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波打つ  作者: 北川
2/10

2.父への変化

幼少期から小学生のころまで

僕の中で父は不潔で大っ嫌いな存在だった。


直接なにもされたわけではないのに。


小学校高学年になり僕の野球の試合をに父は応援に来た、自転車に乗り1人で。

試合が終わり家に帰ると『観に来るな』と父に怒った。

少し大人になってから、この言葉に後悔して

心が苦しかった。申し訳なさにいっぱいだった。


いつからか母に従ってばかりは嫌になり

父の事を考えるようになってきた。

父は僕には何もしていないのに

こんな環境や生活がおかしいと。

父がとても我慢していて

孤独でかわいそうと思う心が芽生えた。


父はお酒の飲み過ぎで身体を壊していた。

僕が中学生の頃、入院をした。

1人でお見舞いに行った、将棋盤を持って。

初めて父と遊んだ、将棋をして普通に話した。

お父さんとは呼べなかったけど。

バカだバカだと言っていた父に将棋で負けた。

嬉しい時間だった。暖かかった。


僕がタバコを吸う様になり

母がいない時にこっそり2人でタバコを吸いながら、たわいもない話をした。


父の隣の部屋で寝ていたら

父の苦しそうな息遣いが一晩中響き渡り

朝になり僕はうるさいと言ってしまった。

父はその日の朝に初めて姉の車に乗り病院へ向かった。

たまたま、すれ違い父は僕に頭を下げた。

それが父との最期だった。


父が亡くなっても涙が出なかった。

申し訳ない気持ちでいっぱいで。


父と一緒に写っている写真が一枚だけある。

父、姉、兄、僕が何か乗り物に乗り

誰も笑顔がなく。


その写真の中の父に毎日

手を合わせ話しかけている。


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