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プリンス&ビースト  作者: 森のうさぎ
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第14話 最終回


日の光など届かない城の中、アレスはロゲンと剣と剣でつばぜり合い戦っていた。


「お互いの王、どちらかが生き残る。

 生き残ったほうが正義だ」


「正義?違うな、お前は勝とうが負けようが悪党だ」

「なぜそう思う?」

「民をいけにえにして巨人兵を作り、国を私物化して

 挙句の果てに兵士たちを無理やり強化して個人の自由を侵害する

 それは正義にはなりえない、完全な悪だ」


「力が正義だ、弱者に価値などないのだからな!」


ロゲンの剣の一閃で剣をはじかれるアレス。


「それは、間違いだ!」


そう叫んだときだった、スカームとベルジュが王座に到着した。

二人はアレスの横に立つ。


「スカーム、ベルジュ!」

「待たせたな、坊ちゃん!」

「遅れましたわ、陛下」


その時、エテリアは放心状態で座り込んでいた。

それを横目に見て、待っていろ、すぐ終わらせる。

と考えていたアレスだった。


三対一、明らかにこちらが有利だ。


「さがってろ、坊ちゃん。ここは俺たちが引き受けた!」


スカームが盾でロゲンに殴り掛かる、しかし


「ふん!」


盾の隙間からロゲンに拳で殴られて吹き飛ばされるスカーム。


「ぐっ!」


その隙に大剣でロゲンに斬りかかるベルジュだったが


「雑魚が!」


ロゲンの左足の蹴りで蹴とばされるベルジュ。


「きゃっ!」


二人とも、傷だらけで力がでないようだ。

特にベルジュの傷はひどかった。


「くっそ、あいつのパンチそんなに効いてたのかよ……」

「……っ……ルシオ」


起き上がれない二人、そんなときにアレスの後方から声が聞こえた。


「動くな、動くとこの娘を殺すぞ」


油断した、トーレイだった。

ナイフを使って放心状態のエテリアの首元にナイフを突きつけている。


「皇帝陛下、きましたね!」

「はっはっは、よくやったぞ。

 さぁ、その娘を殺されたくなかったら全軍に降伏命令を出せ」


「……」


天秤にかけることなんてできない。

国も、エテリアも。


「どうした、このままだとこの娘が死ぬぞ?」


_怖いものがあるっていうのは悪い事じゃないんだ_


放心状態のエテリアがはっきりと目を覚ました後、状況に気付いた。

すると彼女は自分の胸に右手の爪を突き立ててこういった。


「……もし、私にも怖いものがあるとすれば。

 アレス、お前を失うことだ」


グサッ。という音と共にエテリアは自分の左胸を爪で突き刺した。


「エテリアアアアアッ!」

「なんと、愚かな!」


エテリアから手を離したトーレイにむかって、アレスは剣を投げつけた。

投げた剣はトーレイの頭に刺さり、そのまま絶命した。

アレスはエテリアを抱きかかえた。


「エテリア!エテリアッ!」

「私は、大丈夫……だ、それより……お前の家族を……守……れ」


出血はひどいが、致命傷ではないようだ。

アレスはゆっくりとその場にエテリアを寝かせると、立ち上がって

素手でロゲンにむかっていった。


「坊ちゃん」

「陛下」


膝をつきながら二人の直属の部下が装備を交互に投げた。


「「これを!」」


スカームから盾を左手で受け取り、右手でベルジュの大剣を受け取る。


「一度敗れた者たちの装備で我を倒そう、か?くだらぬ」


アレスが勢いを付け、正面に跳躍するスカームの盾でロゲンの剣を防ぎながら。

一撃、二撃とロゲンからの斬撃が飛んでくるが、スカームの盾が防いでくれている。

だが、それも限界のようだった。

そこでアレスは考えた。


「盾ごと、切り裂いてくれるわ!」


ロゲンが横に一閃、剣を振りぬいた、するとスカームの盾は真っ二つに斬れてしまった。

しかし、そこにはアレスはいなかった。

ロゲンが見上げると、アレスはベルジュの大剣を構えて振りかぶった。


「うおおおおおおお!」


ロゲンの頭から下半身まで切り落とす。


「ぐああああっ!」


ロゲンは頭から血を流し、後ろに倒れた。

それと同時に、ベルジュの大剣が砕け散る。


「終わった……」


ロゲンは、アレスによって打倒された。

そこへミメルト王国の兵士たちと騎士たちがやってくる。


「陛下、ご無事ですか!?」

「それより、エテリアを……」


兵士たちはロゲンが死んでいるのを確認すると、

歓声を上げて喜んだ、スカームとベルジュも立ち上がり。

戦いはミメルトの勝利に終わったかに見えた、しかし……。


「ふっふっふ……」


その場にいた全員が凍り付くような寒気を感じた。

ミメルトの兵士たちを吹き飛ばし、ロゲンが立ち上がった。


「愚か者どもが!」


先ほど、アレスが切り裂いた傷口から飛び出るように獣人がロゲンの体を突き破って

現れた。


ブラムスがつぶやく。


「そうか、帝国が今まで行ってきた人体実験や獣人狩りは……このためだったのか」


獣人がロゲンの声で叫ぶ。


「そう、我こそ完全で究極の存在であり、すべてを制する力そのもの!

 全てはこの時、この時代のためなのだ!

 それをわかろうとしない愚民どもめ……滅びるがいい」


「その声は、ロゲン・ガストラル!」

「陛下、ここは我々が」

「そうです、我らに」


「「「我々にお任せください!!!」」」


騎士や兵士たちが剣を構えて叫んだ。


「みんな、よし……行くぞ!


スカームとベルジュも拳と銀のナイフで立ち向かう。

兵士の一人が剣をアレスに手渡した。


数百人と一体の戦いが始まった。


兵士たちが槍でロゲンを貫こうとするが、槍が折れてしまう。

剣も歯が立たない。

アレスたちも武器で斬りかかるが折れたり、はじかれたりしてしまう。


「この、馬鹿どもがぁぁ!」


気迫で兵士たちが弾き飛ばされてしまう。

アレスは必死に倒す方法を考えていた。


「死ねい!」


ロゲンの爪から発して飛んできたカマイタチに対して、何人もの兵士が

盾をもってアレスをかばう。


するとロゲンは、そこらじゅうの兵士たちを吹き飛ばしながらアレスを探す。


「貴様が死ねば、我の勝ちだ!どこだ、どこだあああああああ」


その時、アレスは空中に跳躍していた。

ロゲンが、真下に居る。

手には何も持っていない。


「陛下、これを!」


再び、兵士が剣をアレスに投げた。

それをキャッチしたアレスはロゲンの口の中に剣を突き刺した。


「うおおおお!」


グサリ、という音とともに、ロゲンは口から血を吐きながら倒れた。


「あが、ががが、あがぁが」


剣から手を離して、着地したアレスはロゲンのほうに振り向くと。


「お前は、最初から口先だけの王だったんだよ!」


と叫んだ。


ロゲンはじたばたと暴れたあと、ゆっくりと絶命した。

力が抜けたアレスは、倒れそうになる体を必死に起こしながら

エテリアの方へ向かった。


「エテリア、エテリ……ア……」

「陛下、私の肩につかまりください!」


兵士たちに肩を借りて、エテリアのところへ向かうアレス……。






こうして、ミメルト王国とガストラル帝国の戦争はミメルト王国側の勝利で幕を閉じた。


最後まで、アレス・ミメルトは国を守ったのである。


そしてその後……。





あの戦いから三日後のこと。

夕焼けの空で、ミメルト王国の城門の前を歩き、城下町から出て行こうとするエテリア。


「エテリア!」


その名を呼んだのは誰でもない、アレスだ。


「なんだ?」

「行ってしまうのか?」

「あぁ」


エテリアはアレスに背を向けて無言になる、アレスもだ。

そして、エテリアはそっとアレスのほうを向くと一言話した。


「お前には国という家族がいる。私にも森という家族がある。

 だから一緒にはいられない。

 だが、もし私とお前が家族だというのなら」


そういうと、アレスにすっと近づいたエテリアは

アレスの唇にキスをした。

少し照れながら手を後ろに回して。


そして、そっと離れてまた一言。


「これも、ひとつの家族の形だろう?」

「……エテリア」

「では、な……」


エテリアが背を向けて、城門から出て行こうとする。


「逢いに行くよ、必ず!」


その一言に、エテリアは一度だけ振り向いて。


「あぁ、必ずこいよ」


といってにっこりと笑った。


そして、エテリアは森に帰っていった。




__THE END__



これは小説ではなく物語です。

私自身小説を書いている意図はなく

あくまで物語を書くために文章を使っていると思っています。


さて、最終回でしたがいかがでしたでしょうか?

お楽しみいただけたのなら、幸いです。


長い時間 読んでいただき、本当にありがとうございました!


では、また別の物語でお逢いしましょう!


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