第39話 決戦
放課後。
悠斗はノートを開いた。
「覚醒したら、あとは決着や」
花音は拳を握る。
「いけー!」
悠斗は静かに書き始めた。
崩壊した王都。
瓦礫の中から、ルシウスはゆっくりと立ち上がる。
全身を神々しい光が包んでいた。
暴れ天使は目を見開く。
「その力は……!」
ルシウスは静かに答える。
「思い出した」
「俺の使命を」
ゆっくりと右手を掲げる。
天へ伸びる巨大な魔法陣。
世界中の光が集まっていく。
「神級魔法――」
悠斗はペンを止めた。
「最後の一撃やし、名前も付けよか」
花音は身を乗り出す。
「うん!」
悠斗は少し考え込み、ペンを走らせる。
「光の投擲聖槍」
その下へ、小さくルビを書く。
《ルミナス・ホーリー・ジャベリン》
花音は目を輝かせた。
「かっこいい!!」
悠斗は照れ笑いを浮かべる。
「漢字は重厚感」
「ルビは厨二感」
「神級魔法なら、これくらい派手でええやろ」
再びノートへ視線を戻す。
ルシウスは静かに詠唱する。
「神級魔法――」
「光の投擲聖槍」
天を貫く白銀の聖槍。
暴れ天使も神級魔法で迎え撃つ。
しかし――
二つの神級魔法が激突した瞬間。
暴れ天使の光は砕け散った。
「そんな……馬鹿な……」
最後に見たのは、静かに立つルシウスの姿。
次の瞬間、暴れ天使は光に包まれ、静かに消滅した。
花音は思わず拍手する。
「勝った!」
悠斗は続きを書く。
戦場に残された天使たちは、静かに武器を下ろした。
一人の天使が膝をつく。
「我らの負けです」
「人間を滅ぼす理由は、もうありません」
次々と天使たちも跪く。
戦場から戦意は消えた。
花音は嬉しそうに笑う。
「終わった!」
悠斗は頷く。
「暴れとったのは、あいつ一人や」
「他の天使は最初から争いを望んどらん」
「せやから、ここで和平へ繋がる」
花音は何度も頷いた。
「綺麗な終わり方!」
悠斗はノートを閉じる。
「ラスボスを倒すだけやなく、その先の未来まで描く」
「それで物語は締まるんや」
花音は満面の笑みを浮かべた。
「最高の最終決戦!」




