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波打つ  作者: 北川
3/10

3.兄弟

姉とは仲が悪くもなくというくらいの関係だった。

兄の事は小さい時から苦手で大っ嫌いだった。

思い出してしまう事が3つある。


幼い頃、母は兄によく

『弟を一緒に遊びに連れて行って』

と言っていた。

本当に迷惑だった。多分、お互いに。


『今日、コイツもいるんだけどいい?』

と必ず兄は仲間に言った。

僕はその言葉が嫌でたまらなかった。

2学年上の大っ嫌いな兄の仲間も僕を馬鹿にしてきた。

だからいつも途中で勝手にその場から離れ

1人で海を眺め夕暮れになると

母を心配させないように兄が帰りそうな時間に

何事もなかった様に家に帰った。


小学校低学年の頃、誕生日に絵の具を買ってもらった。凄く嬉しかった事を今でも覚えている。

次の日に学校から帰って絵を描こうとしたら

家には兄と兄の仲間が居て僕をニヤニヤ出迎えた。

新品の絵の具はメチャクチャにされていた。


26歳の時、一人暮らしの僕に姉から電話がかかってきた。

内容は兄が母の事で文句を言っていると。

車を飛ばし実家に戻ると兄は

『お前らはいいよな、母親の面倒をみないで』と。

母はまだまだ全然元気で面倒なんてみてもらう年齢ではない。

面倒をみてもらっているのは無論、無職の兄。


『面倒を見てやってんだから、金を払え』と言ってきた。

僕は『金は払ってやる、いくらだ』と言うと

700万円を要求してきた。

直ぐに金をおろしに行き、兄に叩きつけた。

『金はやる、二度と母の事を面倒と言うんじゃねぇぞ』と胸ぐらを掴みながら。


家がいつも

貧乏だ貧乏だ

金が無い金が無い

と言っていたので、中学2学からバイトをして

毎回、給料の半分を貯金して貯めた金を。













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