Scene174
その後、4人は高校生の頃に埋めたタイムカプセルを掘り起こしに行った。カプセルの中には京都で買ったキーホルダーとSDカードが入っていた。SDカードの中には動画が保存してあり、動画には4人の日常風景と4人で踊ってるいる様子が収められていた。
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アリスが比奈高校に転校してきた最初の頃、ケントはよく携帯で動画を撮っていた。
ケント「いや、オレ前々からタイムカプセルを埋めたいと思ってて、問題はそのタイムカプセルに何を入れるかなんだけど、その中に動画を入れたいんだよね。」
リク「だからか。最近、やたらと携帯で何か撮ってたもんな。」
ケント「そう。気軽に動画を撮れるのはオレたちの世代の特権だ。なのに動画を撮って残さないなんてもったいないだろ?」
ナオ「いや、それどんな動画を残すのかによるけどね。」
ケント「4人の動画だったらどんな動画でもいい思い出になると思うぜ。」
ナオ「まあ、アリスとの思い出はたくさん残しておきたいわね。アリスは何かやりたい?」
アリス「私はこうやって過ごす、何気ない日常生活が好きだよ。」
ケント「それじゃあちょっと盛り上がりに欠けるなー。そうだな。ダンスなんてどう?」
アリス「私、ダンスしたことないんだけど、大丈夫かな?」
ケント「ええ!ダンスしたことないの?小学校の頃やらなかった?」
ナオ「まあ、したことがないならいい機会じゃん。簡単な振り付けなら経験あるかどうか関係ないし。」
リク「何で踊りを撮るんだよ?オレは絶対嫌だ!」
ケント「と言いつつもやるんだろ?リクはダンス、得意なくせに。」
4人はジャージに着替えてダンスの練習を始めた。
ケント「よし、みんな!この部分の振り付け、もう一回やってみよう!次こそ完璧に決めるよ!」
ナオ「ねえ。この振り付け複雑過ぎない?」
リク「オレ、ちょっとなめてたかも・・・。」
ケント「了解。じゃあ、カウントいくぞ。ワン、ツー、スリー、フォー!」
みんなが一斉に動き出したが、アリスだけがタイミングを外して逆方向に回った。
アリスは慌てて言った。
アリス「あれっ、こっちじゃない!?ごめん、間違えた!」
ケント「うーん。アリス、ステップも違ってるけど・・・。」
ナオ「じゃあ、最初のステップから確認してみようか。」
3人はアリスのステップを確認しながら練習を続けた。休憩に入るとアリスは肩を落としながら言った。
アリス「私、ほんとダンス向いてないのかも・・・。みんなの足引っ張ってる気がする。」
リク「そんなことないよ。こんな複雑なステップを考えたケントが全部悪い。」
ケント「そうそう。失敗しても練習すれば必ず良くなる・・・って、何でオレが全部悪いんだよっ!
ナオ「一緒に身体を動かすことってないから、こうして練習してると楽しいよね。そうだ!この様子も動画に収めておこう!」
そいうとナオは携帯で動画を撮り始めた。練習を再開すると、アリスは徐々に上手になっていた。しかし、最後のジャンプでアリスが転んだ。
アリスは床に座り込んで言った。
アリス「またやっちゃった!」
リクはすかさず駆け寄って手を差し伸べた。
リク「大丈夫?少し休憩しようか?」
アリスが笑いながらリクの手を取った。
アリス「ありがとう・・・でも、私はか弱いお姫様じゃないからね。」
ケント「まあ、お姫様というよりも戦隊ヒーローが変身に失敗したみたいな感じだったな。」
アリス「もう、むかつくー。」
ナオ「でもアリス、転ぶタイミングは完璧だったよ。あれ、本番でやったらウケるかも。」
アリス「ナオ、それは褒めてるの?からかってるの?」
ナオは笑いながら言った。
ナオ「どっちもかな!でも、本当に転んでも可愛かったから大丈夫だよ。」
ケント「よし、じゃあ次からはアリス転倒のフリを正式な振り付けにしよう!」
リク「やめとけ。余計に混乱するだろ。」
その後も練習を続けて、アリスは徐々に上達していった。
アリス「みんな、ありがとう。私、もう大丈夫かも。」
ケント「いや、こちらこそ付き合ってくれてありがとうだよ。じゃあ、そろそろ完成版を撮るか。」
ナオ「一発勝負ね!失敗したっていい思い出になるし!」
リク「アリス、転ぶならちゃんと面白く転べよな!」
アリ「もう、リク嫌いっ!」
4人は制服に着替えて屋上に移動した。そして、ナオが携帯をセットするといよいよ本番が始まった。ナオは手を挙げて言った。
ナオ「いくよっ!」




