第七話 女神の天啓
「馬鹿な……そんなっ、そんなこと……ッ!」
喉の奥が焼けるような熱を帯び、言葉が形をなさず、断片的な叫びとなって溢れる。
「許せない……こんなの、許されることじゃない……っ!!」
聖仁は、弾かれたように立ち上がった。
身体が触れたテーブルが揺れ、激しい音が鳴り響く。
全身を突き抜けるのは、怒りというにはあまりに重く、無力感というにはあまりに鋭利な戦慄だった。
父が捧げた八年間の熱量も、その執念も、それは元より、叶わない想いだったというのか!
拳を握りしめ、震えを抑えようとするほど、指先は無様に跳ねる。
聖仁は目を瞑り、頬を伝う涙をぬぐうこともせず、ただ立ち尽くしていた。
ルキウスは、その荒ぶる息子を見つめていた。
慈しむような、それでいて全てを包み込むような静謐な眼差し。
彼は聖仁の、震える背中も、白く浮き出た拳も、何も言わずにただ見守っている。
やがて、低く、凪いだ水面のような声が、聖仁の耳朶を叩いた。
「……怒ってくれて、ありがとうな」
ルキウスは、まるで慈愛に満ちた祈りのように言葉を紡ぐ。
「だが、彼女を……マルガリタを、非難しないであげてほしい」
「すべては偶然が重なった結果だ。私が命を賭して、最後の勝負を挑んでくるなんて、彼女に予測できるはずもないさ。……何より、自分が負けるなんて、思っていなかっただろうしな……」
ルキウスの唇に、微かな、自嘲とも慈しみともつかぬ笑みが浮かぶ。
「卒業すれば自然に別々の道を歩む。……彼女がそう考えていたとしても、それは不思議なことじゃないし、咎められる理由にもならないんだよ」
「だからって……っ!そんな、こんな結末なんて……ッ!」
聖仁の叫びは、行き場のない憤怒を孕んで空転する。
言葉が喉に突き刺さり、吐き出すたびに胸を掻きむしるような痛みが走る。
「もっと早くに……彼女が、父さんに告げていれば! そうしていれば、父さんだって、諦めがついたはずだ……っ!!」
こんな最後になってから、すべてを無に帰すような真実を突きつけるなんて。
あまりにも、あまりにも残酷すぎる。
「こんな……こんな結末なんて……ッ! 卑怯ですよ……っ!!」
頭では理解している。
当事者であり、過去の己の行動に納得している父に、どれほど怒りをぶつけても、何も解決しないことを。
だが、理屈など、溢れ出す感情の前では無力だった。
聖仁はただ、子供のように拳を震わせ、やり場のない怒りをぶつけることしかできなかった。
ルキウスは、その荒ぶる叫びを、静かに受け止めていた。
「……彼女に出会う前、私はそれほど出来た子供ではなかった」
低く、重厚な声が、聖仁の怒りの熱を冷やしていくように響く。
「はっきり言えば、落ちこぼれだ。それが彼女を追い続けるうちに、みるみると才能を伸ばしていった……。彼女はエデンの統治者だ。そんな様子を見て、私に早い段階で絶望させるのは、得策ではないと判断したのかもな」
「そうこうするうちに、言うタイミングを逃してしまった……彼女の心境を察するには、そんな感じだろうさ。さっきも言ったが、そもそも私が死ぬなんて言わなければ、ただエデンを去るだけで済んだ話だ。……ふふっ」
自嘲の混じった、乾いた笑い。
聖仁は、その声に射抜かれたように立ち尽くしていた。
怒りは、行き場を失って内側へと沈み込み、代わりに熱い塊となって喉を塞ぐ。
「……っ、……ぅ……」
嗚咽を押し殺すため、聖仁は顔を伏せた。
震える膝が折れ、彼は力なくソファへと身体を預けた。
静まり返ったバーラウンジに、重苦しい沈黙と、微かな呼吸の音だけが満ちる。
荒ぶった呼吸を繰り返すうちに、聖仁の喉はひりついていった。
震える手でグラスを掴み、残った水を一気に呷る。
冷たい水が喉を通り、胃の腑へと落ちていく。
ルキウスは、その様子を静かに見守っていた。
彼は一切の動揺なく、豪奢なガラス瓶を手にし、新たなグラスへ水を注ぎ始めた。
トクトクと、規則正しく、澄んだ音がラウンジに響く。
満たされたグラスが、聖仁へと差し出される。
「……今でこそ達観できたが、当時の私は違ったよ」
ルキウスの声は、低く、どこか遠い記憶の底から響いてくるような、重苦しい熱を孕んでいた。
「どれほど暴力で組み敷こうと、知略を尽くして追い詰めようと……彼女の魂までは、決して手に入らない。……それを理解した時、私は、壊れたのだろうな」
ルキウスは自らの掌を見つめるように、視線を落とした。
「彼女から飛びずさり、号泣しながら逃げるように去っていったようだ……。後から聞いた話で、私自身は、あまりのショックで覚えていないがな」
自嘲とも、追憶ともつかぬ言葉。
聖仁は、差し出されたグラスを握りしめたまま、ただ黙って父を見つめていた。
「……その日から、私はただの抜け殻だった」
ルキウスの声は、底の見えない深淵から響いてくるように低く、重い。
「何もする気にならず、ただ虚空を見つめる日々……食事も受け付けず、水以外は喉を通らなくなり、みるまに痩せ細っていった。世話を焼いてくれた者が言っていたよ。肉体ではなく、精神が死んだようだったと」
ルキウスの瞳には、かつてその身を焼き尽くした、凄絶なまでの喪失の記憶が宿っている。
「そんな折、世話人から聞いた。いよいよ彼女がエデンを卒業すること。そしてその先は、クロフォード家の次期当主として内定し、覇道を歩むらしいということを。……だが、その時の私には、すべてが遠い出来事のように感じられた。情熱も、生命の灯火さえも、彼女への叶わぬ愛に使い果たしてしまったのだから」
語り終えたルキウスは、ふっと薄く笑った。
沈黙が、重苦しく二人の間に横たわる。
やがて、彼は再び聖仁へと視線を向け、まるで日常の何気ない会話を楽しむかのように、軽やかな響きを声に混ぜた。
「……どうだ? 18歳までのお前と同じくらい、かつての私は誠実な男だったと……信じてくれたか?」
「ははは!」
笑い声が、静まり返ったラウンジの空気を震わせた。
「……父さんは、初恋に、命を燃やし尽くすような想いを捧げたのですね」
聖仁の声は、低く、震えていた。
それは畏怖でも、軽蔑でもない。
一人の男が、その魂のすべてを賭して愛したという、あまりにも壮絶な事実に対する、純粋な敬意だった。
「未熟な僕には……想像もできないことです」
ルキウスは、そんな息子を見つめていた。
その瞳には、息子への深い慈しみが満ちている。
「お前の言う通りだ。燃え尽きた煤のようだったよ」
ルキウスは、ふっと目を細め、遠い日の光景を追うように呟いた。
「彼女が卒業してから、数か月経った頃だったろうか……その煤の元へ、彼女が訪ねてきた。『とりあえず家から出ないか?』と。まるで何事もなかったかのように、軽やかに」
「私は呆けたまま、彼女に誘われ、エデンの草原に辿り着いた」
ルキウスの声は、もはや語り部というよりは、呪文を唱える司祭のようでもあった。
「かつて彼女と初めて出会い、一目で恋に落ちた場所だ。……だが、私の心は空虚なままで、吹き抜ける風も、降り注ぐ光も、何一つ私には届かなかった」
草原の静寂が、ルキウスの言葉と共に重く沈殿していく。
「彼女は一言も発さず、ただ私の傍らに立っていた。……小一時間ほど経った頃だろうか、彼女の側近が、次の予定を告げに現れた。彼女は何かを言い残そうとしたのだろう、私に向き直ったのだ」
「その精気に満ちた、美しい瞳を間近で捉えた、その瞬間だ! ……私の中で、何かが弾けた!」
声のトーンが跳ね上がり、熱を帯びる。
「枯れ木のようだった体からは想像もつかないほど機敏に、私は飛ぶように駆け出して……草原の果てにある崖から、身を投げたのだ」
聖仁は、目を見開き、思わず身を乗り出した。
「……崖から、身投げを……!?」
驚愕が思考の糸を千切り、混濁させていく。
これまで積み重ねられてきた父の物語は、あまりにも常軌を逸していた。
切れ者と称されてきた彼の頭脳も、連続する衝撃の前では限界が近い。
ただ混乱の渦の中で、叫び出しそうなほどの緊張感に支配されていた。
ルキウスは、静かに言葉を継いだ。
「……あの頃の私は、死ぬことばかり考えていた」
「だが、死ぬための気力さえ、残っていなかったのだ。……そこに彼女の、満ち溢れるような精気に当てられたおかげで、なんとか『死ぬ元気』だけは貰えた……という事かもな。ははは!」
ルキウスは、自嘲気味に低く笑った。
「……目覚めたとき、私は病室のベッドの上だった」
ルキウスの声は、どこか遠い場所から響く幻聴のように、低く、掠れていた。
「マルガリタが、崖下に落ちた私を病院まで運んでくれたらしい。二日間ほど意識がなかったそうだが……幸いにも、生い茂る木々がクッションとなってくれたようで、大した怪我もなかった」
ルキウスの瞳に、かつての凄絶な衰弱が重なる。
「だが、彼女が傍にいないと、心は空虚なままだった。すべてが退屈で、意味のないものに思えた……。怪我は大したことがなかったが、私の身体はすでに、点滴で持たせるにも限界がくるほどに、弱り切っていた」
ルキウスは、新たな葉巻を手に取ると、静かに火を灯した。
ゆらりと立ち上る紫煙が、二人の間の空気を白く濁らせていく。
彼はゆっくりと、その香りを深く吸い込み、重々しく吐き出した。
目を閉じ、数拍の沈黙がラウンジを支配する。
やがて、ルキウスは再び目を開け、聖仁を見据えた。
「……私が病院を出て、療養所に戻る日だ。彼女が再び訪ねてきた。一枚の書類を持ってね」
その声には、神託を告げるような、奇妙な熱が宿っていた。
「それは豪奢な羊皮紙で、こう記されていた……」
ルキウスは、一文字一文字を刻みつけるように、その内容を告げる。
「『マルガリタ・フォン・クロフォードは、ルキウス・フォン・ヴァルディスに、クロフォード家の当主の座を譲るものとする』」
聖仁の呼吸が止まる。
「『同時に、ルキウス・フォン・クロフォードは、マルガリタ・フォン・アルテミシアスを正妻として迎え入れることを、ここに宣言する』……」
「彼女は私に当主の座を譲り、私の妻になるということだ」
今までの物語は、聖仁の理解と予測を遥かに超えた、別世界の出来事だった。
あまりに壮大で、あまりに理不尽な愛の形。
その驚愕の展開に、震えるような興奮が彼の脊髄を駆け抜ける。
「当主の座を……移譲!? それに、結婚ですって……ッ!?」
思考が追いつかない。
聖仁は言葉を失い、喉を鳴らした。
脳裏に浮かぶのは、父が語ったマルガリタの性的指向だった。
「彼女は……その、同性愛者だったはずでは……? これは……同情、でしょうか」
口にした言葉の失礼さに、聖仁自身がハッとして息を呑む。
だが、ルキウスはそんな息子の未熟な問いに、怒るどころか愉快そうに目を細めた。
「わはは! 同情もあっただろうな!」
豪快な笑い声が、ラウンジの重苦しい空気を引き裂く。
「死ぬ気で彼女に恋をしていた馬鹿が、今にも、死にかけていたのだから!」
ルキウスは腹を抱えて笑った。
だが、その笑いは突如として途絶え、彼は再び神妙な面持ちへと戻った。
瞳を閉じ、紫煙の向こう側にある記憶の深淵へと沈み込む。
深く、重い呼吸と共に、彼は静かに語り始めた。
「……彼女は、子供のような、無邪気な笑顔で、私にこう言ったよ」
その声は、もはや震えすら感じさせないほどに、透き通った慈愛を帯びていた。
「『君の恋心には応えられないが、これで約束通り、君のモノにはなれた。……これからは友情で、共に生きていかないか?』とね」
語り終えたルキウスは、肺の奥に溜まった澱をすべて吐き出すように、深く、重い息を吐き出した。
葉巻の火を消し、クリスタル製の灰皿へと静かに置く。
彼はソファに身体を沈め、虚空を見つめたまま、天井の模様を追うようにしばらくの間、沈黙の中にいた。
数拍の時を経て、ルキウスは聖仁の方へと身を乗り出した。
その瞳には、先ほどまでの哀愁とは異なる、狂おしいほどの熱が宿っている。
「……あの時の彼女ほど、美しい女性の姿を、私は今この瞬間まで見たことがない」
声が低く、震える。それは、あまりに強烈な記憶への陶酔だった。
「もともと太陽のように明るい性格の人だったが……私の最後に残った感情、孤独と怠惰さえも焼き尽くすような、眩いばかりの光源だった」
ルキウスは突如、右の拳を強く握り込み、左の手のひらへと叩きつけた。
――パンッ!
乾いた音がラウンジに響き渡る。
弾かれたように立ち上がるルキウス。
「天啓を得るとは、まさにあの時のことを言うのだ! 死に瀕していた、私の枯れ木のような細い体に……燃え滾る活力が、無限に湧き上がってきたのだ!」
立ったまま、ルキウスの身体が小刻みに震えている。
かつて、死の淵から一気に生へと引き戻された、あの爆発的な生命の奔流。
今なお、その身に宿しているかのような、狂おしいほどの興奮だった。
「……死に瀕していた私を救うため、彼女はクロフォード家の当主の座すら投げ出し、身を挺してくれた。私は、それまでの衰弱が嘘のように、みるまに回復していった」
ルキウスの声には、狂おしいほどの熱量と、どこか誇らしげな響きが混じっていた。
「療養所を出る際、私は彼女に尋ねた。これほどまでの恩を、どうやって返し、どうやって愛を尽くすべきかと。すると彼女は、少しの間思案した後……満面の笑みでこう言ったんだ。『私の夢は、世界中の美女を手にする事だ。だから君も、その手助けをしてくれよ』とね」
不敵な笑みを浮かべ、ルキウスは聖仁を見下ろした。
聖仁は父を見上げ、どこか可笑しさの混じった苦笑いを漏らした。
「……なるほど。父さんが好色なのは、全て女神の神託……天啓だったわけですね」
「さすが聖仁君! そこを理解してくれるとは! わははは!」
ルキウスは大笑いし、肩を揺らしながら、ゆっくりとソファに座り直した。
激しい興奮が引いた後の、静かな熱を帯びた呼吸。彼は一息つき、再び穏やかな声で語り始めた。
「……まあ、それからは、我が妻であり良き友として、今でも仲良く連れ添っているよ。……男同士の悪友のような、そんな感じだな。わはは!」
ルキウスは再び愉快そうに笑った。
茶目っ気のある愛らしい普通の父親が、聖仁の目の前に座っている。
ルキウスは笑い声を収めると、悪戯っぽさを孕んだ瞳で聖仁を見つめた。
「聖仁。一人の女性を、ひたむきに、死を賭して想い続けた誠実な男も、世界中に愛人をつくれるぐらいには、好色家になれるんだ」
不敵に口角を上げたルキウスの言葉は、冗談とも本気ともつかぬ、悪魔の誘惑のように響く。
「お前も一緒に、マルガリタの夢の手助けをするのはどうだ?女性の素晴らしさは、既に君自身、知っているだろう? ふふっ」
聖仁は、その不敵な笑みを見つめたまま、静かに目を閉じた。
微かな微笑を浮かべたまま、彼は深く、重い言葉を紡ぎ出す。
「……父さん。僕は、貴方が嫌いでした」
静かな告白。
「母の事を愛人と公言し、権力で多くの女性を手籠めにする貴方を……軽蔑していました」
ルキウスは、非難めいた告白をする息子を、ただ、慈しむような優しい眼差しで見つめていた。
「今の話を聞いて……貴方のことを、多少は好きになれました」
一呼吸。
聖仁は目を開け、父の瞳を真っ直ぐに見据えた。その瞳には、揺るぎない意志が宿っている。
「ですが、かつて貴方がカレンを脅迫したことは今でも許せませんし、ましてや僕を不誠実な道へ誘うのは、止めていただきたい」
聖仁の声は低く、それでいて凛としていた。
「僕のことを、カレンに出会う十八歳までは誠実だったと、お褒めいただきました。ですが今も……少なくとも誠実でありたいと思う気持ちは、微塵も変わっていません」
ルキウスは、聖仁の前に置かれた水の入ったグラスを手に取る。
傍らにあった最上級のブランデーのボトルから、琥珀色の液体を少量注いだ。
水と混ざり合い、淡く色づいていくグラスを見つめながら、彼は不敵に笑う。
「……この場面で、このグラスだ。お前のその誠実な心は、果たして断れるかな?」
悪戯っぽく、挑発するように目を細める父を横目に、聖仁は迷うことなくグラスを口へと運び、飲み干した。
以前、父が垂らしたあの一滴のウィスキーよりも、少し濃くアルコールを感じる。
芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、胸の奥から、じわりと温かさが広がっていった。
聖仁は、その余韻を噛みしめるように、静かに息を吐いた。
「……ふぅ、美味しいです。ありがとうございます、父さん」
飲み干した息子を、ルキウスは満足げな笑みで見つめた。
彼は突如として立ち上がると、ソファから少しの距離を歩き、バーに飾られた一幅の絵画へと視線を移した。
静寂が流れる。数拍の間、彼は背中を向けたまま、その絵画を見つめ続けている。
「……聖仁、愛する息子よ」
背中越しに響く声は、どこか遠い、重厚な調べを帯びていた。
「お前はエリート揃いのエデン出身者でもないのに、クロフォード家当主の後継者候補に挙がっている。実の父として、これほど喜ばしいことはない」
ルキウスは絵画から目を離さず、淡々と続ける。
「だが言った通り、クロフォード家は血筋での継承ではない。あくまでも実力だ。元老院が開く査問委員会によって認められて、初めて当主の座が与えられる。かつての私も……まあ、自画自賛させてもらうが、マルガリタの助力だけで、その座を掴んだわけではないのだよ。それなりにパパは優秀だったのだ! わはは!」
愉快そうに笑う父を、聖仁は温かな眼差しで見つめていた。
だが、その直後――ルキウスが放った言葉が、ラウンジの空気を一瞬で凍りつかせた。
「……そこで私は、悩んだのだ」
「お前にとって父は、味方であるべきか、それとも敵であるべきかとね。お前は二十歳にして、既に多くの味方を得ている。その類まれなる才能ゆえに、敵となる者さえ少ないだろう」
「……だからバランスをとるため、私は君の『敵』になることにしたよ」




