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初回 7 ~シャンパンコール~

 それで一連の儀式(?)は終わったらしく、ホストさんたちは散開。


純さんも私の隣へ戻って来てくださいました。


途端に心拍数が跳ね上がります。


「お待たせー」


「あ、お、お帰りなさい」


「失礼しまーす」


 間髪を入れずに三人目の新たなホストさん登場。


今度の方は純さんと同い年くらいでしょうか。


「おー、旭貴さん」


 旭貴さんとおっしゃるのですね。


細面で柔和な感じの方。


「初めまして。旭貴でーす」


 物腰も柔らかくてちょっとおっとりしています。


こういう方なら私も緊張して構えずにすみそうです。


「愛香ちゃんていうんですね。お店は初めて?」


「そーなんですよ、ホストクラブも初めてだって」


 何故か私の代わりに答える純さん。


「あ、はい。たまたま純さんとお知り合いになったので連れてきていただいて・・・」


「純さんどう? すごく優しいでしょ?」


「はい! とっても優しくていい方ですっ」


 思わず大声で力説してしまいました。


だって本当のことですもの。


それだけは自信を持って即答できます。


私が突然声のボリュームを上げたので、お二人はちょっと驚かれたようですが、すぐにふふっと笑われました。


「あー、なんか分かる。純さん好みの女の子」


 そこで、旭貴さんが衝撃発言をされました。


小さな声でポソッとおっしゃっただけですが、こういうことはよく聞こえるんです。


って言うか、何ですって!?


私が純さん好み!?


いえいえ、ちょっと待ってください、空耳だったのかも。


とはいえ、もう一度聞き返すことなんて当然できず、パニクって純さんを見ると純さんは優しく微笑まれています。


 待ってくださいー!!


それは肯定ですか、否定ですかっ!


あわわわわ、困惑。


心臓が跳び跳ねてます。


いえいえいえ、違う。違います。


これはホストさんとしてのリップサービス。


そうに決まってます。


「それより、さっきのコールどうだった?」


 タスク処理に行き詰まってフリーズしてしまったパソコン状態の私に、純さんは至って普通に話しかけてこられました。


「コール?」


 そこで我に返った私は、耳慣れない言葉を鸚鵡返ししました。


「さっきみんなで歌ってたでしょ。あれ“シャンパンコール”っていうの」


「そーそー。お客さまがシャンパン入れてくださった時には必ずやるんです」


「曲も歌詞も振りも全部みんなで考えてるんだよ。今回ので・・・9曲目?」


「そうそう9曲目」


「へぇ・・・」


 そんなことまでなさってるとは知りませんでした。


さすがホスドルさんといったところでしょうか。


 ブルダは初回で入ったお客さまは90分間お店にいられることになっています。


90分が過ぎた後で「飲み直し」といって通常料金でさらに2時間延長することもできます。


ですが私はお酒を飲むわけでもありませんし、純さんともっと一緒にいたいのはやまやまですが、慣れないことばかりで少々疲れても来たので、それからしばらくして時間が来ると同時に帰らせていただくことにしました。



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