炎から闇への招待(第三者視点)
今回は第三者視点、新キャラ二人の容姿説明無し。
とある真実も。
――――時は一週間ほど遡る。
現スクレッツァ国王が難しい顔をしている。
前スクレッツァ国王は隠居した身だが、同じく難しい顔。
二人がそんな顔をする理由は一つ。
この国にいるはずの王女の友人がおらず、その後にフィアンマータ王国から、王子が巫女と婚約パーティーをするという招待状を送ってきたからだ。
それはおかしなことだ。
巫女、もしくは王子がまだ子供ならば婚約とされてもおかしくない、むしろ普通である。
だが、婚約するというフリッツ王子は二十四、巫女は十五。
十近く年が離れているが、結婚出来ないわけではない。
まるで逃げ道を塞ごうとしてるような気がする。
「父上、この話をどう思いますか?」
息子からの言葉を受け、ふむと父は考える。
出た結論は同じもの。
「逃げ道を塞ごうとしてるようにしか感じられんな…」
「もしも本当に塞ぐつもりなら…」
その言葉に二人が眉を顰める。
巫女は創造神の遣いとも言える。
逆に考えると巫女とは創造神が気に入った者だ。
その存在の逃げ道を塞ぐのは、創造神への不敬。
過去、全ての王族にしか伝わらない歴史の中、一度いたのだ。
当時の巫女の逃げ道を塞ぎ、滅んだ雷の名を持つフルミネ王国。
彼の王国は巫女を道具として見て、逃げないように監視すらしていた。
それを他の王国……当時のスクレッツァ王国の王子が、訪問したことで発覚した。
王子が巫女を助け、自国に保護した頃にフルミネ王国は滅んだ。
まるで天罰だというように、跡形もなく。
そのまま巫女は自分を助けてくれた王子と結婚した。
今、フルミネ王国のことを知っている王族は少ない。
あの国とはとても遠いフィアンマータ王国は完全に知らないだろう。
「父上」
「何だ、黒鈴」
現スクレッツァ国王……黒鈴は言う。
「この招待を受けます。そしてフィアンマータの現状を見ます」
創造神を破壊神に変えてはならない。
今、巫女を召喚するのは自分達だ。
神は二面性を持つ。
真逆の二面性を。
ゆえ、創造神を怒らせてはならない。
彼の方は創造と破壊の二面性を持つのだから。




