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公園 ▶︎色々


「お辞儀……」


 モクレンは、ナナヤと一緒に行動している間、たびたび目にしていた行動だ。何のためのお辞儀か理解できずに、呟くことしか出来なかった。

 以前もポツリと言ったが、その頃のナナヤはモクレンの単語会話がうまく出来ていなかった頃だった。

 今のナナヤには、単語に込められた意味が理解できるので、言葉を返す。


「カーチェは、恵みへの感謝を忘れミャー種族だミャ」

「そうニャんです。ご飯を食べる時も、ご飯が終わった後も、素敵ニャ出会をした時も、その事柄へ感謝ですニャ」


 採取の時も、お辞儀はすることを言う。


「あぁ、だからか」


 薬草を摘んだ時、鉱物を拾った時などなどで、お辞儀を見ていたモクレンは、ナナヤの行動を今ようやく理解した。


「そうミャ。乱獲はしない(ミャー)し、少し分けてもらうから、お礼は伝えるのミャ」

「ベベベルガ……」

「乱獲までしてミャーよ! それに、こっちを食べるマンマンだった奴ミャ! 返り討ちにして当然だミャ!」


 そして、狩ったモンスターから、素材を得るときのお辞儀はしない。

 それは恵みではなく、勝者の権利という。


「弱肉強食」

「そうだミャ!」


 こんな一言会話をするような奴であるが、トップハンターという実力を持つこともあり、脳筋気味でもある。

 ナナヤの主張を理解した。


「あっ、鉄棒あるミャー!」

「ほんとだニャ!」


 やはりこども、遊び道具に目を輝かせている。


「うん」


 こどもらしい面を見れて頬が緩む。

 しかし、ナナヤとルルルフが示した鉄棒を見ると、掴まる位置が地上から3メートルくらいの場所にあるもので、モクレンは固まった。

 ナナヤが自分の手を組んで、腰を落として構える。


「ルルルーフ!」

「ニャー!!」


 ルルルフがその手を目掛けて4つ足で駆けて、前足(手)を載せると、ナナヤはそのまま腕に力を込めて立ち上がり、腕を上に大きく振った。

 上に向かって手を振れば、ナナヤが構えている位置からは鉄棒に向かって飛ばなさそうに見えるながらも、ノーコンナナヤはルルルフを鉄棒の方へ飛ばした。

 ブワーッと斜めに高く飛んだルルルフは、3メートル先の鉄棒のバー部分を掴んだ。


「ニャー! 高いニャー♪」


 ぶらぶら吊り下げ状態で揺れながら、高さを楽しんだり、腕の力でぐいっと体を持ち上げて前回りをしたりと、鉄棒遊びを始めるルルルフ。


「モクレン、ナナヤをあそこに投げてミャ!」

「うん」


 隣にもある3メートルくらいの鉄棒を示すナナヤ。

 モクレンはナナヤを自分の手に座らせる形にした後、ブンっと上に向かって放る。


「ナイスコントロールミャ!」

「ノーコン違うから」


 ノーコンをコントロールして、ルルルフを鉄棒へ導いた、ある意味すごい芸当にモクレンは内心驚きながらも、おとなしそうなルルルフが意外と高いところでキャッキャ遊んでいることに、やはりカーチェの身体能力は高いなぁと感心の目を向ける。

 その視界の先には、鉄棒技にある大車輪のような状態で、ぐーるぐーる回って楽しんでいるルルルフ。

 隣の鉄棒では、足の甲を鉄棒に引っ掛けて自分の力と慣性で回るナナヤ。

 モクレンは近くのベンチに座って眺めている。


「森の木で遊ぶより、安全で楽しいニャー!」

「鉄だから折れる心配いらミャーよねー」


 カーチェの遊びは、自然物が多いのだろうなとモクレンは納得。

 人間にとって身近なカーチェは、家政カーチェやお店で働く店員さん。ハンターに馴染みがあるのはサポ猫が多く、一緒に遊ぶことは少ないため、なかなか見れない物を見れたと楽しんでいた。


 鉄棒からもスムーズに飛び降りて、満足顔のルルルフとナナヤ。


「モクレンは鉄棒で遊ばなミャーのか?」

「懸垂道具」

「モクレンならたくさんできそうミャね」

「でも、あそこ高いニャ。ルルルフは自分で上がるとしたら、横の棒から登らニャいと上にいけニャい」

「ん……」


 モクレンはスタスタと鉄棒のところまで歩いて行って、足をグッと曲げるとその場で垂直飛び。

 そのパワーはちょっと飛ぶ程度な、ゆるっとした雰囲気だったが、簡単に3メートルの位置にあるバーを掴んだ。


「す、すごいニャー!!」

「あと1メートルくらい高くても、あいつミャら余裕で掴めるミャよ」

「すごすぎニャー!!!」


 軽い運動をして、すっきりした一行は、公園の中をぶらぶら歩く。


「釣り堀」

「ニャー! お魚さんいっぱい見えるニャー」

「あ、エビっぽいのも見えるミャ!」


 水面を見るも、そのようなものは見えないため、釣り堀にいる客たちは首を傾げる。


「カーチェ、目がいい」


 モクレンの言葉に、釣り堀客は納得する。

 目だけでなく、鼻も、感覚も人間より鋭い者が多いのだが、一般の人間は知らないことである。


 釣り堀の横を抜けて、広場のようなところに出ると出店がいくつかあり、ナナヤとモクレンは目を輝かせる。


「串焼き肉だミャ!!」

「クレープ」


 他にも、ジュースが売っていたり、お団子が売っていたり、軽食として取れそうなものが多い。


「公園の中にお店があるニャんてすごいですニャ」

「巡回」

「ニャ??」


 モクレンの単語が理解できないルルルフの耳がぴこぴこ動いて、色々考えて見るもよくわからなかったが、ナナヤが補足してくれた。


「この街の、いろんな公園や通りを巡っている移動式のお店らしいミャ。ほら、あそこに車輪ついていてお店が動きそうミャ!」

「あ、ほんとだニャ!」


 巡回の言葉でここまで察する事が出来るナナヤは、色々な人の言葉を察する事ができて、あらゆるコミュニケーションが取れるのではないだろうかとルルルフは思ってしまった。


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― 新着の感想 ―
>ナナヤをあそこに投げてミャ! ↑は!? え!? ちょ… フツーに会話してるけどビックリだよ!? チビッコナナヤ砲発射!(笑)
 狩ったモンスターから素材を得る時は、恵みではなく勝者の特権。  この理論にものすごく納得と共感が出来てしまう人って、モンのハンのプレイヤーだよなぁって思ってしまいます。  剥ぎ取りor落とし物でし…
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