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魔法大陸アースティア  作者: りーち
~交差編~
21/24

20話



あまりの眩しさに閉じた目を開くとそこは今まで居た部屋ではなくただ真っ白い空間だった。


「ここは・・・、私は一体・・・、」


今起きている事を必死に考えてはみるも理解が追い付かない。


「やっと・・・、やっと、話せるね。」


ふと私の背後からなんだか聞き覚えのある声がする。何処で聞いたんだろう・・・、考えても今は解らない。兎に角私はその声のする方へ振り向いてみる、だが同時にそこに居た声の主であろう人物に私は驚愕する。



「え?・・・私?」




******




驚愕に次の言葉が出ないままその姿に立ち竦む。目の前に多少姿に差異はあれども確かに「私」が居る、そして話しかけてくるのだ。そうじゃなくとも今の状況が理解できていないのだから混乱するのも当然だ。


「やっとちゃんと話せるね。夢の中で何度も話しかけたんだけど、まあそれはさておき改めて初めましてになるのかな?うーん・・・難しいな・・・。」


「と、兎に角貴方は誰なんです?何故私と同じ・・・、」


うーん、腕を組みながら唸るその人に私は取り合えず当たり障りの無さそうな事から聞いてみたのだが、返答は私の想像を軽く超えていった。


「誰と聞かれたら「私」は貴方。そして貴方は「私」。」


意味が解らない。


「兎に角、今は時間が無いの。どうにかリンク出来て今こうやって話が出来ているけれど、都合良くはいかないみたいだから。だから大事な事を2つ伝えておくね。まず1つは貴方の「魔力」の封印を一部無理やり解くわ。これで貴方も戦う術が出来るはず、そして2つ目は「思い出して」。」


「それはどういう・・、」


私の問いが全て伝わる前にこの空間が崩れていく。



「言葉足りなくてごめんね?でもきっと・・・」



そこで全てが現実へ戻る。




******




ーーー・・・か・・・、い・・・ょぶか?・・・・い・・


「ーーおい!!大丈夫か?おい!!!」


私はアイラさんの声で意識を戻す。


「あれ?私・・・、一体・・・、」


まだ朦朧とする意識を必死に繋ぐ。気を緩めたらまた意識を飛ばしそうだ。


「良かった・・・、君の首飾りから光が部屋を包んだ後君はまるで糸が切れた人形の様に倒れたんだぞ。」


「そうでしたか・・・、しかしでももう大丈夫です。」


そう心配そうに私を支えるアイラさんに伝え取り合えずベットの端に力なく腰掛ける。


さっきのは一体なんなんだろうか?


そんな事がぐるぐる巡る中突然部屋に衛兵が飛び込んでくる。


「申し上げます!!!聖都西の街道にて大型の魔物が出現しました!!!」


すかさずアイラさんが聞く。


「なんだと?西の街道だと?それは確かか?」


「はい、既にスレイブ隊を向かわせましたが足止め程度にしかなっておりません。先程レイラ様以下クロスナイト小隊が向かわれましたがレイラ様のスレイブ、ワルキューレは調整中の為下位のスレイブフェンリルで向かわれました。」


「なんだと!!あの馬鹿者・・・」


アイラさんが苦々しく唇を噛締める。そのアイラさんの焦りが私には解る、私を警護しなければならない主命と妹が心配である葛藤だ。それを解決する方法は私にはある。


「行きましょう一緒にアイラさん!!」


そう、私も行けばいい。


「しかし君には・・・」


戦う術の事を言いたいのだろう。それはさっき紅茶を飲みながら言われた事。だがさっきの白昼夢みたいな所での「私」の言葉を信じるなら今の私には何かの力があるはずだ。それが実際なんなのかは解らないけど、ここで黙って大人しく待つ選択肢は無い。だって元々私はシスターみたいに・・・、そう、誰かを救い助けられる人になりたくて旅に出る事にしたんだから。


だから今は難しい事はいい、やれる事をやる。


「説明は難しいですが、きっと戦えると・・・お邪魔する事はないと思います。」


「しかし、いや、確証が無いまま危険はおかせない。」


「レイラさんが心配なのでしょう?そして貴方が行けば打開出来るのでしょう?ならば行かなくてどうするんですか!!!!!」


「感情論と私的な都合で他の多数の人間に危険が及ぶ真似は出来ない。それは人を束ね命を預かる人間が最もしてはならない愚行だ。」



「---この・・・、わからずや!!!!!!!」



私の感情の叫びと共に膨大な魔力が体から噴出す。


「な、なんだと?」


その魔力の渦にアイラさんが驚愕する。


「一体君は・・・いや君にそんな魔力は無かったはず・・・」


アイラさんが見たそのままの事を言葉にするが今はそれを説明している暇は無いし、正直私にもよくわかってはいない。だがこの魔力がアイラさんを動かす動機になればそれでいい。


「詳しい事は後で話します。だから今は行きましょう!!」


その私の言葉にアイラさんはフッと溜息を一度吐いて、


「仕方がないな、だが君は私のスレイブに同乗するんだ。あくまで主命を放置出来ないからな。おい、そこの衛兵!!私のオーディンに火を入れておけ!!直ぐに出る。それと残る兵を聖都の城門へ、そして足の速い精鋭を選抜して小隊を組ませアル様の下へ向かわせろ。」


「了解しました!!」


衛兵は直ちに部屋を出て行った。


一先ずアイラさんの説得には成功したみたいだ。しかし実は私が何が出来るか解っていないって事が後で解ったら怒られちゃうかな?


「大丈夫だよ、流石「私」だ」


え?


なんかそう言われた様に私の首飾りは優しく輝いたのだった。






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