仲間(と書いて下僕と読む)をゲットした
軟禁されて早三日。
簡単に情報を集めることが出来た。
最悪だが。
この王国には人外が少ない。
国王が人外を毛嫌いしていて、彼らを迫害している。
しかもこの王国で人外が生きるには奴隷か奉公で最悪、春を売らないといけなくなる。
しかも国王は城下町で種をばら蒔いていて、私生児がいる。
まともな人格の王妃と八人の側室は呆れ、子供がいるために出ていけないがこっそりと後宮を出ては人外を助けてるんだとか。
限界はあるが、そのおかげで人外は九人を支持してる。
子供達は一人を除いてまともで、母親とともに出ていく覚悟。
その除かれた一人が王妃と国王の次男……フリッツ・バシュ・フィアンマータ第二王子。
長男は継承権を放棄して、庶民になった。
しかし虎視眈々とこの城を瓦解させる気だと聞く。
いいぞ、やってしまえ。
ちなみにフリッツ王子だが……こいつ、女好きだ。
私と会った時にいきなりキスしてこようとしやがった。
一緒に来てた上に阻止して守ってくれたお異母兄さんがいなかったら、演技したままわざと『サンダーボム』使って半殺しにしてたよ。
もう二十四歳なのにと嘆いてたしな、お異母兄さんが。
侍女の中にはフリッツ王子と関係を持った者がいる。
大臣達は私腹を肥やすことしか考えていない。
まともなのは早々に諦め、フリッツ王子以外の王子や王女が即位しないかと願っている。
さて、何で私がここまで詳しい情報を得られたのか手を明かそう。
ある人物を下僕に出来たからだ。
ちなみに性別は不明、本人曰くまだ決めていない。
「下僕じゃないんすけど…」
「ん?」
「すみません」
そう言って土下座してる奴の持ってきた書類を見る。
あー……陽菜とレインがキレたのか、頑張れ鈴蒼。
「ところで月華様、何故ご家族の様子まで」
「必要だからだ、リアン」
そう言ったら私が寝る時に使うベッドに座る旭。
肩までのざんばらな白い髪、夕焼けを切り取ったような紅い瞳。
肌もかなり白く、陶器のよう。
男と女、どっちにも見えるがどっちにも見えない美しい顔立ち。
身長は目測で165、少し華奢。
シャツに革パンツ、ロングコート、ロングブーツは黒。
オープンフィンガーグローブも黒。
今は男の姿になってる彼は、インキュバスとサキュバスの子供である。
名はリアン。
好きな人が出来ないと性別が固定されないらしい。
「リアン、君はアサシン……暗殺者だ。けどもう少し食べなよ、マンドラゴラの刺身とか」
「遠回しに死ねって言ってるよな」
「当たり前だ」
結婚した姉がフィアンマータに来て、奴隷にされて人質になった夫のインキュバスを守るために娼婦にされたのは知ってる。
そしてアサシンになったのも。
だが、巫女でフリッツ王子と強制的に結婚させられる予定の私を狙ったのは間違い。
ナイフを持って襲ってきたので、返り討ちにしてやった。
ぶちギレてた私は、ナイフを破壊魔法で破壊。
回し蹴りで鳩尾に膝をめり込ませ、雷魔法を薄く纏って筋肉強化。
そのまま体術でコンボを決めた。
リアンは見た目と違って頑丈だった。
いい八つ当たりの相手、しかも身軽そうなアサシンという使えるのがやってきたために仲間になれと脅し……もとい、お願いをした。
まぁ、利害が一致部分が多くあるので今、こうしているが。
余談だがリアンはアルビノだ。
幼い頃はか弱かったが、さすがにダメだと鍛えていたと聞く。
前に腹筋を触らせてもらったが、かなり固かった。
「ホントに嫌いなんだな、フィアンマータの王族が」
「フリッツ王子以外の王子と王女、王妃と側室は嫌いじゃない」
「……そーですか」
さて情報収集、情報収集…と。




