氷漬けにしていいよな?
レインと鈴蒼が帰ってきた。
一回、警戒した陽菜だったが私の家族と相棒だと伝えることにより、落ち着かせることに成功。
見知らぬ女の子がいたことには二人も警戒したが、私の友人だということを言ったら警戒を解いた。
鈴蒼は私の記憶を覗いたらしく、成長したなと呟いたので鳩尾に一発入れたが。
「それで、えーっと…」
「結城陽菜です」
「結城、どうしてフィアンマータ王国から?」
レインが聞いたことで、陽菜が微妙な表情になる。
うん、私のせいだ……ごめん。
陽菜の話をまとめると。
三年前、私と陽菜をこの世界に召喚したのはフィアンマータ王国で間違いは無い。
それから私が出ていったのは一ヶ月後。
私という支えを無くした陽菜はほぼ毎日、泣いていたという。
本当にごめんなさい、ちょこっと思い出したけどこっちもあのままだと死んでたんだ。
それから三年、泣かなくはなったけど嫌な予感はずっとしていたらしい。
そして二ヶ月ほど前、フィアンマータ王国の王子と自分が結婚する話を聞いた。
それから城下でこっそりと買っていた、今の服を着て荷物も用意してから逃亡した。
それから私に会った時に至る、ということらしい。
なるほど、そういうことか。
「鈴蒼」
「何だ?」
「フィアンマータの王族を氷漬けにしてこい」
「落ち着いて、月華。私は今、ここにこうやって逃げてこれたから。鈴蒼さんもやめてくださいね」
そう言われては殺れないな。
陽菜の温情に感謝しろ、フィアンマータ王国の王族ども。
「だがどうやって逃亡したんだ?」
あ、確かに。
「城下町でもよくあるようなものを城からくすねて、荷馬車には隠れて乗ったんです。後は降りた場所で少しずつそれを売って、資金にして馬車とか使って来ました」
私やレインみたいに歩きじゃないみたいだが、それでも出来る限り早く逃げるためにそうしたのだろう。
というか、くすねたのか、陽菜……どこでそんな知識を…。
「陽菜は巫女だから、フィアンマータは既に捜索を開始してるかもね」
巫女のことは知ってる。
私は紛い物という理由で疎まれてたし。
だが陽菜はきょとんとして。
「巫女は私じゃなくて月華よ、紛い物は私だったの」
さて、最後の辺りは巻き込まれでは王道でしょう。
ですが二人は仲良しなので、あまり気にしないという。
陽菜は普段は普通の女の子で、苦労人で男前な部分ありでしたが……もしや腹黒?
アグレッシブなのは発覚しましたが…。




