16話
前話ひっそり加筆していました、、「書き上げてから載せろ」との声もあるのですが、話しが少しずつ進行していく様を演出しているつもりなのであえてそうしています。まあ方法は他にもある訳ですがwしばらくやらなかったRPGで再開したらなにすればいいか解らず前の街に戻り進行度を確認し再度次を目指す感覚ですwなのでこうゆう手法だとご容赦頂けると幸いです。
アルが抜刀したその剣は眩い光を放つ、と同時にアルにも変化があった。俺が知っているアルの姿は正しく幼女そのもののだが抜刀と共に訪れた変化の跡のアルの姿は身長は成人女性で胸はその豊満さが隠し切れず纏う雰囲気には幼さの欠片も無い、いや例えるなら剣や体から放たれる光の粒子の輝きも相まってその姿は何かの物語りに出てくる様な戦場の女神の様だ。
「それが貴方の真の姿という訳ですか。流石聖王と言われるだけの事はありますね」
先程より急激に戦意を高めているシスターが言った。
「さあ立ちなさいレオン。雑魚は私がなんとかします、でもあのシスターをなんとか出来るのは貴方だけなのです」
もはや幼女王と呼べない姿のアルが柔らかい笑みを浮かべ俺に言う。
「なんで俺なんだ?むしろアル、今の君の方がシスターを何とか出来るんじゃないのか?」
俺は未だ頭と心で消化出来ていない事を取合えず脇に置き言った。現状を考えれば当然だろう、帯刀していた剣の抜刀と共に纏う覇気ともとれるアルの雰囲気はその身体的特徴の変化だけではない。意識をしなくても解る程のその圧倒的な存在感はまだ実際にその力を振るってはいないがこの場において圧倒的であると解る。
しかしそんな俺の言葉にアルは首を横に振る。
「君からしたらそう思うのは当然だろうね、だが私の力では「ダカーハの力」・・・、いや「呪い」はどうにも出来ない。それが出来るのは君が持つバルムンクとバハムートの力だけだ」
バハムート?
バルムンクに関してはここに至るまで何度も聞いてきた、まだ全てを知っている又は知った訳じゃないがそれなりに知識は増やしてきた。
しかしバハムートとはなんだ?そんなもの知らない。
「全てを話すには今は時間が無い。しかしバルムンクとバハムートの力だけが唯一ダカーハに対抗できる力だ。そしてあのシスターは今ダカーハの「呪い」がかかっている、だから何とか出来るとしたらこの場においてはレオン、君だけだ」
アルはそういって直ぐ俺を突き飛ばす。咄嗟の事で受身が取れずに盛大に転んだのだが砂埃舞う元立っていた場所にはドス黒い炎が燻る。
「余計な事を話すのはそれまでにしていただきましょうか聖王。やはり貴方は障害になる様だ、是非この場から退場願いたい」
俺とアルの会話の最中突然魔法らしきものを放ってきたシスターはそういって続けて何かの詠唱を始めた。
「深淵の闇よりいでし全ての命の息吹を刈り取る死神よ、その災厄をもって冥府の門への導き手にならんことを・・・」
空気中に漂う濃い瘴気がシスターの詠唱と共にみるみるシスターの下へと集まっていくのが解る。
「ーー、まずい!レオン!!バルムンクを抜け!!」
咄嗟にアルが叫ぶ。
「もう遅いですよ、奪え!!冥府の霧!!」
シスターの魔法が発動したのだろう、辺りが一面暗闇に閉ざされた。
******
「くそッ、状況が全く解らない・・・」
シスターにお前は人じゃない宣言をされ愕然としていたら今度はアルが色々と言ってはくれていたのだがまだ思考停止していて「バルムンクを抜け!!」の叫びにようやくハッ、としたら何やらヤバイ魔法に巻き込まれていた。
視界を濃密に覆うこの黒い霧のせいで今や自分が何処に居てどの方向を向いているのかすら解らない。辛うじて解る事は少なくとも先程まで近くに居たアルの気配もシスターの気配も感じないという事ぐらいだ。
ただ、この霧を何とかしないとヤバイ事は解る。
なんせハッ、と気が付いてこの霧にまかれてから徐々に脱力感というか体が重くなっていくのを感じているからだ。
しかし簡単な魔法の対処方法はアーカムでの荒事なんかで経験があるが、こんな本格的なものの対処の仕方なんか知らないし検討も着かない。
正しく大ピンチだ。
と、まあこの窮地によくよく考えてみればやれあーだのこーだのと色々な事が急過ぎる。村を旅立ってまだそうでもない時しか過ぎていないのに、だ。
アーカムであの黒衣の少女に出会ってから何時かはこういう事もあるかも知れないとは思った、だからその時がくる前に力や知識をつけようと旅立ったはずだ。でも結果数日であーでもないこーでもないと様々な事がありつつ何の冗談か今や育った村は壊滅、しかも元凶は育ての親でその育ての親の放った魔法で窮地に陥っている訳だ。
今日これまで生きてきた中でここまで物事が畳み掛けるように起こった事など記憶に無い。
村では孤児で魔力も持たなかった俺だが、やれ作物を荒らす魔物を追い払ったり壊れた屋根直したりシスターや村の人の手伝いをフェリスと共にしながら穏やかにゆっくり過ごしてきた。
それが今や見知った村は壊滅、顔見知りの村人達は黒ずんだ炭みたいになってて・・・
・・
・・・
・・・・
・・・
「ーーっ、ざけんなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「何か」が俺の中で外れる感じがした。
まるで鍵が外れる様に鎖が解かれる様に。
この身の回りで起き続けている理不尽に対して込み上げる感情を感情のまま叫んだ解き放った。
そのおかげなのかどうかは解らないが先程までこの霧のせいで感じていた体の重さは感じない、むしろ体の中から力が沸く感覚がある。
その時何故だかこの魔法をどうにか出来る気がした。
そのよく解らない感覚に任せたままバルムンクを抜きそのまま横薙ぎに剣を振るうと一撃で視界が晴れた。
俺自身も何がどうなってこうなったのかは解らない、ただ「何とか出来る」と思っただけなののだから。
「その竜の息吹にその目・・、レオン・・・、貴方は一体・・」
晴れた霧の先でアルと交戦していたシスター手を止め言った。
「いや、そんな・・、まさか・・ありえない・・。」
かたやアルも手を止め目の前の俺を信じられないものを目にしている様に言う。
しかし俺には何の事かサッパリわからない。
「ーー、神竜のスティグマ・・・いや、しかしあれは・・・、」
シスターなのかアルなのか、ともかくどちらが呟いたのか解らないその言葉を聞いた時俺の瞳はそれぞれ緋色の様な赤と蒼天の様な青に輝いていた。




