現在と確認
「それで転移した鬼灯殿についていき、私もここに来させてもらったんだ」
「あの時は転移魔法を使った悪魔についてこれるとか、こいつ本当に人間なのかと疑った」
よく分かるよ、私も同じ経験したもの。
鬼灯様とは九条鬼灯様のことで、この白銀の髪の男である。
レインの同胞で、強欲の悪魔だ。
今日は娘さん、いないのか。
「けど月華、心当たりとかないのか?自分の親が神狐なことに」
リアンに言われた。
私の尻尾を触ろうとしてる奴らを、尻尾で叩きながら考える。
心当たりねぇ~、あ。
「お父さんかも…」
私の実父。
酒を飲んで酔っては、自分は狐なんだぞと言っていた。
たまにお父さんの頭に狐耳や尻尾もあった。
本物みたいな飾りだなぁって気にも留めなかったや。
それを言ったら全員が頭を抱えた。
「どうしました?」
「何で気づかなかった」
声を揃えて言われた。
いや、だってさ……本人がそのこと忘れてたり気づいてなかったりな上、髪と瞳が黒だったからだし。
それにお父さん側の親族がいないから、幼心にも聞いちゃいけないと感じていたし。
それを言ったら納得された。
「ちなみに神狐はとても一途な存在だ。伴侶以外の者には靡かず、少しでも言い寄られたら苛立つほどだ」
「お父さんだと確定しました」
私が十歳くらいの時に、お母さんとお父さんで伯父さんの家に行ったんだよね。
伯父さん、他県に住んでたからなかなか会えなくて、その時に私は初対面だった。
伯父さんの家を探すためにお母さんと私、お父さんで分かれた。
見つけたので電話しても出なかったし、仕方ないので伯父さんも加えて探したら……。
お父さん、キレる三秒前だった。
身内だからってのを差し引いても、娘から見てかなり美形なお父さん。
夏休みに会いに行ったから、お姉さま方がお父さんの周りにいた。
お母さんが声かけたら機嫌が良くなった、それでいいのかお父さん。
お姉さま方の輪を抜ける時に、毒舌が凄まじかったよ…。
確定した理由を説明代わりに思い出を語ったら、納得とドン引きをされた。
酷くないか、あなた達。




