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帰ってください、騎士団長

総合PVが8,392までいってて驚きと同時に嬉しいです。

ありがとうございます。

これからも可能な限り書いていきます。

「天宮月華、我が紅の騎士団に入れ!」


「お断りします」



めんどくさいのに会った、本気でそう思いつつ依頼されたものを受付に渡す。

依頼されたのはクリスタルウルフの毛皮、三匹分。

今回、一人で行って帰ってきたのは失敗だったな。



「こちら、依頼料の三十万リアです」



依頼料を受け取る。

この世界ではお金の単位だけが違う。

なので一円だったら一リアだ。

分かりやすくて本当に助かった。

クリスタルウルフの毛皮は一匹につき十万前後である。

ギルドを出た直後。



「天宮月華…」


「お断りします」



こちらを睨むように見てくる男に言う。

それでも強い視線は変わらない。

仕方ないと諦め、そちらを向いた。


背の真ん中までの朱色の髪は耳の前にそれぞれ一房ずつ残し、白い髪紐でポニーテールにし、切れ長の瞳は水色。

涼しげな顔立ちだが、右目の下には青い雫の入れ墨。

着ている銀色の鎧の下は細身でありながら、引き締まった筋肉質な体だ。

何で知ってるのかというと……まぁ、すぐに分かる。

腰には剣を装備していて、赤いマントをつけている。

身長は170くらい、年齢は二十歳。

年齢は聞いて驚いた、この若さで騎士団長ってそんなに強い奴なのかと。


こいつはあの時、紫凛様を私服で追いかけてた一人だ。

だからこいつの鎧の中にある肉体を知ってる、私服姿的に。

紅の騎士団騎士団長なのだ、こいつは。

紅の騎士団は王族を守る騎士団だ。

ゆえに忠誠心も武芸も強い者を見つけたら、敵じゃない限り勧誘することがある。

私は騎士団長と知らずに紫凛様を助けるために倒してしまったため、勧誘されてる。



「いい加減に諦めてくださいよ、私はギルド「黒薔薇」に所属してるんですよ?」


「あそこまで強い上、王女と友人になった者は勧誘したいんだ」



………………しつこいんだよなぁ。

顔は好みに近いんだけどね。

それに紫凛様はただ単に珍しい私を気に入ってるだけだ。



「しつこいです、アレクシス・バルフォア騎士団長」



不機嫌を隠さずにフルネームで呼ぶと、嫌そうに眉を顰めてる。

彼はフルネームで呼ばれることを嫌ってる。

だからわざとそうやって呼んだ。

普段は愛称の「アレク」さんと呼んでるから。



「だが…」


「団長」



不意に聞こえた声。

声の主を見て微笑む。



「あ、クラークさん」


「天宮………毎回毎回、うちの団長がすみません」



そう言って謝るクラークさん。

彼はクラーク・アルダーソンさん。

紅の騎士団副団長だ。


藤色の髪は短く、瞳孔が爬虫類のように縦長の瞳は翡翠色。

カッコイイ系の顔立ちで、すらっとした体型。

アレクさんと同じ鎧だがマントは無い。

そして枝みたいな角。

剣ではなく槍を装備している。

身長は190くらいで年齢は人間に換算すると二十七らしい。


クラークさんは龍人という種族で、人間よりも力が強い。

そんな彼と戦い、団長になれたアレクさんは本当に人間か疑う。



「さて、団長。戻りますよ、まだまだ仕事はあるんですからね。じゃあな、月華。また今度」


「待て、ちょっ、放せー!!」


「さよなら、アレクさん。お疲れさまです、クラークさん」



鎧の隙間に指を突っ込み、そのまま引っ掛けて引きずっていくクラークさんと、引きずられていくアレクさんを見送る。

今度、クラークさんに差し入れとして何かお菓子でも渡すか。

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