第20話
「言ったでしょ貴方では私に勝てないと」
レヴィンは見た。
ディーノの胸の短剣が抜け傷が治っていくのを。
「再生能力も持っているのか」
「クク」
ディーノが腕を鞭のようにしならせ、レヴィンを壁に叩きつける。
「がはっ!…はあっ!」
レヴィンは再び短剣を取り出し、掴んでいる腕の手首の辺りを切り落とした。
「おっと」
ディーノが腕を引き戻す。
しかし、あっという間に腕が再生する。
「どうです?見事でしょ?レアな『リジェネトロール』のゲノムですよ。再生核のない完璧な再生能力!!!」
「ちっ、ゴムに再生か…」
「ククク、分かりましたかこの絶望的な状況が!!」
「関係ない」
レヴィンは身体を起こす。
「お前を始末する予定に変更はない」
「ククク、意気がるなよ犬めっ」
レヴィンは再び駆け出した。
「『白雷』!」
縦横無尽に強力な雷がディーノを襲う。
ドドドドドドド。
世界が白く染まり地響きが起きる。
レヴィンが止まる。肩で息をしていた。
「ハァ…ハァ、どうだ…」
「まったくもって…無駄…です!」
再びディーノの伸びた腕がレヴィンを襲う。
両手でのガードごと後ろに吹き飛ばした。
「痒い痒い、でもそれだけですねぇ。あんなにもてはやされた『雷神』がこの程度だとは…ガッカリですよ」
レヴィンは息を整える。
「ふぅー、そうか…今の俺はそうかもな。でも、貴様を超えて先に行かせて貰うぞディーノ!」
「クククそう来なくては、来い雷神!」
レヴィンは再び駆け出す。
「ふっお決まりのパターンですねぇ!!」
「『雷針』!」
縦横無尽に駆け回りながら、レヴィンが大きな雷の針を雨のように飛ばす。
「針なら効くとでも?無駄ですよ!」
ディーノは腕を円を描くように回転させて弾いていく。
「いや、これでいい」
「は?」
「必要なものは出来た」
そう言うとレヴィンはディーノに向かっていく。
「ふん、戯れ言を…ん?」
レヴィンはディーノを中心にして円を描くように走り出す。
そこには先ほどの雷の針があった。
いつの間にか針はディーノに対して円を描くように配置されている。
レヴィンはどんどん加速していく。
「先ほどの時に混ぜて居たのか…だがこれがなんだと…まさか!?加速しているのか!」
レヴィンの軌跡が分からないほど強力な雷の円が出来ている。
「こんなもの!!壊せば良いだけのこと!!」
ディーノが雷針に向かって拳を繰り出す。
しかし、雷の輪によって弾かれた。
「ぐっ!!」
「いくぞ!『電磁・無限連環』」
レヴィンがディーノに仕掛ける。
加速していく拳はゴムの性質やや再生等追い付かない程に削り取っていく。
「ぐあああああ、熱い!!熱い!!」
超光速で循環する電磁の檻の中、逃げ場を失ったディーノの身体が、細胞どころか分子レベルで削り取られていく。
再生する間すら与えない、超高熱と衝撃の無限の連撃。
「終わりだ」
ズガンッ。
留まりきれずに空を切り裂く程の雷が大気のバリアを突き抜けて、宇宙へと流れていった。
閃光が消え、レヴィンが止まる。
ディーノは細胞1つ残さずに消滅したのだった。
天井から宇宙が覗く、静まり返った部屋でレヴィンが静かに佇む。
「言ったろ……お前を始末する予定に変更はない、とな」
レヴィンはディーノがいた場所を一瞥するとシュウ達を追いかけて行くのだった。




