女子会に参加させられた
女子会は生まれてから一度も参加したことないので、ちょっと変かもしれないです。
左斜め前には紫凛様、右斜め前には護衛の女性。
一つ離れた席には護衛の男性。
ここは紫凛様お気に入りの喫茶店。
レインや鈴蒼と買い物してたら何故か三人に拉致され、ここに連れてこられた。
あ、私、レインとは戸籍上だけど親子になったよ。
名字はそのままだけど。
「紫凛様…この状況は…」
何ですかと聞く前に。
「月華、あなたはアレクと恋人になるんですか!?」
紫凛様は興奮気味に言った。
はい?
「紫凛様、何で私がアレクさんと恋人に?」
「ならば副団長と?」
「なんでさ」
何故か副団長を出したのは護衛の女性。
藍色の髪は太ももまであって毛先はパッツン、前髪は眉の少し上辺りで切り揃えられてる。
瞳は紺色で凛とした美しい顔立ち。
シンプルにワイシャツとジーンズ、ノースリーブのジャケットを着ていて、服の上からでも胸が結構大きいことが分かる。
身長は165、種族は雪女。
彼女の周りには冷気が漂っており、夏場はかなり涼しい。
名前は雪香さん、紅の騎士団に所属してる。
年齢は二十四、年上である。
王族にはもちろん女性もいるので、紅の騎士団にも女性はいる。
けれど他の騎士団に比べるとかなり少ない。
だからアレクさんは私を入れたがる。
「雪香さん、クラークさんは私より十二も年上ですよ」
呆れたように言う。
それにクラークさん、雪香さんを狙ってるんだよね。
好みに一致してるのだと、獲物を狙う狩人の目で言ってたし。
「ですが天宮。愛があれば歳の差なんて、という言葉もありますよ」
「そうよ、月華。それに月華もそろそろ結婚のこととか考えないと」
この世界の女の結婚適齢期は十八から三十まで。
まだまだ余裕はあるが、私くらいの年から結婚相手を探す者は少なくない。
だが。
「顔だけならば好みはいるんですよ?アレクさんですが」
「やっぱり!」
目をキラキラと輝かせる紫凛様。
「団長ですか…」
「でも、あのしつこさには辟易してます」
顔が良くて強いアレクさんを好きっていう女の人は多く、私が入団することを断ってるのを不愉快そうに見られてることは知ってた。
けれど二ヶ月も諦めずに勧誘してるのを見て私を哀れに思ったのか、甘いものをくれるようになったけど。
あー、と苦い表情をしてる二人を無視して何か選ぶ。
二人は既に注文し、注文されたものは来てるが私はまだだ。
この世界の文字は漢字やカタカナ、ひらがながある。
おかげでまったく苦労しなかった。
だが、何であるのかは分からないんだよね。
店員さんにアップルパイと紅茶を注文する。
拉致されたのだから紫凛様に奢ってもらおう。
「(アレク……報われないわね…)」
「(団長、応援してます)」
二人が何を考えてるかなんて私はまったく知らない。




