〈第四章 後編〉二十四日
四章後編です!
今回は学と未来の二人きりのお話です!
少しずつ距離が縮まっていく二人を、温かく見守っていただけたら嬉しいです。
現在俺は、未来さんとニ人で歩いている。
心の中「これはもうデート!!!」
いや待て俺、そもそもデートの定義はなんだ?お互いがデートだと認識しないとデートではないのか?
いやこれはデート!
考えても意味のないことを考えていると…
未来「ボーッとしていますが、体調大丈夫ですか??」
永井「いや!もう絶好調だよ!」
未来「本当ですか?少し顔色が悪いようですが…?」
多分顔色が悪いのは、いつもだ。
永井「本当に大丈夫だから!笑」
未来「それなら良いのですが…」
一瞬の沈黙が流れる。
心の中「あーやっちゃった。デートしている時に沈黙を作っちゃいけないって昨日予習したのに…!とにかく話さないと!」
先に未来さんが口を開いた。
未来「あっそろそろ着きますよ!」
心の中「先に話しかけさせちゃった…!でも、そんなことより未来さんの家はどんな外装なのか。とても気になる。」
未来「ここが私の家です!」
俺は驚愕した。俺がよく知る「令嬢」は豪邸に住んでいるイメージがあったが…
永井「え?マンション!?!?」
未来「え?」
声に出してしまった。
永井「ごめん。なんでもないよ!」
でもなんで未来さんはマンションに住んでいるのだろうか…疑問だ。
未来「マンションに住んでるの、少し驚きましたか?笑」
心の中「未来さんは心が読めるのか…?」
永井「な、何も驚いてないよ笑」
未来「笑笑、実は私、親と喧嘩してマンションに住んでいるんです。」
こんな聖人でも、親と喧嘩をするのか… と思いながら、俺は早口で言った。
永井「そっか…なんで喧嘩したの?あっ別に言いたくなかったら言わなくても大丈夫ですよ!」
未来「ただの口喧嘩ですよ笑笑」
…俺は未来さんが教えてくれなくて、少し悲しくなった。
永井「早く仲直りできるといいね。」
未来「はい。そうですね…笑」
未来さんは、少し引きつりながら笑った。
未来「じゃ、じゃあ少し寒いので早く中に入りましょうか!」
永井「そうだね。」
心の中「ん?」
俺は気づいた。未来さんは親と喧嘩して、今はマンションに住んでいるんだったよな?
ということは、今親がいない。つまり未来さんと「室内」で二人きり…?
(いやいやないない)と思いながら、首を横に振る。
玄関前に着いた。
未来「どうぞどうぞ、中に入ってください!」
永井「失礼しまーす…」
未来「そこはお邪魔しますですよ笑。学さん笑」
心の中「やばいやばい…ついに入っちゃったぞ…!」
永井「ああ、ごめん笑」
未来「じゃあ早速勉強始めましょうか!」
永井「そうだね。」
そうだ。今日は勉強しに来たんだ。集中するぞ…!!
〜四十分後〜
心の中「全く集中できねぇ…普通に考えて集中できるわけがないだろ!!」
そんなこと考えながら、固まっていたら…
未来「わからないところありましたか?」
心の中「せっかく話しかけてくれたんだ、ここは乗っておこう。」
永井「うん。この二次関数のグラフの問題なんだけど…」
未来「えっと、ここは、y=ax²の式に当てはめるとできますよ!」
永井「そんな公式ある?」
薄々気づいているだろうが、俺は偏差値三十五の正真正銘の馬鹿である。
未来「嘘ですよね…?」
永井「いや本当に知りません。」
心の中「正直に答えすぎた!…」
一瞬の静寂の後、肩の力を抜いた彼女は、涙を流して笑ってみせた。
俺は少し驚いた。
永井「未来さんの満面の笑み!初めて見たよ!」
未来さんの笑いが収まり、少し頬を赤らめる。
未来「ごめんなさい!取り乱しちゃって!」
永井「そんなことないよ。俺は笑ってる未来さんの方が好きだよ!」
未来さんが、毛先を指に絡めながら、頬を赤らめていた。
俺は自分が言ったことに気づき、訂正しようとする。
永井「そ、そういう意味じゃなくて…!いやでも実際、本当に思ってるし…」
未来「……です。」
うまく聞き取れなかったので、耳を傾ける。
未来「学さんにそう言ってもらえて嬉しいです!!!!!」
彼女の声が、部屋全体に響く。
永井「…」
未来「…」
奇妙な間の後、じわじわと込み上げてくるものを抑えきれずに、未来さんと俺は大爆笑した。
未来さんは、涙を拭いながら、声を放って言う。
未来「最初会った時も、こんなことありましたね笑」
俺も腹を抱えながら言葉を放つ。
永井「だね!あの時、会場の皆全員の目が俺たちに向いたよね?!」
未来「あれ恥ずかしかったですよね!!」
そんな話をしながら、どんどん時間が過ぎていく。
楽しい時間は本当に一瞬だ。
永井「あれ今何時だ?」
未来「もう八時ですね…時計見てませんでした。」
永井「楽しい時間は一瞬だね。」
永井「全然勉強してないけど、もう遅いから帰ろうかな」
未来さんが、ぽつりと、言葉を落とすように言う。
未来「分かりました…駅まで送りましょうか??」
永井「もうこんな時間だから大丈夫だよ!」
未来さんが少し俯き何か言っている。
未来「…… て…くれ…ますか?」
俺は今日、耳の調子が悪いのだろうか?
俺は耳を傾ける。
未来さんは消え入りそうな声で囁いた
未来「また今度も一緒にいてくれますか?…」
俺はそう言ってくれたことが嬉しかった。
永井「うん。もちろん」
〜玄関先〜
永井「お邪魔しました!」
未来「本当に気をつけて帰ってくださいね」
永井「うん。ありがとう。」
そうして、未来さんの家を出る。
俺は、今日の出来事を思い出しては口元を緩ませ、
月明かりの下を歩いて帰った。
〜自宅〜
姉 「おかえりー」
永井「ただいま。」
姉 「あれお父さんかと思ったけど学!?!?」
永井「いやなんで驚いてんの?」
姉 「今日はてっきり帰ってこないかと思ってた!」
永井「勝手に変なこと想像すんなよ」
俺は、姉の言葉を振り払って、自分の部屋のベッドに飛び込む。
永井「ふぅー…」
俺は、未来さんと過ごした温かい時間の余韻に浸りながら、いつの間にか眠りについていた。
クリスマスイブの夜だということも忘れるほど、幸せな気持ちだった。
今回のお話を読んでいただきありがとうございます!
今回は学と未来の二人の距離が少し縮まるお話でした。
感想やコメントなども大歓迎です!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!




