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近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)  作者: 赤点 太朗
前日譚(第零章) 異界の冒険
101/324

0-64 続く騒動?

ガン!ガン!ガン!

「誰かおらぬかー!!」


翌朝、サークヤが日課の稽古を終えて作業場に入って間もなくの事だった。

「おーーーい、だれかーーー!!」

「煩いわねっ!!!朝から何よっ!!!」

朝が遅いのはいつもの事なのであろう寝起きのサミヤが、目のやり場に困りそうな薄着の上に軽い上着を羽織って応対に出た。

「おわっ!すっスマン。保安隊なんだが、こちらに先日の変わった服の男はまだいるだろうか。」

「ああん?変わった男の服?そんなん服屋に行けっ!」

「い、いや。変わった服を着た男のことだ。先日の夜に大捕り物をした...。」

「...ああ、いると思うよ。呼んでくりゃ良いの?」

「ああ...頼む。」

とにかく朝は弱そうなサミヤだった。


「僕に何かご用で?」

「ああ、ちょっと詰所まで来てもらえないだろうか?」

「?...先日の件ですか?」

別件(・・)だ。もしかしたらアンタと関係するのかと思ってな。」

「僕と?一体何でしょう?」

「来てもらえれば分かる。」

訝しみながらも保安隊に付いて行くサークヤ。

傍から見れば連行されていく罪人だが、特に繋がれてもいない姿に首を傾げる住民たちであった。



「手間取らせて済まないな。鍛冶屋にまだいてくれて良かったよ。」

応対するのは先日の小隊長だ。

「ええと...何かあったんですか?先日の件とは別件だって話ですが...僕が何か?」

「いや違う、お前さんじゃない。ないんだが...関係あるかもしれん。」

歯切れが悪い小隊長。

「関係があるかも知れないって、一体...。」

「兎に角、こっちへついて来てくれ。」

そう言って小部屋のドアに手を掛ける小隊長に続いて入って行くサークヤ。

「って、ああっ!」

「あっ!サークヤ!!」

「...やっぱり仲間だったか。」

小部屋の中にいたのは取り調べ中と思われるテリオだった。


「で、一体何があって此処にいるんですか?」

テリオに問うサークヤの声は、珍しく少し怒っているようだ。

「ああ、それは俺の方から説明しよう。」

小隊長の説明によると、昨夜飲み屋街で大きな喧嘩騒動があったそうで、その渦中の一人がテリオだという事だ。

「いやな、その前の晩...サークヤが(はぐ)れた日の夜に、大捕り物があったって噂をしているのを聞いてな。どうもその捕らえた方の人物像がサークヤに似てるうえ、捕らえられた方がその噂をしていた奴らと仲間だって聞こえて...な。」

で、酒が入っていたタークが因縁を付け、大騒動に発展したと言う話だ。


「はぁ...それでタークさんは?」

呆れた人たちだとばかりにサークヤが問う。

「あの馬鹿、酒に酔った状態で喧嘩では立場が悪いってんで、逃げ出しちまったんだ。」

「えっ!じゃあ、タークさんも逸れちゃったんですか?」

「タークだけじゃなくてシーナもだ。どうなってるんだか...。」

シーナも初日に一人で此処へ来ている事は聞いていたが...。

サークヤにテリオが説明していると、小隊長が口を挟んできた。

「でな、騒ぎが大きくなりすぎて、相手が相手だからと言って無罪放免には出来んかったのだ。喧嘩を打ったのはこの男たちだしな。」

あちゃ~と手で顔を覆うサークヤ。


「だが、先に手柄を上げていたお前さんとあの女性の仲間であれば、という事になってな。それで居所の分かるアンタに確認のために来てもらったという事なんだ。」

「えっ!じゃあ...。」

「ああ、これで晴れて放免となる。だが、逃走しているもう一人には出頭してもらうからな。」

もう騒ぎは起こしてくれるなよ、と釘を刺されて部屋を出る二人。

「そうそう、その捕らえた相手の事なんだが、どうやら密入国した隣国の手配犯じゃないかって話でな。今、照会中だ。全く、ここ2~3日で色々とあり過ぎだ。しかもお前らが全て絡んでやがる。」


ぶつぶつと愚痴る小隊長は、これで帰れると体を伸ばすと奥へと消えていった。






7月から投稿時間を(本格的に)22時に引っ越します。

週2回の2話投稿はまだ暫くは続けます。(投稿時間はバラバラ)

よろしくお願いします。

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『カースブレイカー』シリーズ
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