27話 果たして結果は…?
エスカディオ家の客室のとある二部屋は、それぞれリシュアとアシュリーの私物だらけになっていた。
リシュアの部屋には魔道具の設計図や理論書、必要な材料やらが書かれた紙が散乱している
一方アシュリーの部屋は一見すると綺麗ではあるものの、机の上には常にお菓子が常備されている。
この部屋の間の壁は案外薄く、少し声を張れば普通に会話ができる。
リシュアは自分の部屋で魔道具の設計図を広げていたが、隣の部屋にいるであろうアシュリーに声をかけた
「お兄ちゃん」
「なんだよ」
アシュリーはベッドでごろんと転がり中だった。
リシュアが何について話そうとしているのかは流石に分かるが、とりあえず短く返事をした。
「パパ、ママと仲直りできたかな。もう出て行ってから三時間以上は経ったけど……」
「……ま、なんだかんだで仲直りパターンか、もしくは一週間無視パターンか…だな。母さん相当怒ってたぞ、あれ」
「そうだよねぇ……」
二人は同時に母の怒り様と、父の落ち込み様を思い出した。
両親の喧嘩中は恐ろしく気まずい。片方ずつならば絡むことはできるが、両方同時にいる時に仲介できるほどの勇気はこの双子にはないし、この件に関してはあの二人が解決すべき問題だ。首は突っ込まないし突っ込む気もない。
「…これで未来変わったりしなきゃいいな」
「ね〜」
その言葉を最後に、少しの沈黙が流れた…が
二人はそれぞれの部屋で同時に立ち上がり
そして部屋の扉の前で向かい合った
「「……まずくない?」」
今更すきる危機感が双子を襲い、嫌な光景が浮かんできた——
ふんぞり返って仁王立ちするアルターナと、地に伏しながら必死に縋るネオリムの姿
『ネオリム、あんたとは婚約破棄するわ!!』
『そんな…待ってくれ!!アルターナぁぁぁ!!』
そして二人は破局。
父と母は結婚しないためリシュアとアシュリーは生まれない。存在は消滅。全てが無かったことになる——
「おおおお兄ちゃん、今からでも仲介しに行かない??」
「いやいやいや、まだ消えたりしてないし、きっと仲直りしてるだろ」
「ででででも、今まさに婚約を取り消す作業とかしてたらもう手遅れだよっ!?」
「いやいやいや、父さんのことだから“父上にも相談してくる”〜っとか言って時間稼ぎくらいはしてるって」
「いやいやいや」
「いやいやいや」
「お取り込み中失礼致します。ネオリム坊ちゃまはたった今、ご帰還なされましたよ」
通りすがりの執事、ロガートの一言に
双子は数秒固まった。そして、弾けるように走り出した




