第46話 新しい国
放課後。
部室。
悠斗は定規を使いながら地図を描いていた。
「魔法王国」
「獣王国」
「エルフの森」
「ドワーフ王国」
「……よし」
「これで世界地図も完成や」
花音は嬉しそうに覗き込む。
「すごーい!」
「ちゃんと国っぽい!」
悠斗は満足げに頷いた。
「世界観は地図があると分かりやすいからな」
その時。
花音が「あっ」と声を上げる。
「そうだ!」
悠斗の手が止まる。
「……何や」
花音は目を輝かせる。
「新しい国も欲しい!」
「南の島とか!」
悠斗は固まった。
「……は?」
花音は机の上を指差す。
「ほら!」
「海の真ん中に島があって!」
「精霊が住んでる国!」
悠斗はゆっくり地図へ視線を落とす。
そして、
「地図全部描き直しやないか!」
花音は首をかしげる。
「島描き足すだけじゃないの?」
悠斗は思わず立ち上がる。
「島増えたら航路も変わる!」
「交易も変わる!」
「歴史も外交も設定し直しや!」
花音は感心したように頷く。
「そこまで考えてるんだ」
「当たり前や!」
「世界観ってそういうもんや!」
花音は少し考えてから笑顔になった。
「じゃあ、その国の王女も追加しよう!」
悠斗は勢いよく机へ突っ伏した。
「だから設定を増やして解決するな!」
完成目前だった世界地図は、今日もまた修正だらけになっていくのだった。




