1-2 【異能】と初対面
連続投稿2日目です。
「…………あれ?此処………何処だ?」
目を醒ますと、俺は見知らぬ場所にいた。何処までも続く青い空。鹿のような動物が走り回る広い草原。とても遠くには、とても立派な巨木―――ゲームなどで俗に言う【世界樹】とやらだろう―――が見える。ここはまるで、楽園の様な場所だ。
「此処が【楽園】…?随分とゲームの世界みたいな場所だけど、他に人はいないのかな…?」
その時、遠くから鉄と鉄を力のまま打ち付けたかのような音が響いてきた。
「うわッ………そっちに、人がいるのか………?」
取り敢えず、この場所の事について聞いて見なくては……
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「こっちか……?」
音が聞こえた方に来たが、恐らくこっちで間違いは無いだろう。と言うより、違かったら俺の命に関わるからこっちであって欲しい………。
そして、今まで聞いたことが無い音だったが、どうやら剣と剣がぶつかる音だったらしい。
何故分かったかって?それは、目の前にその光景が繰り広げられていたからである。
「死ねぇっ…!」
「……遅い」
執事服の様な服を着たを着た細身の女と、豪快な大剣を持った巨漢が斬り合っている。初めて見るが、これが"命"を賭けた死合である事が、すぐに理解できた。
「ぐっ…!負けてられるかぁっ!【異能】発動、【多撃必倒】ッ!」
瞬間、巨漢の瞳が赤く輝き、物凄い勢いで大剣が女に振り下ろされる。とてつもない速度で迫ったその剣は、いとも容易く女を切り裂「……鈍すぎる。【超光速】」なかった。
「………は?」
あまりの光景に、理解が出来なかった。先ほどまで殺されかけていた女が攻撃を避けたどころか、巨漢が大剣ごとバラバラに切り刻まれていた。
「……その大剣、余りに脆い。そんな安物を使っていては、私に勝つことなど絶対に出来ない」
凄まじかった。命を賭けた攻撃の応酬。最後の目に見えない、大剣ごとバラバラに切り刻む一撃。まさしく人間技では無いだろう。本来なら恐怖していても可笑しくないのだが、この時の俺は何故か興奮していた。
「凄い……」
「………そこに居るのは誰?さっきからずっとこっちを見てるよね」
「す、すみません!人を探してて、此処が何処かも分からなくて、教えてもらおうとしてたんです、けど……」
まずい。その時になってようやく、俺は恐怖を覚えた。目の前に居るのは、不思議な力を持った「化物」だ。気分を害したら、殺されるかもしれない。そんな気持ちで作り出された沈黙は、案外あっさりと破られた。
「……もしかして、この世界に転生してきた人?」
「は、はい!右も左も分からなくて、えへへ………」
「……はあ…分かった。私についてきて」
そう言うと、彼女は俺の腕を引っ張って歩き出した。
「え、ちょ、うわっ!」
「いいから。……私は彗。白瀬 彗。あなたは?」
「あ、えっと、柊結人です!」
「……そう。じゃあ、結人、混乱するかもだけど、ついてきて」
「あ、はい!」
こうして俺は、この世界での人との出会いを果たしたのだった。
TO BE CONTINUED




