第2話 HIDE YOUR FACE
『反撃開始だと…?そんな暇など与えるものか!お前もあの塵のように殺してやる!』
ソウルイーターは右掌に魔力を集中させると、それを弓矢のように連射させる。
2人はその攻撃を躱していき、グアダルーペは眼前に迫る攻撃を刀でいなす。ゲルガルドは自身の周囲に展開させた防御壁で魔力の攻撃を防いでいく。
『やるな!だが防いでいるだけじゃ反撃は出来ないぞ!』
『言われずとも。お前を倒し、その仮面の下に何があるか見てやろう』
グアダルーペが斬撃を空間にいくつも設置していく。これが確認できるのは自身と、見せて構わないと認めた者のみ。
この場においてはゲルガルドがそれに該当し、設置型の不可視の攻撃が見えていた、筈だったのだが…。
『俺にも見えるぞ?-魂壁-』
ソウルイーターは自身の固有魔法を使い、グアダルーペを煽るかのように設置した攻撃の真上に立つ。
『なんだと…見える筈が無い!』
『そうだな。不可視の攻撃は通常見る事は出来ない。だが魔力を伴った攻撃には魔力の残滓がある。この程度のもの、自身の魔力を放出させてやればすぐに見当がつく。引っかかるのは余程の馬鹿か戦い慣れてない者だけだ』
解説を終えると同時に距離を詰めるソウルイーター。
『まぁお前も戦い慣れてないようだが。戦いの才能を持て余している』
『!!止まれ、氷ー』
唱えきる前に腹部に蹴りをくらい、端まで吹き飛ぶグアダルーペ。
『おいおい、あんたのとこはこんなのしか居ないのか?』
『-木牢-』
隙をついたゲルガルドがソウルイーターの拘束に成功する。
『あの程度でやられる程、我が部下はやわではない』
『なるほどな。じゃああんたの頭が弱いだけか』
攻撃に転じたゲルガルドだったが、ソウルイーターの拘束は既に解けていた。
攻撃動作に入ったその隙を取られ、自分の玉座に投げ込まれる。
『俺を生物で拘束してどうする?俺は魂喰いだぞ?』
『しくじったな…なぁグアダルーペよ』
『えぇ…私も本気を出す必要があるようです』
崩れた玉座の前で立ち上がるゲルガルドとその横に立つグアダルーペ。
その聞き逃がせない発言に思わず問いかけをしてしまう。
『何と言った?お前。本気を出すだと?この俺相手に本気じゃなかったと言うのか!?』
『私としてはお前に帰ってもらえれば良い。そうすれば、ひとまずこの場で戦う理由は無くなる。しかし、お前の攻撃が思った以上に強くてな。力を抜いていられないと判断した』
『随分俺を舐めてるな…ならその本気を見せてみろ!!!』
グアダルーペは自身の魔力の縛りを解除する。かつてファントムと戦った時のように姿が変わっていく。
『それが…お前の本気というわけか?』
『そうだ。私を戦い慣れてないと判断した理由も分かる。-魔力闘術-』
瞬間、ソウルイーターの視界からグアダルーペが消える。
『速い!何処に消えた!?』
ソウルイーターが魔力感知を発動させ、グアダルーペの位置を探るも細かく移動しているせいで絞る事が出来ない。
高速移動のなか使用したであろう魔力の斬撃がソウルイーターを複数ヶ所から襲う。
ソウルイーターが混乱している隙を付き、壁穴へ投げ飛ばしその勢いのまま魔力砲を撃つ。
攻撃を間一髪で避け、空中に立つソウルイーターだが、彼なりに今の攻撃は危なかったようで息が上がっている。
『大分俺を苛つかせてくれるじゃないか…』
『私にはこの力は過ぎたものだ。だから普段は使わないようにしている。しかし、抑えながら力を使うというのはどうにも慣れなくてな。なので先ほどまでは確かに戦いにくかったよ』
速度を使った攻撃を再開するグアダルーペ。今度は様々な属性魔法の攻撃を放ってくる。
『ちっ…小賢しい手を使いやがって!』
『何とでも言え。-魔力乱し-』
ソウルイーターはグアダルーペに狙いを付け攻撃を仕掛けるもやはり当たらない。
死角の位置まで近付いたグアダルーペは自身の魔力を叩き込み、魔力の使用を妨害する。
その勢いのまま左脚で蹴りをソウルイーターの仮面左眼辺りに当てるも、避けられ完全には当たらずヒビに留まる。
『そんなに俺の能力が怖いか?魂を奪われる事が!』
『お前の能力は厄介だ。やはりここで倒させてもらう』
『なら俺も真の力を使ってやろう』
『お前の魔力は封じているぞ!』
グアダルーペが魔力の斬撃を飛ばしながらソウルイーターに迫る。棒立ち状態のまま動こうとしない。
『三…二…一…』
『??』
『ここだな』
『行くな!グアダルーペ!』
『!!』
『そこまで視えていたぞ』
ゲルガルドが制止するも、一足遅くグアダルーペは腹部に膝蹴りをくらってしまう。
『がはぁっ…!?』
『よお』
『グアダルーペ、戻れ!』
ゲルガルドが後ろから引っ張るような動作をするとグアダルーペの身体は宙を舞い、両者を無理やり引き剥がす事に成功する。
『なんだ今のは…?まぁ良い、もうこれ以上の抵抗はよせ。何をしても無駄だという事が分かーっ!?』
ソウルイーターが突然頭を押さえる。その顔を上げた時にはグアダルーペが魔力で強化された右腕を振り上げていた。
当然回避は間に合わず、壁際まで転がるソウルイーター。
『はぁっ、はぁ…こういう戦い方は好きではないが…お前相手にはそうも言ってられん!悪く思うな!』
『これは…そうか。分かった、今日の所は引き上げてやろう』
ややふらついた様子ながら立ち上がったソウルイーターが衣服の汚れをはたき落とし言う。
『お前達はこの先主の求める世界に必要なようだ。だから殺さないでおいてやる。だがグアダルーペ、お前はいずれこの仮面の借り返させてもらうぞ』
左眼の辺りが砕けた仮面からは赤い魔力の光が見えている。先ほどの戦闘で取れたフードから見える左耳には青い耳飾りが付いていた。
『それに…既に我々の侵攻は始まっている』
『どういう意味だ…?』
『話してやる義理はない』
転移魔法を使い、2人の前から姿を消すソウルイーター。
『あの目はまるで…』
『どうした、何かあったか。グアダルーペ』
『いえ、私の疑問はレオン達を呼んでからにさせてください。大したものではありませんので』
ソウルイーターの能力とは…
グアダルーペの気付きとは…
一体なんでしょうか?(すっとぼけ)
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