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ARCADIA ARCHIVE  作者: 大根おろしの繊維
剥がれ落ちた理想、或いは目の前の血溜まり

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1-2 【異能】と初対面

連続投稿2日目です。

「…………あれ?此処………何処だ?」


目を醒ますと、俺は見知らぬ場所にいた。何処までも続く青い空。鹿のような動物が走り回る広い草原。とても遠くには、とても立派な巨木―――ゲームなどで俗に言う【世界樹(ユグドラシル)】とやらだろう―――が見える。ここはまるで、楽(・)園(・)の様な場所だ。


「此処が【楽園(アルカディア)】…?随分とゲームの世界みたいな場所だけど、他に人はいないのかな…?」




その時、遠くから鉄と鉄を力のまま打ち付けたかのような音が響いてきた。


「うわッ………そっちに、人がいるのか………?」

取り敢えず、この場所の事について聞いて見なくては……




✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕


「こっちか……?」

音が聞こえた方に来たが、恐らくこっちで間違いは無いだろう。と言うより、違かったら俺の命に関わるからこっちであって欲しい………。

そして、今まで聞いたことが無い音だったが、どうやら剣と剣がぶつかる音だったらしい。



何故分かったかって?それは、目の前にその光景が繰り広げられていたからである。



「死ねぇっ…!」

「……遅い」


執事服の様な服を着たを着た細身の女と、豪快な大剣を持った巨漢が斬り合っている。初めて見るが、これが"命"を賭けた死合である事が、すぐに理解できた。


「ぐっ…!負けてられるかぁっ!【異能(スキル)】発動、【多撃必倒(ワンヒット・ルール)】ッ!」


瞬間、巨漢の瞳が赤く輝き、物凄い勢いで大剣が女に振り下ろされる。とてつもない速度で迫ったその剣は、いとも容易く女を切り裂「……鈍すぎる。【超光速(タキオン)】」なかった。



「………は?」


あまりの光景に、理解が出来なかった。先ほどまで殺されかけていた女が攻撃を避けたどころか、巨漢が大剣ごとバラバラに切り刻まれていた。


「……その大剣、余りに脆い。そんな安物を使っていては、私に勝つことなど絶対に出来ない」


凄まじかった。命を賭けた攻撃の応酬。最後の目に見えない、大剣ごとバラバラに切り刻む一撃。まさしく人間技では無いだろう。本来なら恐怖していても可笑しくないのだが、この時の俺は何故か興奮していた。


「凄い……」

「………そこに居るのは誰?さっきからずっとこっちを見てるよね」

「す、すみません!人を探してて、此処が何処かも分からなくて、教えてもらおうとしてたんです、けど……」


まずい。その時になってようやく、俺は恐怖を覚えた。目の前に居るのは、不思議な力を持った「化物」だ。気分を害したら、殺されるかもしれない。そんな気持ちで作り出された沈黙は、案外あっさりと破られた。


「……もしかして、この世界に転生してきた人?」

「は、はい!右も左も分からなくて、えへへ………」

「……はあ…分かった。私についてきて」


そう言うと、彼女は俺の腕を引っ張って歩き出した。


「え、ちょ、うわっ!」

「いいから。……私は彗。白瀬(しらせ) 彗(すい)。あなたは?」

「あ、えっと、柊結人です!」

「……そう。じゃあ、結人、混乱するかもだけど、ついてきて」

「あ、はい!」


こうして俺は、この世界での人との出会いを果たしたのだった。


TO BE CONTINUED

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