逮捕 3
それには桐谷世羅も将も誰もが驚いて彼を見た。
淡島巳春は視線など気にした様子もなくツカツカと桐谷世羅の前に行って書類を置くと
「これね」
と告げた。
「赤木刑事局長から『鷹司警視の移動データを変えてから現在までで二人のデータにアクセスした警察官と取り扱った警察官』のリストね」
淡島巳春はフゥと息を吐き出して表情を変えると
「これで犯人逮捕できなければ警察の威信がた落ちだよ。なんせあの人はさ、日本警察のトップだよ。トップが狙撃されただけでも何をしているんだ状態だけど……犯人が検挙されなきゃ……ね」
と言い
「本当にあの長官、自分の立場が分かってないんだよねー」
と立ち去った。
将は驚きながら
「相変わらず凄い言い方だよな」
と呟いた。
天童翼は苦く笑って
「奴の心配のしかただろ?」
と言い
「何時も忙しい忙しいって言って俺達が行ってもケンモホロロじゃないか。それがこれだけ超絶スピードで持ってきたんだ。かなり本気が入っていると俺は感じたけどな」
と告げた。
菱谷由衣は笑って
「そうね」
と答えた。
将は真っ直ぐ前を見ると
「だったら、俺たちは猶更狼を絶対に捕まえないとな」
と強い視線を桐谷世羅に向けた。
桐谷世羅は笑むと
「本当に良いチームになったようだな」
と心で呟き
「よし! 警察の人狼ゲームの恐ろしさを思い知らせてやれ!」
と言い
「それから、このことは大々的に告知する。二課は……鷹司警視が占い師役をして狼に自分を食らいつかせる作戦で手が一杯と言うことだから俺達はその間接的バックアップもすることになるから気を引き締めて行くぞ」
と告げた。
全員が顔を見合わせて強く頷いた。
翌日、桐谷世羅は根津省吾が作った参加案内を手に淡島巳春からのリストに載っていたメンバーを回るためにフロアを出かけて足を止めた。
「おい、天童。今日はお前もチラシ配りだ。同行しろ」
それに天童翼が不思議そうに一瞬だけ将を見た。
彼にすれば自分よりも東大路将の方が優れていると思っているからである。
が、桐谷世羅は笑むと
「天童、人には得手がそれぞれある。これはお前の方が得意分野だ」
と告げた。
「東大路はゲームで気張ってもらう」
将は笑むと
「天童頼むぞ」
と送り出した。




