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拉致された(陽菜視点)

まずったなぁ…。

最初から変わらない感想を心の中で呟き、ため息を吐き出した。

まさか拉致されるとは思わなかった。

しかも、奴隷商人に。



「“睡眠”もかけられてたみたいね」



自分の体にある、闇属性魔法をかけられた者特有の気だるさを感じて理解する。

だから拉致される時、眠かったのか。



「帰る方法とか考えないと」



私は無属性魔法の転移魔法がまだ上手くない。

たまに目的地とは違う場所に出る。


それに、情報は欲しい。

ここはまだキアーロ王国なのか、既に違う場所なのか。


私はまだ戦ったことがない。

月華達がそういうことを遠ざけてくれたから。

けれど、彼女達はいない。

この場には私、一人しかいない。

だから、必要ならば…。


この手を血に濡らす覚悟を胸に。

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