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第43話 ようやく漫画
放課後。
部室。
悠斗は机いっぱいに原稿用紙を並べた。
「……よし」
「今日は設定会議なし!」
花音も気合い十分に頷く。
「うん!」
「描くぞ!」
二人は生まれて初めて、漫画用のペンを手に取った。
しばらく沈黙。
花音は恐る恐る口を開く。
「一応、私言っとくけど」
「絵、下手だよ」
悠斗の手が止まる。
「……おい」
花音は申し訳なさそうに笑う。
「えへへ」
悠斗はゆっくり振り向いた。
「つまり……」
「ワイ一人で描けってか!」
花音は慌てて首を振る。
「応援する!」
「そこじゃねぇ!」
悠斗は頭を抱えた。
「プロット考えて!」
「設定考えて!」
「ツッコミして!」
「今度は作画までワイ一人か!」
花音は小さく手を挙げる。
「でも、ベタくらいならできるかも?」
悠斗は机の上の時計を見る。
文化祭まで、あとわずか。
「時間ねーよ!」
部室に、悠斗の叫び声が響き渡った。




