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街ブラ ▶︎オシャレ・かっこいいカーチェとは


 夕飯後は、翌日の予定である街の散策について、おしゃべりをしながら予定を軽く立てる。


「ナナヤ、行ってみたいトコってあるかニャ?」

「スイーツ店ミャ! ニャームクーヘンしばらく食べてミャー!!」

「あ、それルルルフも行きたいニャ。オススメされたお店あるニャ」


 そして、ニャームクーヘンを食べる以外の予定は決まらず、そのまま眠りについた。


=˘꒳˘=˘꒳˘=˘꒳˘=


 翌朝は、ルルルフはいつも通りの時間に起床。

 寝坊などしてしまうと、朝ごはんを逃してしまうため、ダラダラ過ごす朝を迎えることはない。


 が、ナナヤは朝の時間に追われる生活を半年ほどしていなかったため、すっかりと朝への気持ちは忘れて夢の中だ。


「ナナヤー! 起きニャいと朝ごはんニャいよー!」


 豪快に布団を剥ぎ取り、ナナヤへ声をかける。

 布団があった場所には丸まって寝ているナナヤ。長いしっぽがナナヤの頭を勝手に撫でて、さらに眠りのサポートをしている風に見える。


「撫で寝を自分で出来るって羨ましいニャ……」


 クイッと自分の体を傾けても、視界に映るのは、首にも届かなさそうな短めのしっぽ。

 まんまるしっぽや、長いしっぽ、2本しっぽのカーチェなどいるなか、ルルルフは珍しさもなくメジャーさもない、『気持ち短いしっぽ』に分類される。

 ナナヤの長いしっぽが、ふわふわとナナヤの頭を撫でていたが、そのしっぽをぺいっと払いのけてみた。

 しかし、すぐにナナヤの頭にしっぽは戻っていく。


むぎゅ


「ぎゃミャッッッ!!!」

「おはようニャ」

「起こし方、ワイルドすぎミャ! 声かけて」

「も、起きニャかったよ」

「……ごめんミャ。おはよーミャ!」


 しっぽを握って起こす荒技をしてしまった。決して撫で寝しっぽが羨ましかったわけではない。とルルルフは自分に言い聞かせる。


「歯磨き、歯磨き〜」


 ナナヤは剥がされた布団をベッドに戻して、バタバタと洗面所へ向かった。


「……布団ポイのままじゃニャかった……」


 ナチュラルにお片付けできるようになっていて、ルルルフはびっくりしつつ、ナナヤが汚部屋製造猫脱却を完全にしたような気がして、安心してしまった。


 寮で朝ごはんを食べる。


「んミャー!! めっちゃうミャー!!!」


 昨日もそうだったが、寮のご飯を美味い美味い言いながら、食べていくナナヤ。

 見習いコックカーチェが照れながらも、ニコニコ見守っている。


「見習いミャんて嘘ミャろ!」


 つい、ツッコミ入れてしまうほど、美味しい。


「まだまだですニャノ」

「ナナヤ、半年色々美味しいご飯に目がない奴らと一緒にいたミャ! そこでのご飯と変わらない美味さミャ!!」


 元気にご飯を食べているものの、ルルルフや他のカーチェがその量に驚いている。


「ハンターと変わらない量食ってるニャゴ……」

「ハンターさんって、そんニャに食べるんですニャ?」

「あいつらは、一般の人間やカーチェの3倍は食うニャゴ」


 食べて、狩って狩って、狩って、食べて、狩って。そんな生活をしていたのもあり、ナナヤは運動と食事をしっかりこなしていたため、それは成長するよなぁとルルルフは頷く。


「ナナヤは大きくなりそうニャねー」


 村にも背が高めのカーチェはいた。パイセーンほどではないけれど、今のルルルフの倍くらいの高さ(120センチくらい)の高身長カーチェもいたので、そのくらいにはなりそうだとルルルフは思った。


「狩りに行かず、あの量食ってたら、団子カーチェになりそうニャゴ」

「……そうミャ! ナナヤ、おやすみミャから、ご飯控えめにせんとミャ!」


 2人前ほど食して、ごちそうさま宣言をするが、すでにたくさん食べている状態で控えめという言葉に、周りのカーチェは毛を膨らませて驚いていた。


 食事を終えて、食休みで部屋にてくつろぐ。

 朝ごはん終わったくらいで開いているお店は、市場くらいなもので、市場にお目当てはない。


「そろそろ、行くニャ」


 ルルルフは薄手のポンチョ型の上着を羽織る。


「ルルルフ、風邪でも引いてるミャ?」

「今日は肌寒いから、1枚羽織るのニャ」


 もう季節は秋。

 この国は冬が短いながらも、季節が巡ると寒さはやってくる。


「あー、そっか。ナナヤは毛が長いからあんま気にしてミャーかった」

「そうなのニャ。冬の間ひと月分は根雪にニャるって教えてもらったニャ」


 王都と呼ばれる都会であるため、人が多いのもあり、街の中心エリア・商業地域などの道は雪かきで払い除けるけれど、住宅街は雪があるらしい。


「雪遊びは街じゃ、できミャーのか」

「らしいニャ」


 村では多少の雪かきはするものの、ふた月は雪まみれである。森の奥にあるので街よりは寒めだ。ここはまだ暖かいとルルルフは自分の体感だけどと言いながら教えてくれた。



 街をぶらぶらしながら、ルルルフが覚えたお店を伝えて歩き、ニャームクーヘンが美味しいお店へやってきた。

 商業エリアではなく、住宅街のひっそり穴場スポットである。

 周りはお家が多くて、大通りのような活気あふれるものではない。時折子供の遊ぶ声が聞こえる程度だ。



=๑´ڡ`๑=๑´ڡ`๑=๑´ڡ`๑=


 ニャームクーヘンを堪能したルルルフとナナヤ。

 1ホールが小さめに作られていて、ルルルフが食べてもお腹いっぱいにはならない、ホールで数種類堪能できるサイズである。

 2ホール目は別の味を頼んで、ネコウチャを飲みながら、のんびりおしゃべり&スイーツ堪能タイム。


 先ほど案内してもらったものや聞いたものの中に、オシャレなお店はなかったため、疑問に思ったナナヤは、首を傾げつつ口を開く。


「……ルルルフ、オシャレカーチェになった割に、服屋さんとかは見てミャーの?」

「ルルルフ、お洋服あんまり好きじゃニャいし」


 採取に行く時は、道具を入れるためにオーバーオールを着るが、暖かい季節では外に出るためにベスト1枚着る程度だ。

 なんなら、何も着ないで街をぶらつくこともある。

 家政カーチェのお仕事の時は、お掃除が多い時はオーバーオールを着るが、水をたくさん使って掃除をするときは着ないなど、普段の格好を伝える。


「ナナヤは、狩猫っぽい装備するのニャ?」

「カーチェ(ニャ)ーマー、可動域が悪くて邪魔ミャ。せいぜい、モンスターの特性に合わせた防御効果のあるシャツとズボンくらいミャ」


 ふたりとも、服へ求めるものは動きやすさ。動きを阻害することが多い、オシャレ服・頑丈な鎧は敬遠がち。


「真のオシャレカーチェには、ルルルフはニャれないと思ったニャ」

「ナナヤも、これぞ狩猫、な見た目にはなれミャーって思った」


 オシャレカーチェ、かっこいい狩猫の見た目は、窮屈で出来ているなと理解したルルルフとナナヤであった。

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