レヴェルとサーレ
周りでざわついていた生徒たちが急にこっちに向けていた視線をぼんやりと他にうつした。
認識はされてはいるんだけど誰もこっちを見たり気になったりはしないようになるみたいだ。
精霊が何が出来るのか分からないから、それも今度から試していって、魔法から切り替えていくのも良さそう。
「本当にできるのか…はは」
レヴェルが呆れたように私を見て、静かにしているレペテを確認してからゆっくりと背もたれに体を預け、手遊びしながら話し出した。
「僕さ、その“選ばれた存在”ってのが嫌いなんだよ」
「え?」
「ジークに言われた、リトとサーレを避けるな、僕がここにいれるのは二人のおかげだろって…その通りだ、ぐうの音も出やしない」
少し泣きそうになりながら話すレヴェルをじっと見守る。ジークはそんなことを言っていたんだ。
「だけど、ずっと母上から選ばれなければならないって言われ続けた…兄上を追い越せないのは、僕の努力がたらないからってさ」
「……」
「そんな時リトを見た、紫の綺麗な目で、周りが口々に言った…神に選ばれた証、貴重な魔眼って、神が直接与えてきたわけじゃないだろ?」
リトは、レヴェルのその時の色を見て、どう思ったんだろう。激しい感情を見て、感じて、考え込みすぎる彼はどう感じたんだろう。
「そしたら、次は女神の瞳の娘が居るってさ、選ばれた証がまた増えた…僕には出来ないことを選ばれた二人は簡単にやってのけて、今度はレペテまで…だから、僕は選ばれた証が嫌いだ、見ると何も無い自分が必死に頑張っているのが馬鹿らしく思えてしまう」
本当にそう思っていたんだとレヴェルは告げて、小さくごめんと謝った。
「今はそうは思ってはいない…はずだった、だがジークに見透かされた、二人から目を逸らしてる自分…さらには自分より“神に見捨てられた”であろうジークのそばにいようとした卑怯さを」
悔しげに、吐き出したレヴェルは、浅く息を吸う。
「……だが、僕はやはり友が欲しい、お前達の様な、信頼出来る友が」
「それは…」
「命令じゃない、命令なら意味が無いだろうし、それに」
まっすぐと視線を向けられる。選ばれた存在に疑問を抱き、不快感を持ったというレヴェル。ならゲームでの行動は兄が瀕死になり、仲直りも出来ず病んだ結果だったのだろう。
だから、母と同じ性別である女性に酷くあたったのか。
だとすると、もうゲームの中で起きるレヴェルの未来は消えた?
「魔眼があるのも事実だ、サーレも普通じゃない事を行える。ならば、僕は“瞳”について調べようと思うんだ」
「瞳を?」
「ジークが言っていた、忌み子を否定できる術を確かに僕は持ち合わせていない…なら、探して作るしかないだろう」
吹っ切れたような笑みを浮かべ仕方ないと息をついてレヴェルはゆっくりと目を閉じた。
「僕は僕なりに答えを探す、とりあえずの誓いとして、出来うる限りジークへの差別をまずは学園から消していくつもりだ」
「え…」
「だから、個人的な理由でさっきも今後も行う、礼なんて言わないでいい…今後行うことは全てジークと友になりたいという打算から来るものだからな」
照れくさそうにそっぽを向くレヴェル。良く考えてみるとパーティー前のあのレヴェルとの出会いイベント…本来では主人公と行うはずのものを私のわがままのせいでジークが行ったんだよね?
さぁっと血の気が引く。
あれ?
もしかして…ジークがヒロイン枠に行ってない…?
「サーレ様顔色悪いですよ?どうしたんですか?」
「どうしたんだ、サーレ」
「な、なんでもないの…」
そんな可能性が浮かんだらゾワッと寒気がした。嫌な予感がする。
「ねぇレペテ私少し出てきていいかしら」
「え?でも授業が…」
「気分が優れないの、少し外の空気を吸ってくるわ、レヴェル殿下…本当にありがとうございました」
「礼など…」
「いえ、“私の大切なジーク”のことを守ってくださるんですもの」
「そ、そうか」
「では、失礼します」
そそくさと席をたち、教室の外に出る。出たところで精霊達が役目は終わったでしょ?と魔法をといた。
精霊達が使うから私自身のデータにならなかったのかしらね。
(´Д`)ヤット‥ココマデ
今日は2ページ更新でした
明日も更新あるかと思います




