表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/56

入店3回目 5 ~こ、これが私ですか!?~

「んー、店が始まるまでにはまだ時間あるね」


 古着屋さんを出るともう辺りは暗くなりかけています。


「いつものカフェで時間つぶそうか」


 腕時計をご覧になった純さんがそう提案なさるので、私は素直に従いました。


「行こう」


 そうおっしゃって純さんは私の手を取りました。


あまりに自然な動作だったので最初私はそのことに気づかなかったほどです。


・・・もちろん途中で気づきましたよ。


男性と手をつないで歩くなんてこれが初めてなんですから、違和感ありまくりなんですっ。


ていうか、手・・・!!


純さんと手をつないでますよっ。


手をつないで歩くなんてデート・・・デートみたいじゃないですかっ?


デートみたいですよねっ?(大切なことなので二度言いました)


純さんの男性らしい、少しごつくて大きな手を意識した途端、私の手は汗ばんできます。


反射的に手を引こうとしましたが、それでは純さんが不審に感じられると思ってどうにか思い止まりました。


手汗が引いてくれるのを祈るばかりですが、焦れば焦るほど汗をかくという悪循環。


しばらく歩いていつものカフェが見えた時には心底ホッとしました。


せっかく純さんとデート気分に浸っていられるチャンスだったのに、そんな浮わついた気分になれなかった自分を呪いたいくらいです。


カフェで寛いでいたのは1時間とちょっとくらいだったでしょうか。


20時のオープンと同時にブルダへ。


通されたのは前回二回と同じ席です。


お飲み物も烏龍茶が既に準備されていて、何となく「帰ってきた」って感じがします。


 今日は最初からずっと純さんが隣にいてくださるみたいです。


「こんばんはー」


 初めにヘルプに入ってくださったのは泰知さん。


初っぱなからテンション高めです。


「あれ、初めてだよね? 泰知でーす。よろしくー」


 ところが泰知さんはそうおっしゃいました。


私が初回でお店にきたのはもう1ヶ月ほど前のことなので、忘れられてしまったのでしょうか。


「えっと・・・愛香です。初めてお店に来た時に泰知さんとお話しましたよ」


 一瞬泰知さんのことだから知っててからかわれているのかなぁとも思ったのですが、そうではないようです。


その証拠に、私がそう言うと泰知さんは呆気にとられた表情で固まってしまいました。


「は? 愛香ちゃん!? いやいや別人なんですけど」


 そう言われて嬉しいやら何やら複雑な心境。


「えと、あの・・・今日純さんに美容院に連れて行っていただいて・・・。

髪型とか服装も大分変えてみたんですけど・・・」


 やっぱり変でしょうか。


一抹の不安がよぎります。


ところが、次の瞬間泰知さんのテンションマックス。


「そうだったんだ! いや、めっちゃいい! めっちゃタイプなんですけど!」


 アハハ・・・。


どう対応したらいいのやら。


「俺と付き合ってください!」


 泰知さんはそう言って唐突に立ち上がると頭を下げつつ私に握手を求められます。


これはあれですね、テレビ番組のノリですね。


「もー。私は純さん一筋です」


「かー、フラれたー」


 大袈裟に悔しがって額を叩いてみせる泰知さん。


お調子者キャラなんですよね。


・・・って、今私、泰知さんに乗せられて結構大胆なこと言ってしまいませんでした?


ドキドキしてしまって純さんの方を見られません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ