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入店3回目 4 ~こ、これが私ですか!?~

「う~ん、どんなのがいいのかなぁ」


 女性用の洋服を目の前にして、さすがの純さんも悩まれているようで、その視線は私と洋服を行ったり来たりします。


私はと言えば、私のために純さんが真剣に悩んでくださってる姿にこっそり喜びを感じていました。


「何かお探しですか?」


 そこへ、タイミングよく女性店員さんが話かけてこられます。


「あ、彼女に似合う洋服を探してて・・・。俺じゃよく分からないんで、何かコーディネートしてあげてください」


「かしこまりました」


 女性店員さんはにっこり笑ってそう承諾すると、早速洋服を選び始めます。


私は何をしていいのか分からずにボーッとその場につっ立って店員さんのすることを眺めていました。


自分で選ぶとか、「こういう服がいいです」と自分の好みを伝えるとかそういうことができないのが私クオリティです。


「いくつかお選びいたしましたのでご試着されますか?」


 ほどなくして店員さんは何着かの洋服を手にそう声をかけてこられました。


私は思わず神妙な面持ちで頷きます。


「行ってらっしゃい」


 純さんは手を振って見送ってくださいました。


店員さんと一緒にかなり広めのフィッティングルームに入ります。


その女性店員さんはさすがにいろいろな服を選んでくださいました。


一つは大きめプリーツのスカートに深いVネックのシャツ。


さらにマキシ丈スカートとパフスリーブシャツという甘めコーデ。


それから、大人な感じの花柄カシュクールワンピース。


「恋人に服を選んであげるなんて、いい彼氏さんですね」


 店員さんから差し出されるそれらの服に必死になって着替えていると、そんな風に話しかけられました。


一瞬誰の話をしているのか分からず、手を止めた私は店員さんと目が合います。


かっ、かっ、彼氏ですって!? 純さんが私の!?


「いっいいえっ。か、彼氏じゃありませんっ」


「あら、そうなんですか? イケメンの彼氏さんと可愛らしい彼女さんでとてもお似合いだと思いますが」


 にこにこと罪のない笑顔で店員さんは言い切ります。


もちろんお世辞が入ってるのも重々承知です。


でも、純さんが私の彼氏! しかも私が可愛いだなんて! さらにお似合いって・・・情報量過多すぎて頭の中が飽和状態です。


耳まで真っ赤になるほど恥ずかしくて、しばらく洋服の着方を忘れました。

純さんがこの場にいらっしゃらなくて本当よかったです。


 洋服の方は、着替えるたびに純さんにチェックしていただきました。


最終的に純さんのOKが出たのは、ちょっと大人なカシュクールワンピース。


「このまま着ていかれます?」


 店員さんの申し出にありがたく頷くと、それまで着ていた服は紙袋に入れてくださいました。


お支払の方も、普通の若者向けアパレルブランドの半額以下という感じです。


もちろん、品質は折り紙付き。


とてもユーズドとは思えないくらい“古着感”がありません。


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