初回 9 ~シャンパンコール~
ただ、一つだけ確実に分かったことがあります。
ホストクラブの印象についてです。
お店に行く前までは正直にいうとやっぱりホストクラブに対していかがわしい場所という印象を持ってました(純さんごめんなさい)。
でも、実際に行ってみたら全く違ったんです。
見ると聞くとは大違いというやつです。
ホストさんたちはこんなコミュ障の私相手でも、一生懸命和ませよう、場を盛り立てよう楽しませようとなさってくださいました。
残念ながら、私の方が全然それに応えられませんでしたが・・・。
「そんなの金もらってるんだから当然だ」
と多くの方はおっしゃるでしょう。
私もそう思っているところがありました。
ただ――例えば、某夢の国があります。
世界で一番有名なネズミさんがいらっしゃるところです。
そこのキャストさんたちのホスピタリティについてはつとに知られていて、他の企業が研修に学びに来るほどですが、それを
「金もらってるんだから当然だ」
「会社のマニュアルにあるからやってるんだろ」
と批判する方がいらっしゃるでしょうか。
夢の国のキャストさんたちはいかにお客さまに楽しんでいただけるか、どう心地よく過ごしていただけるかに心を砕いてくださいます。
ホストクラブのホストさんたちにもそれに通ずるものがあるのではないかと思いました。
ホストさんたちも基本一番に考えてらっしゃるのはお店に来たお客さまがどう楽しく過ごせるか、です。
そのホスピタリティは「お金をもらっているからやっている」というほど義務的だったりおざなりなものではないように感じました。
私はまだ一度お店に行っただけなので、そこまで断言はできませんが・・・。
普通に共通の話題があれば盛り上がりますし、こちらが話に詰まっていればすかさず適切な助け船を出してくださいます。
もちろんそれが「身に付けた話術」ではあるのでしょうが、そこに「気持ちが全く混もってない」とは感じませんでした。
コミュ障で人の顔色をうかがってしまう私だからこそ、そこは確信を持って言えます。
『無事おうちに着きました。今日は本当にありがとうございました』
自宅にたどり着くと、私は純さんとのお約束通り真っ先にLINEで帰宅報告をいれました。
もちろんお返事はすぐには来ません。
そこで、少し考えてこんな二通目をお送りしました。
『帰りの電車で考えていたんですが、今後お店に通わせていただいても大丈夫でしょうか』
そうなんです。
初めてのホストクラブでイケメンさんたちに囲まれて慣れないことの連続でどっぷり疲れてしまってはいたんですが、「もう二度と行きたくない」とは思いませんでした。
もちろん純さんにこれからもお会いしたいというのが一番ですが、ブルダなら本当に私のコミュ障が少しはどうにかなるかもしれないと思えたんです。
初回はホストさんたちの「楽しんでほしい」という気持ちに全く応えられずかなりへこみましたが、二回目以降徐々に慣れていけば自分から楽しめるようになるかもしれません。
そしたら私もいよいよコミュ障脱出・・・!
なんてそんなうまく行くかは分かりませんが、少し自分を試してみたい気持ちにもなりました。
そんなこんなで人生初体験をすませたその日、私は意外にも気持ちが軽くなって心地よく深い眠りに誘われることができました。




