第14話 主人公
放課後。
今日も机の上には設定ノートが山積みになっていた。
魔法体系。
魔法ランク。
世界観。
種族。
気付けば、設定ばかりを作っていた。
悠斗は大きく伸びをする。
「……設定ばっかやっとってもしゃあないな」
「そろそろ物語を作らなあかん」
花音は勢いよく頷く。
「そうや!」
「主人公や!」
悠斗はノートをめくる。
「ルシウスやな」
「そういや、あいつ何で古代文献探しとったん?」
「何か目的があるんやろ?」
花音は少し考える。
「……」
「そこお願い」
悠斗は固まった。
「え?」
「主人公の動機、お願い!」
「いやいや!」
悠斗は思わず立ち上がる。
「そこ一番大事なところやろ!」
「主人公が何で動くかで物語全部変わるやん!」
花音は笑顔で頷く。
「悠斗くんなら考えられる!」
「信用が重い!」
悠斗は頭を抱えた。
「ほな、例えば……」
「母親の病気を治すためとか」
「失われた魔法を探してるとか」
「恩師の遺志を継ぐとか」
「そういう目的があれば、文献を探す理由にもなるな」
花音は目を輝かせた。
「それや!」
「めっちゃ主人公っぽい!」
悠斗はノートへ書き込みながら、小さく呟く。
「……ていうか」
「ワイ、設定担当だけやなくて」
「プロット担当でもあるやん……」
花音は満面の笑みで親指を立てた。
「よろしく!」
悠斗は静かに天井を見上げた。
「……作画担当って何やったっけ」




