42話
もう寝る時間だと言うのに、明日が楽しみで眠れません。
だから、少しだけ部屋を抜け出して庭に散歩に行く事にしましたよ。
外は暗いですが、夜空の光のお陰で散歩できます。
(地上とは違うけど綺麗な夜空ですね~)
楽しく散歩していたら、父様の声がします。
「セリ、こんな所でにしてるの?」
あら、父様に見つかってしまいましたよ。
「えへへ、ちょっとお散歩……。父様は?」
笑って誤魔化しながら答えます。
(…怒られちゃうかなぁ)
「僕も散歩。ここは安全だけど1人で歩くのは小さいセリには危険だからダメだよ。必ず誰か呼ぶようにね」
「は~い。ごめんなさい…でももう少しお散歩してもいい?」
「解ればいいよ。分かった。少しだげ一緒に歩こうか?おいで」
「うん」
ふぁ~い。散歩の許可もおりましたよー!
「明日のお出掛け楽しみだね。父様」
(ああ早く明日にならないかなぁ~)
こうして、わたくしの1日は終わっていくのでした。
◇◇◇◇
ー使用人専用食堂ー
ここは使用人専用の食堂だ。
そして屋敷に使える大勢の女人魚達が集まっていた。
「明日の潜水艇に、お供出来るのは男性陣では、ジェノさんとアズ。女性では、お嬢様、お世話係のシノエさん。そして、シノエさんの要望で補佐として女性が2人のお供が決まったわ」
「要は、その残り2人を今ここで決める為に集まってもらったの!」
「そして、ここは公平にクジ引きよー!!」
そう言うと大きな筒に棒あり、クジ引きが行われる。
「棒の先が赤く塗られクジが当たりよ!!」
そう筒を持って居る人魚が、皆に説明する。
そして、皆の様子は真剣そのものだった…。
「お供とはいえ、豪華な潜水艇に乗れるんだもの絶対に負けないわよ」
「かわいいお嬢様と豪華潜水艇での楽しい一時、くぅ~!!美味しすぎる~」
みんなが、それぞれに熱く明日への思いを語っている。
「って、キヌあなたクジ引くの??」
そこにはキヌの姿もあった。
「ええ//」
キヌはそう声を掛けられて、少し戸惑いながら答える。
「キヌは、今日、お嬢様と一緒に楽しく過ごしたんだしいいじゃない!」
「そうそう、旦那のスーも1人お留守番と、可哀想じゃない?」
みんな1人でも競争相手を減らしたい、そんな思いがあった。
「旦那様は、お留守番で大丈夫です。私も、もっとお嬢様とご一緒したいんですもの//」
キヌは申し訳無さそうに、だが強い意思を持って答えた。
(((あっさり旦那を捨てたー!)))
「まぁいいわ…。希望者は全員くじを引く権利があるものね。ではくじ引き大会を初めるわよー」
こうして、女達による、くじ引き大会は夜遅くまで白熱しという。
◇◇◇◇
翌朝
ーアズの部屋
「うっっ~。にゃ~。ここどこ?頭がモー烈に痛いにゃ~。胸がムカムカするにゃ~……」
その苦しそうな賢妙連の声にアズは心配になり慌てて側により声を掛ける。
「神器様。大丈夫ですか?」
朝起きたら何故かモー烈に調子が悪いにゃ~。
どうなってるにゃー??
「アズ、あたいもうダメにゃ~。……最後に一目、主に会いたい、あ、主を呼んでにゃ~」
「分かりました。神器様。今すぐ呼んで参ります。しばしお待ちを」
アズはそう言って部屋を出るのだった。
◇◇◇
そうして朝、突然の知らせに、わたくしは慌てて、けんちゃんの所に行きましたよー!!
「けんちゃんどうしたの??」
けんちゃんは、ぐったりしてますね。
「主、あたいもうダメにゃ、主、あたいの事を助けて…!助けて…!」
そう言ってわたくしに助けを求めます。
「どうしょう!!アズ、お医者さん呼んでー!」
それとも獣医さんですかね?
それか父様の方がいいんでょうか?
わたくしはどうして良いか解らず困っていたら、アズが、横から声を掛けて来ます。
「あの、神器様は、おそらく二日酔いでは無いでしょうか?……二日酔いのお薬を飲めばきっと大丈夫な筈です。お嬢様」
「二日酔い??」
わたくしは、その聞きなれない言葉に驚きます。
「はい。昨日、神器様はマタタビで酔っぱらった上にお神酒まで大量に飲んで酔って暴れてましたから…。
その後、庭で眠っていたのを見かけて…慣れない竜宮で、そのまま放置するのも心配ですので取り敢えず私の部屋に連れて来させて頂ました」
酔っぱらって大暴れですかー?!
わたくしが抜けた後にそんな事が?!
け、けんちゃん……皆に迷惑かけて、もう困った子ですね。
「じゃあ、お薬飲めばよくなるの?」
「はい」
「よかった~」
でも、もうすぐ、お出掛けの時間ですが、けんちゃんは、調子悪そうだし、お留守番してて、貰う方がいいですかね?
「今日は、お薬飲んで、けんちゃんはお留守番ね!おとなしく寝ててね。アズ、けんちゃんをよろしくね」
「はい…畏まりました」
(そんな、潜水艇楽しみたいにして楽しみにしてたのに……トホホ)
「じゃ、けんちゃんおとなしく寝ててね~。お土産を買ってくるから。もう出発の時間だから行くね」
「あ、主、あたいを置いて行くなんて、ひどいにゃー!」
さて、いよいよ主発の時間ですね~。