11話
「なんですとおおおおおおおおお!!!」
俺の即答にアルクエイドが素っ頓狂な声を上げる。
「うん、ボクの聞き間違いだ・・・、そうに違いない。よし、もう一度聞こう・・・、そうしよう。うん、それがいい。ボクカシコイナ」
そう自分を慰める様な、説得する様な、まるで俺の返答を無かった事にしようとブツブツ言いながらアルクエイドの瞳から光が消えていく。ついでに段々ブツブツ言っている言葉の後半が次第にカタコトになっている。
なんだかその様子が居た堪れないのだが、いきなりそんな事言われても俺達には俺達の目的がある以上簡単に「はい」とは言えない。だからNOと答えた訳なのだが。
「アルちゃん、ごめんね?私もレオンも知りたい事とか見たい事、そしてやりたい事やらなきゃいけない事があるんだ。まだ村を出て数日だから先は解らないけど、それには応えられない。でもお友達にはなれるよ♪」
虚ろな目をしているアルクエイドにフェリスが太陽の様な笑みでそう言う。
しかし、仮にも一国の王にちゃん付けで「友達に」とか言っちゃうフェリスの豪胆さには恐れ入る。場が場であれば俺達の身分からすれば不敬罪で首が体と今生の別れをしてもおかしくない。
「むうー・・・、納得いかないけどフェリスがまたボクを甘やかしてくれるなら今回は諦める。納得いかないけど、スゴク納得してないけど。」
アルクエイドがそのちっちゃな頬をぷーんと膨らませながらそう言うのだが、ねえ・・幼女様、全然諦められてないよね?
まあ俺も大筋フェリスと同意なので幼女様がまたやいのやいの言い出さない様に余計な口は挟まないで置く事にして本来の目的を切り出した。
「話は変わりますが、アルクエイド様はバルムンクの事とかドラグスレイブの事とかご存知なのですか?後入り口で言われた言葉の意味はどうゆう意味なのですか?」
俺はここぞとばかりに質問するとアルクエイドはひょいっと俺達の対面のソファーに座り直し先程までの緩い雰囲気を消し答える。
「まずかたっくるしいその話し方はやめていい、ボクの事はアルでいいよ、ここにはボクとレイラに君達しか居ないんだからね。そして君の質問だが訳あって全ては答えられないが答えられるものは話してあげよう。」
そう言いアルクエイドもといアルは言葉を続ける。
「まず7剣の伝承というかそんなものは知っているね?」
「ええ、触り程度のものだけど。しかしその程度だけど・・」
「結構、ならまあ細かい事は置いといてバルムンクはその内の一本だ。そしてそれを持つ者を「資格者」という。「資格者」は代償を捧げる事を余儀無くされる代わりにその剣の力を振るう事が出来る、そして真に剣に認められた者は剣が其々従える「竜」を扱う事が出来る。この「竜」こそが「ドラグスレイブ」だ。勿論剣とは別に「竜」にも意思がある、この両方を扱える者を「覚醒」し、従える者「マスター(所有者)」と言い、体の何処かに従えている「竜」の象徴のスティグマが刻まれる。これが現れる場所は其々違うので見分けがついたりつかなかったりなのだが・・・。」
アルの説明で疑問だった事の大筋が判明した。しかしそれと同時に新たな疑問が沸くのも事実だ。まず「代償」の事に「竜」の事。「代償」については俺が魔法が使えない事と関連している気がしているのだが、「竜」に関してはさっぱり解らない。第一俺自身バルムンクの力を使えないしこの剣がどんな力を持っているのかも知らない。
この剣を渡されて数日なのだから仕方がないのかも知れないが、もし魔法が使えない「無魔力」がこの剣のせいであったのなら「代償」だけ払わされてるだけっていう今の現状は何か納得がいかない。
そんな感想と新たな疑問を抱く俺をよそにアルが言葉を続ける。
「簡単な話しは取合えずこんな感じなのだが、多分これが大半じゃないかな?他の細かい事は「資格者」であればいずれ知る事になる。結局7剣は選ばれた「資格者」にしか扱えないし、その「資格」については放棄することは出来ないんだから。」
アルは俺達にそう言葉を締めた。と、同時に外から夕刻を知らせる鐘の音が聞こえる。
「おっと、もうこんな時間か。ボクもやる事があるし今日はこの辺にして何か聞きたい事とかあったらまたボクを尋ねておいで?」
アルの言葉に同意し、ドタバタしながらも最後は時間を忘れる位有益な話を聞かせてくれた感謝とまたの機会を約束しレイラさんに見送ってもらい俺達はその場を後にする事にした。
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「---よかったのですか?バルムンクの事と従える「竜」について話さなくて・・・、。」
見送りから戻ったレイラが応接室の窓から帰路についていくレオン達の後姿を見守るアルクエイドにいった。
「話さなくてもいずれ知る事になるよ。それよりあのフェリスって子絶対にレオンから離してはいけない。」
「何故です?あの子は「資格者」ではないですよね?」
そう疑問をレイラ投げかける。
「ボクの考えが正しければあの子に何かあればレオンは・・・、ううん、バルムンクとあの「竜」は全てを消し去るよ?そんな事が起こりだしたらボクにも多分止められない。」
「それほどなのですか?あれの力は・・・」
そのレイラ言葉に溜息混じりにアルクエイドは答える。
「それ程だからバルムンクは「無」の象徴なんだよ。何もかもを「無」に帰す、そしてあれの「竜」は・・・」
一泊おいてからアルクエイドはその名前を口にする。
「神竜バハムートなんだから」




