逮捕 2
そこへ扉が開き
「天童の言う通りだな。ただ、それは東大路だけじゃない。お前達全員同じだということだ」
と桐谷世羅が扉を開けて入ってきた。
「良いか、過去は過去だ。どんなに後悔しても、どんなに戻りたくても戻れないし変えることはできない。だが、その清濁混在した過去が今お前たちをここに立たせていることを忘れるな」
……天童、根津、菱谷。お前たちはちゃんと一度は抱いた憎悪や憎しみを昇華してここで国を守る大切な一員として生きている……
「過ちかけた道を自分で踵を返して戻ってきた。だから二度と行くな」
全員が桐谷世羅を見た。
桐谷世羅は笑むと
「それで東大路。お前のその怒りや憎悪は警察官として正しく使え。犯人を逮捕する。もう二度と道を過たせないようにするために使え。それが警察官だ」
と告げた。
……お前達誰一人、警察官であることを捨てるんじゃねぇぞ……
将は立ち上がると真っ直ぐ桐谷世羅を見つめ
「はい!」
と答え、天童翼を見ると
「憎しみや怒りで突っ走りそうになった俺を止めてくれてありがとうな、天童」
と笑みを向けた。
天童翼は笑みを浮かべると
「お前が歪むと内部組織犯罪対策一課が歪むからな」
と照れ隠しに視線を逸らしながら答えた。
根津省吾も笑顔で
「ツートップはそうでないとね!」
と言い、菱谷由衣と笑顔を交わして頷いた。
桐谷世羅はフゥと息を吐き出すと
「決まったことを伝える」
と表情を変えて告げた。
「警察庁と警視庁を相手に警狼ゲームを仕掛ける。俺たちは生き残っていたか、もしくは新しくなったかは分からないが未だ潜んでいる狼を捕まえる」
それに4人は頷いた。
将は頷いて
「それで」
と言いかけた。
瞬間に扉が開きサイバー警察局強行犯係の淡島巳春が書類を手に入ってきた。
「水田さんから頼まれたモノを配達に来たよ」




