第15話
3人と共にミラがこちらに来て、状況を説明する。
「ーというわけで、この子は我々が保護しました。そして、彼等が乱入してきた人達です」
ミラが示した方を向くと、ガタガタと震える男たちが居た。
「ちっ」
舌打ちをすると雷野郎がそっぽを向く。
「はぁ…もういいや、俺はシュウだ。よろしく」
「……レヴィンだ」
雷野郎が名乗る。
「コポ!シュウ、コイツだ コポ。コイツが『雷神』とか呼ばれて今ノリに乗ってる開拓者だコポ」
「へぇー」
そう言えば前にそんな話を聞いた気がする。
今ノリに乗ってるか、確かに強かった。
だが銀髪黒服のイケメンでスカした奴だ。
気に食わない。
「コポは、コポだコポ。よろしくコポ」
「リンだニャ!」
「ミラと言います」
みんなで挨拶を済ませると震える男たちの方を向く。
「さて、アイツらに話を聞くとするか」
そう言って男たちに向かって歩き出す。
男たちの前に行くとリーダーっぽい奴に俺は質問することにした。
「それでお前達は何者なんだ?」
「はいっ…あ、えっとその~、救難信号を…聞き付けて…来まして…はい…」
「いきなり襲って来たのに?」
「それに死ねとか言ってたコポ」
「言ってたニャ」
「言ってましたね」
「はははー、何か誤解があるのかも…ぐえっ!」
ガッ。
レヴィンが急に後ろから出てきて男の胸ぐらを掴んだ。
「お前らか?最近いろんな種族の身体の一部を奪って集めてる奴等ってのは?」
「何!?」
まさか。
剣を抜くと男の首筋に当てる。
男の額に汗が滲む。
「ひっ!」
「おい、まさかあの子の角が無いのはお前らの仕業か!」
「っ!そ、それは…」
「そうじゃ」
少女の声が聞こえる。
慌てて振り向くと目が覚めた少女がリンの手から降りるところだった。
「そやつらがワシの角を奪っていった。珍しい工芸品じゃと言ってな。急に現れるとワシの首から下を鉄球の中に閉じ込めて角を持っていきおった。鉄球を砕き慌てて追ったのじゃが、船を途中で墜とされたのじゃ」
「…だそうだが?」
そう呟いたレヴィンの周りではパチパチと電気が音を立て始め、俺は首筋に当てた剣に力がこもる。
「ぐっ……」
「それにそやつらの悪事はそれだけでは無いようじゃ」
少女は辺りを見回しながら言う。
「っ!お前達は」
男が驚きの声をあげるなかぞろぞろと周りから人影が集まってくる。
それは植物族の人達だった。
しかし皆痩せて萎れている。
「もしかして皆さんは宇宙警察の方ですか?」
1人の植物族の青年が話し掛けてくる。
「あ、いやすまん。俺達は開拓者だ」
「そんな…」
青年はガクリと肩を落とす。
「でもなんか助けられる事があるかも知れないし何でも言ってくれよ」
「そうニャ」
「そうコポ!そしてお礼はお金…んぐっコポ」
ミラがコポの口を塞ぐ。
青年は仲間達と顔を見合わせ頷くと、こちらを向き直して言った。
「では…我々はここの原住民なのですが、太陽を奪われ…僅かばかりの熱と光を対価に彼等の下で薬物の原料を栽培させられているのです…」
「太陽を奪う?」
「栽培ニャ?」
「この星を出られないので見たことは無いのですが彼らの話を盗み聞くに、太陽を機械で覆っているようです」
ピシャッ。
雷が落ち、レヴィンの掴んでいた男が倒れる。
「ひっ!」
後ろの部下達が悲鳴をあげる。
ピクピクしているが生きてはいるようだ。
「状況は分かった。奴等の事は俺に任せろ」
レヴィンがそう言い放つ。
「本当ですか!」
青年達が色めき立つ。
「おい!まだこの子の角の場所を聞いてないだろ!」
「ちっ」
レヴィンが視線を反らす。
「あの~場所なら知ってますけど…」
手をあげたのはレヴィンに先程雷を落とされた男の部下だ。
「どこなのじゃ!」
「アレです」
男が指を指したのは宙だった。
「太陽を覆う機械『ダイソン・ヴェール』にあります。ボスがそこで保管してる筈です」
指先を追い、全員宙を見上げる。
漆黒の闇の中、微かに点滅しているモノが見える。
『1億8000万キロ先に、直径150万キロの構造物が確かに存在します』
「マジコポ…」
コポが呟くのが聞こえた。




