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第44話 幼馴染
放課後。
部室。
悠斗はようやく一ページ目の下描きを終えた。
「よし……」
「やっと漫画らしくなってきた」
花音も嬉しそうに原稿を覗き込む。
「主人公かっこいい!」
悠斗はペンを走らせる。
「この調子でどんどん進めるぞ」
その瞬間。
花音が「あっ」と声を上げた。
「そういえば」
「主人公の幼なじみ必要じゃない?」
悠斗のペン先が止まる。
「……は?」
花音は真剣な顔で続ける。
「最近の漫画って幼なじみいるよね」
「いた方が盛り上がるよ!」
悠斗はゆっくり顔を上げた。
「今言う!?」
花音はきょとんとする。
「え?」
「だって今思いついたし」
悠斗は頭を抱えた。
「もう一ページ描き始めとるんやぞ!」
「最初から出さな不自然になるやろ!」
花音は胸を張る。
「じゃあ最初から描き直そう!」
悠斗は勢いよく机へ突っ伏した。
「だから設定を増やして解決するな!」
部室に、今日も悠斗の悲鳴が響き渡った。




