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魔法大陸アースティア  作者: りーち
~運命の胎動編~
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5話



駆け出し辿りついた村の中央には禍々しいオーラ放ち漆黒の翼を広げる巨大な「なにか」が仁王立ちしていて、同じくその前には俺のこの黒い剣に似たものを持つ長い黒髪の少女がいた。



この村の人間ではないのは明らかなのだが、異質なのはその少女がもつ剣と剣を持つ右手に浮かび上がる紋様だ。黒に統一された軽装に白い肌理細やかな肌が両腕のみ肩から露出していて、その右手一杯に呪文の様な紋様が広がっているのだ。これを見て普通だと思える訳が無い。


その少女を前に警戒感を強め腰に下げた黒い剣に手をかけながら一応何者か?を問いかける。


「お前は何者だ?そして後ろのデカイのは何なんだ?何が目的だ?」


俺は高まる警戒感と早くこいつを此処から離さないとという焦燥感に駆られ矢継ぎ早に問いかけた。


「何だお前は?ん?その剣はバルムンクだと?そうか、お前マスターか。しかしスティグマも発現してない所を見ると「覚醒」もしてないな?」


体の芯を掴むような声でその少女は訳の解らない事を言う。


「バルムンク」「マスター」「スティグマ」「覚醒」、解るのはこの剣が「バルムンク」という剣だという事だけだ。


「ふふっ、まだ「覚醒」してないのなら都合がいいな。此処で死んでおけ。」


そう言うと少女は突然横薙ぎに剣を俺へ振り払う。


凄まじい剣圧と共に一撃で俺の命を刈ろうとするその剣閃を俺は皮一枚でかわした。命を刈る事に躊躇無く放たれるその剣撃に乗せられた殺意や剣気に予め警戒していたとはいえ俺はかわす事で精一杯だった。


体勢をなんとか立て直しながらも背筋に悪寒が走る。応戦なんて考えられない、さっきの一撃で本能的に理解が、そして悪寒と共に震えるこの足が絶望的な今の状況を知りたくも無いのに俺に理解させる。


どうすればいい?


チリチリと高まる緊張感と危機感、さっきまでこの村を出る出ないなんて事を悩んでいた事を遠くに感じながら俺は次に取らなければならない行動を思案する。視線は外さずにこれでもか!と、頭をフル回転させるが答えは出ない。


自爆覚悟で突っ込んでもきっと一撃で斬伏せられる、かと言って機を伺い逃げる訳にもいかない。なんせこいつが本気で殲滅なんて言い出したらもう成すすべが無い。


「ほう、なまじ只のゴミではないようだ。でなければ今の一撃でお前は死んでいる。まあ此処で殺してもいいが、今の貴様を一撃で殺せないという事はまだ本調子ではないみたいだ。まあ仮に貴様が「覚醒」しても私の相手にはならんが、今日は見逃してやる事にしよう。」


そういって突然少女は剣気を納め興味を失った様にそういった。


脂汗をかきながら最悪を考え思案巡らせていたのに急に好き勝手に色々言われ正直頭にくるが、現実少女に一矢報いるのも難しいのは明らかだ。ここは早々に立ち去って貰えるのが一番有難いだろう。なので矛先が急に変わらない様に下手な事は言わず、尚警戒は緩めず注視しつつ俺は事態を見守る。


「そうだ、ひとつ言っておこう。お前が私以外に殺されるのは許さない。何時だってお前を殺すのは私なのだから、、」


そう少女は何故か寂しそうにそう言い後ろに仁王立ちしていた「何かに」飛び乗りまるで転移魔法の様に一瞬でこの場を去った。


一瞬で周囲から脅威が去ったのを感じ俺はその場にへたり込む。


その様子からざわざわと村人が戻って来る中を避難していたフェリスとシスターがへたり込んだ俺の元へ駆けつけてきた。


「なんだったの?あれ?」


「俺にもよくわからんけど、、」


当然の感想を俺とフェリスがかわし、対峙している最中に少女に言われた事等を話ていると後ろにいたシスターはおもむろに言った。


「あれは、、きっとドラグスレイブ、、。」


と、、、



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