表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

11.閑散と


午後は何事もなく競技は進んでいき、陽菜子と紗良ちゃんの二人三脚を微笑ましく見守ったりクラスメイトを応援したりと普通の小学生らしく運動会を楽しんだ。


リレーでは5位であったところを3位まで順位を上げて私は次の走者である九条へとバトンを渡すことができた。九条もその後すぐに1人を抜き、もうすぐで1位に追い付きそうだというところでアンカーの中村へとバトンをたくす。そのまま1位と追い越し追い越されを繰り返しながらゴールテープをきった。


1位は中村だった。

その瞬間に私達のクラスが歓声であふれる。

走り終わった私達選手もお互いにハイタッチして喜びを分かち合った。



退場してクラスのところに戻ると皆に次々とお疲れ様と言われた。これで少しは貢献できたかなとほっとしていると中村のもとにすごい勢いで誰かが突っ込んでいく。


「きゃーー!!中村君すごかった!一番格好よかったわ!!」


ツインテールをゆらしながら中村に抱き付いていたのは黒川恵美であった。

先程のリレーを見て興奮しているのだろう。中村が走っている際もきゃーきゃー言いながら応援する姿は恋する女の子だった。


ただまあ、中村と競っていた子はあなたのクラスメイトだったんだけどね!


自分のクラスじゃなくて堂々と他クラスの中村を応援するその度胸には恐れ入った。彼女のクラスメイト達も仕方ないよね的な顔をしていたのだから普段からそんな感じなのだろう…。


そんな彼女を引き剥がそうと奮闘する中村に頑張れと心の中でエールを送っていると黒川さんと目があってしまった。


すごい顔で睨みつけてくるが、いいのか?隣で中村が見ているけど。


彼女は私を睨み付けてはきても中村から離れるのは嫌なのか近付いては来なかった。私も近付かないようにしているうちに閉会式のアナウンスが流れる。


児童は整列するように言われたため私も足を進めた。開会式と同様に校長の長いお話を聞きながら運動会が終わっていく。

保護者達も荷物を持ってぞろぞろと帰宅しているようであった。児童は1度教室に戻ってから解散となるためぞろぞろと下駄箱へと向かっていく。私は混雑を避けるために少し足を止めて閑散としていく運動場を見つめていた。


青い空で眩しい程存在を主張していた太陽はだいぶ低いところまできていた。

雲や木や建物をオレンジ色に染めていく。その様を私はただただ見つめていた。


ふと名前を呼ばれた気がしたため振り返るとそこには九条が立っており、早く教室に戻ろうと私を促す。

それに頷きながら私は足を踏み出し九条の隣に並んだのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ