、その場にいた二人が転移に遭ったのだ。
そんな考えを巡らせていると、カシャンとフォークを落とす音が鳴り響いた。
「い、一年少し前……ですか? それって……まさか……去年の6の月では……」
少し震えながら聞いてきたのは、まさかのアイーナさんだ。
顔色が悪い。
どういう事だ?
6の月?そういえば……
「そういえばそうだ、6の月だった。前々回の出張の帰りだったから」
「そう、ね。6の月だったわ。うん、間違いないわ」
ケーブさんとサリさんが答える。
「ちょっと待って。サークヤに会ったのも確か去年の6の月よ」
シーナさんもそう答える。
カタカタと震えるアイーナさんに代わってラーナさんが、やっぱり顔色悪く答える。
「昨年の6の月に……私たちテイオーテが……ある術を執り行ったのです。それは……」
ごくりと唾を飲み込む一同。
おそらくそれは。
「召喚の儀を」
やっとここまで来ました。
が、この先は暫くお預けとなります。
すみません(汗




