店外デート♥️ 3
待ち合わせ場所に着いたのは時間より大分前でしたが、こういう時は待ってる間も楽しいものです。
純さんは時間より少し遅れていらっしゃいました。
「ごめんね、待った?」
「今来たところです」
このベタなやりとりをリアルにする日が来るとは思ってもいませんでした。
「行こうか」
映画は午後から見る予定なので、先にお昼ご飯を食べることにします。
純さんが連れていってくださったのは、以前から気になっていたというイタリアンのお店。
ちなみに、今日のお会計については割り勘ということに決めました。
私のわがままでお休みの日に付き合ってくださっているのですから、最初は私が全額負担することを提案したのですが、純さんは逆に「自分が全部出す」とおっしゃって譲らなかったのです。
ちょっともめたあげく、折衷案として割り勘ということになりました。
その方が私としても気兼ねなく自分の好きなものを食べられるので楽です。
純さんと差し向かいで(しかも昼間に)何かを食べる機会というのはこれまでなかったので、大分緊張します。
食べ方が変とか思われたらどうしようとか、口の周りにソースがついちゃったらどうしようとか、どうでもいいことをことさら気にしてしまいます。
ところが・・・。
どうも純さんの様子がおかしいことにしばらくしてから気づきました。
こちらの言うことには答えてくださるのですが、会話が弾まないのです。
いつもの純さんはもっとおしゃべりで・・・もちろん、今日はお仕事ではないのですから(純さんにとってはお仕事の一貫かもしれませんが、お給料が発生しないという意味で)、私にサービスしなければならない道理はないのですが・・・。
せっかくの休日を潰されることがやっぱりご不満だったのではないかとか、私とお仕事以外で接するのが苦痛なのではないかとか、いろいろ考えてしまって結局お昼に食べたものの味が分からなくなりました。
でも、とっても気は遣ってくださるんです。
映画館の座席も私の希望を聞いてくださいましたし、お手洗いの心配もしてくださいます。
館内はかなり空調がきいていて寒いくらいだったのですが、
「涼しすぎない?」
と言ってご自分の上着を貸してくださったり・・・。
映画が始まっても、私は何となく釈然としないままでした。
純さんがすぐ隣に座っているからというわけでなく(お店の方が密着度は高いわけですし)、全く映画に集中できませんでした。
あんなに楽しみにしていたデート、あんなに楽しみにしていた映画だというのに。




