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第49話 修羅場
放課後。
部室。
文化祭まで、あと一日。
時計の針だけが、静かに時間を刻んでいた。
「背景!」
「終わった!」
花音が原稿を差し出す。
悠斗はすぐに受け取る。
「次、ベタ!」
「任せて!」
カリカリカリ――。
部室にはペンの音だけが響く。
「トーン!」
「貼る!」
「セリフ!」
「吹き出し描いた!」
二人は休む間もなく手を動かし続けた。
悠斗は背景。
花音はベタとトーン。
完成したページを二人で確認し、すぐ次のページへ。
部室は完全に修羅場だった。
数時間後。
花音が大きく伸びをする。
「眠い……」
悠斗も目をこすった。
「ワイもや……」
花音は眠そうな顔で笑う。
「漫画家って大変なんだね」
悠斗は苦笑する。
「まだワイら漫画家ちゃう」
「漫画研究部や」
花音は小さく吹き出した。
「そっか」
悠斗は残った原稿を見つめる。
「笑っとる場合ちゃう」
「あと五ページ!」
二人は顔を見合わせる。
「……やるか」
「うん!」
再びペンを握る。
文化祭まで、残された時間はあとわずかだった。




