14話
コイツは何を言っている?
俺は告げられた事実らしき事の理解を即座に拒んだ。だってそうだろう、直接見た訳でもないし。
それにあのシスターがそんな事するはずが無い、出来るはずが無い。
冗談にしても悪質だ。
そう俺は自分に言い聞かせる様にアルが口にした事への否定を積み重ねていく。だが、アルはそんな俺を置いてけぼりに更に言葉を続けていく。
「君達のシスターがやったのは事実なんだ。ただそれは「呪い」によって引起された。「救い」という性質を「死」に変える、そういう「呪い」で・・、」
「--なに・・を、何をふざけた事をいってる!!!!「呪い」だのなんだのと!!!」
俺は遂に激高し殺気立った感情のままアルに詰寄ろうとした。だがすんでの所で横から感情が高ぶっていて気が付かなかったのかなんなのかいつの間にか入ってきていた女性騎士に払い倒され組み伏せられる。
「ーー場を弁えろ。貴様が今掴み掛かろうとした方はこの国の王だぞ?死にたいのか?」
払い倒され組み伏せられ上から見覚えがあるそいつは言った。
「やめろ!!アイラ、誰が入室を許可した?」
アルが凄まじい怒気を放ち言うも彼女は臆せず俺を組み伏せたまま答える。
「許可無き事については申し開きのしようがありません。しかし我等クロスナイトの役目は貴方様をお守りする事が最重要です。ですので私は今と同じ様な事が有り貴方様が危険だと判断すれば同じ事をします。それを罪だとおっしゃるのならどうぞ罰をお与え下さい。私が罰せられようとも貴方様の安全が保証されるのであれば私は構いません。」
涼しい顔で彼女はそう言いきった。普通に考えれば主の命に反し、それでも主の為に行動を起こせるという忠誠心は称賛に値するするし俺もそう思っただろう。
だが、今の俺にはそんな事どうでもいい。
相手が王だろうとなんだろうとどうでもいいし、なにより今こうやって組み伏せられている事も気に入らない。俺の、俺とフェリスの育った村がなにかあったんだ、それを聞いて聞かされフェリスは気を失い倒れた。いきなりここに呼ばれまだ事実かも解らない認めてない話をされ、それで落ち着いていられる訳も無い。
「ーーふざけろ、どいつもこいつも・・、」
そう心が赴くまま沸々と高ぶっていく感情を口にすると同時にそれに呼応するかの様に俺の体から黒い霧の様なものが立ち込めていく。
「まずい!!竜の息吹か!!アイラ、そのまま彼の意識を落とせ!!」
「御意!!」
慌てたアルの命令にその緊急性を察したアイラが躊躇無く即座に行動に出る。
「くっ・・・、くそ・・・、」
組み伏せられた体勢からそのまま首を絞められ俺は抵抗空しく意識を飛ばしその場に倒れのだった。
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「--しかし、危ない所だった・・・」
そっとアルクエイドは意識を飛ばし倒れているレオン見ながら冷や汗をかいた額を拭う。
「--主様、こやつ本当に主様が気にかける程の者なのでしょうか?」
そうアイラは倒れたレオンの隣で主であるアルクエイドに片膝をつき聞いた。
「先日の宿の一件は聞いているよ。生粋の軍人である君には考えも行動も幼く見える事だろう、しかし単純に「力」という観点ならさっき彼が感情のまま無制御で「力」を解放したら・・君、成す術無く死んでたよ?」
クスっと笑いアルクエイドがアイラに言うとアイラは表情を変えぬまま懸念を込めて己の意見を言う。
「そんな何時どうなるかわからない「力」を持つ者など手に余るのでは?ならばいっその事・・、」
「彼はまだ知らないだけだ。なのに彼の運命は加速的に訪れている。それにね、彼無しではあの「災厄」には立ち向かえないのも事実なんだ。」
アイラの懸念を遮る様にアルクエイドが答えた。
「・・・「災厄」ですか・・・、」
「そう、多分アーカムで起きた事はその始まりに過ぎない。幸い彼に「覚醒」の兆候が現れた。結果どうなるかは解らないが彼が目を覚ましたらボクは彼とアーカムに行って来るよ。」
「しかし、そこで先程の様な事があれば御身に危険が・・・」
アルクエイドの言葉にアイラが懸念を示す。
「彼の「覚醒」を促すには必要だし今ん所は大丈夫、ただし彼が完全に「覚醒」でもしなきゃだけど。取合えずそれは今の所有得ない、が、アーカムで彼は酷な決断を迫られる事になる。それがなんともいえないよね・・」
アルクエイドは表情を少し曇らせ言ったのだった。




