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魔法大陸アースティア  作者: りーち
~運命の胎動編~
3/24

2話



ーーーフェリスもシスターに用事があるとの事なので一緒に聖堂に行くとそこには祈りを捧げているシスターが居た。


「レオン・アークライト、フェリス・ナナリー、2人に話さなければならない事があります。」


そう神妙な面持ちでシスターが語りかけてきた。


「どうしたんですか?改まって、、」


そう俺が何の話か分からず、そのシスターの雰囲気から言いよどむとシスターは聖堂の奥から黒に赤の装飾が刻まれた見るからに禍々しい剣と青い魔石に白い龍の紋章が刻まれたペンダントを持ってきた。


そして剣を俺にペンダントをフェリスに渡し話始めた。


「貴方達も明日で18になります。ここの孤児達も今は残るのは貴方達だけとなりました。本当なら町に出たりなんかして自分の道を見つけここを出て行かなくてはなりません。そして私には計り知れない何かが貴方方にはあると思うのです。その証拠がその剣とペンダント、それは貴方達が捨てられてた側に其々貴方達のネームプレートと共にあったものなのです。」


そうシスターが言う。まるでお前達が村を出て行事は既に決まっている決定事項だと言わんばかりのような雰囲気で。


しかしそんな雰囲気を他所にシスターの話の途中から俯いて黙って聞いていたフェリスがその澄んだ青い瞳一杯に涙を溜めながらシスターに言う。


「そんな唐突に訳の判らない事でここを出ては行けない!!私はシスターもこの村も人も好きだしここの生活に不満はない、だからここにいる!!」


訴えかけるようなフェリスの言葉に俺も強く頷いた。


この世界では18は成人だ。しかし成人だから出て行くのが当たり前だといきなり言われても納得はいかない。この村でずっと暮らしていくんだと俺も、きっとフェリスも思っていた。そうゆう選択肢もあると。


しかし感情一杯に訴えかけるフェリスや押し黙りつつもフェリスに同調する雰囲気の俺のそんな様子を見ていたシスターはふっと優しげでそして寂しそうな笑顔を見せながら言葉をかける。


「優しい子達ね、でもこの世界にはまだ貴方達が知らない事が沢山あります。それを知りやるべき事やりたい事の可能性を自ら閉ざすことはなりません。フェリス、貴方は私が一人になることが心配なのでしょう?レオンも私の事や「魔力」が無い事等心配や不安があるのでしょう?でもね、同じ様に私やここが足枷になり貴方方の可能性を閉ざしてしまうことが私は怖いのです。だから世界を見てきなさい。この世界での可能性を見て聞いて読んで話して学び、考え悩みそして自身で感じてきなさい。そしてそれでも最後に戻りたくなったら戻って来なさい。ここは何時でも扉は開いている貴方達の帰れる場所なのだから。」


その丁寧で優しく諭す言葉で話すシスターはずっとこの話をする日が来る事を考えていたのだろう。


この明らかに異質な剣やペンダントの特異性も考え、きっと俺達が何かしら特別な何かを成さなければならない運命があると思っていたのだろう。


そんな事もありつつ何時か離れていく俺やフェリスに溢れる愛情を注ぎここまで育ててくれ、今も外の世界に出れる様に言葉を選びそして背中を押してくれている。


「何時でも帰れる」という逃道までも用意してくれている有様だ。


そんな優しさや思いをこの短いやりとりの中で知ってか知らずかフェリスを俺も押し黙るしかなく、そんな様子をみたシスターは


「本当に可愛い私の子達ね」


と、そういうとシスターは優しく微笑み俺とフェリスの頬を撫でる。


言いたい事は沢山あるしまだ納得している訳じゃない。でも考えがまとまらず、でもこの場を繋ぐ様な言葉も見つからない。心の中でたたら踏む様な感じのまま押し黙り続ける俺とフェリスをそのしわくちゃな手で優しく、愛しく、そして寂しそうに、、、


その手から伝わる温度はとても暖かった、、、








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