久しき友よ
月華の言ってた“あの子”が登場。
現在までのほとんどの話に、新しいキャラを登場させてはその度に説明ですみません。
「月華!」
ギルドからの帰り、柔らかで綺麗なソプラノが聞こえた。
そして感じるのは柔らかい温もり。
「陽菜……?」
思わず呟くと、華奢な肩を震わせて少女が頷く。
この世界にいる、私と同じ世界から来た少女。
私の、友人。
とりあえず私の家に連れてきて、テーブルに座らせる。
三年前よりも彼女はさらに美しくなっていた。
膝までの長い栗色の髪はウェーブがあってふわふわとし、垂れ目の大きめな瞳は琥珀。
健康的な白い肌に、唇は桜色。
可愛らしい顔立ちで、華奢な体。
スレンダーな体型。
身長は私より少し低く、小柄で守ってあげたくなる雰囲気がある。
何故か服装は動きやすそうなシャツとズボン、それにフードのあるローブを着ている。
靴もブーツだ。
マグカップにホットチョコを淹れ、それを陽菜に渡す。
小さく礼を言って彼女は受け取り、一口飲んだ。
安心したのか先ほどまで少し悪かった顔色は良くなり、強張っていた体から力が抜けたのが分かる。
「陽菜、何かあったのか?」
そう聞くと強張った表情になった。
「フィアンマータ王国で…」
その瞬間、私は首を傾げた。
何でフィアンマータ王国?
私の様子に気づいた陽菜が怪訝そうにする。
「もしかして……覚えてない?」
「うん、会話はちょこっと忘れたけど陽菜以外のことは」
自分のことを覚えてることに喜べばいいのか、見事に忘れられてるフィアンマータ王国に同情すればいいのかと陽菜はそう呟きながら頭を抱えた。
陽菜って、たまに小動物みたいな外見を裏切って男前な部分あるんだよね。
普段は普通の女の子って感じなのに。
お茶請けとして昨日に買ったクッキーを保存用の壷から出し、皿に盛って陽菜の前に置く。
レインと鈴蒼はあと少しかな、帰ってくるの。
月華はフィアンマータ王国にいた時から、意外とこの感じです。
自分に嫌がらせした人達は彼女にまったく覚えてもらえず、ばったり会う度に名前を聞かれるので陽菜が相談を受けました。
その度に頭を抱えてたので、ちょっと苦労人で男前な部分あり。
普段は普通に近い女の子です。




