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第19話 天使
放課後。
悠斗はノートをめくる。
「次は敵やな」
花音は元気よく頷く。
「敵は天使!」
悠斗は書き込む。
「二、三百年周期で人間界を襲撃」
花音は首を傾げた。
「やっぱ千年に一度にしよう!」
「なんで?」
「なんとなく!」
悠斗は苦笑しながら書き直す。
「……ほな千年に一度、と」
少し考え込んでから、ふと顔を上げた。
「そもそもさ」
「何?」
「なんで敵なん?」
「天使なんでしょ?」
「神の使いやろ?」
花音は固まる。
「……」
「それに」
悠斗はノートを指差した。
「神級魔法って、天使しか使えへんのやろ?」
「うん!」
「なんで使えるん?」
「理由は?」
花音は満面の笑みで親指を立てた。
「悠斗くんお願い!」
「お、おう……」
悠斗は思わず返事をしてしまう。
数秒後、ハッと顔を上げた。
「ちゃうちゃう!」
「何でワイが敵の設定まで考えとるんや!」
花音は笑顔のまま答えた。
「だって悠斗くんの方が上手やもん!」
悠斗は静かにノートを開いた。
「……否定できへんのが悔しい」
今日もまた、設定担当兼プロット担当・朝倉悠斗は、世界の根幹を作り始めるのだった。




