第19話
しばらく走っていると目の前に大きな鋼鉄製の宮殿のような建物が見えてくる。
『ここのボスが居るのはあの建物です』
「自分を王だとでも思ってるのか…」
ポツリと呟く。
「入るぞ」
レヴィンの言葉に頷き中に入る。
中はかなりの広さだ。いくつも扉がある。
しかし、今はそれよりも目の前にいる男だ。
「よく来たな。ギルドの犬と……貴様らはなんだ?」
男はレヴィンを見た後、こちらに視線を向ける。
「俺たちは開拓者だ!」
「なんだ、ただの夢想家か…どうだ?こっちにつかないか?ボスも喜んでくれるだろう」
「ボス?お前がトップじゃないのか」
レヴィンが聞くと男は笑った。
「俺はディーノ…そうだな、ここのナンバー2といったところか」
「ちっ、ならこんなやつに付き合ってる暇は無いな」
俺とミラはディーノの後ろの扉へと走っていく。
ディーノとすれ違う。
視線こそ向けたものの、奴は何もせずにおれたちを通したのだった。
ディーノはその場を動かなかったレヴィンに視線を戻す。
「貴方は行かないのですか?」
「俺は……犬と呼ばれるのが嫌いなんだ」
レヴィンの周りでパチパチと電気が音を立てて走る。
「貴方は有名すぎる。貴方の能力では絶対に私に勝てないですよ。ククククク」
「それはやって見ないと分からないだろうが!!『雷槍』」
レヴィンは雷の槍を造り出すとディーノに向かって投げつける。
ディーノはそれを片腕で簡単に弾き飛ばした。
「!?」
「クク、こっちの番です」
ディーノは拳を繰り出す。
拳は高速でゴムのように伸び、レヴィンの体に突き刺さる。
「がはっ」
レヴィンは後ろに吹き飛んだ。
「まだまだ、これからだギルドの犬め!」
ディーノは両手を使い連続で拳を叩き込む。
ドドドドド。
地響きのような音を立てながら拳がレヴィンを襲う。
「っ『迅雷』!」
レヴィンは閃光と共に移動し、男の背後に回る。
「ゴム能力にあったことが無いとでも!!」
レヴィンは腰から短剣を取り出すとディーノに斬り込む。
「ちっ!!」
ディーノは空中で無理やり腰を180度捻るとレヴィンに向き合う。
ザクッ。
短剣がディーノの胸に刺さる。
「『刺雷』!!」
短剣に雷が落ちる。
「がはっ!!」
ディーノの顔が苦痛に歪む。
2人は着地する。
一撃を食らったディーノはドスンと背中から落ちたのだった。
「バカが…能力を過信するからだ」
レヴィンは背を向けてシュウたちの通った扉へ向かう。
「過信しているのは貴方では?」
背後からの声にレヴィンは振り向く。
「がっ」
伸びた手にレヴィンは喉を捕まれたのだった。




